FXレポート

景気回復期待感からドル円上昇なるか

今週序盤から米国景気先行きに再び楽観的な見通しが台頭しつつある。4月の米個人消費支出や5月ISM製造業景気指数が市場予測を上回り、米国株が大幅に 上昇。投資家のリスク許容度の高まりとともに、クロス円での買いが強まり、ドル円は一時96.80円付近まで上昇した。また、米自動車大手GMも連邦破産 法申請決定は悪材料出尽くしとの評価になっており、為替相場に大きな影響を与えていないようだ。

 一方で、昨日はBRICs首脳会議で新たな国際準備通貨に関する構想について検討する可能性があるとの報道から基軸通貨としてのドルの地位低下が懸念さ れ、ドルは全面安の展開となった。しかし、米4月中古住宅販売保留が市場予想を大幅に上回ったことがポジティブサプライズとなり、ドル円は96円台前半ま で戻りを試し、その後も95円台中盤で底堅く推移している。

 米国経済の安定感はドルに滞留したマネーが、再度、新興国をはじめグローバルに投資されるという見方から、ドル選好に対する一抹の不安感も言われている が、ドル円に関しては、こうした見方が織り込まれつつある現状で95円台をキープできれば、ドルショートのカバーにより、98円台に再び上昇する可能性は 否定できないだろう。

 このきっかけとなりそうなのが、金曜日の雇用統計。一段の労働環境の改善が見込まれれば直近高値97.80を試す可能性も予想される。今週は足元の経済状況を占う上で、重要な週となりそうだ。

 さて、マーケット参加者のポジションは......

 ≪2009年6月2日クローズ時点≫
 ドル・円 : ブル
 ユーロ・円 : ベア
 ユーロ・ドル : ベア
 英ポンド・円 : ベア
 豪ドル・円 : ブル
 NZドル・円 : ブル
 ※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。

 ドル・円は「ブル」、基軸通貨としてのドルに対する懸念が台頭しつつも、参加者は米国景気先行きに対する楽観的な見通しを評価している模様。今週は雇用統計を控えており、好調な結果となれば上値を追う展開が予想される。

 ユーロ・円は「ベア」、株価が好調に推移していることから、リスク選好・ユーロ買い優勢の相場となっている。しかし、参加者は高値警戒感からのユーロ売りを選択しているようだ。今週のECB(欧州中央銀行)の動向に注目したい。

 ユーロ・ドルは「ベア」、ドルが対ユーロで年初来安値をつけ、早くも高値警戒感が台頭しているようだ。しかし、世界経済の見通しについてポジティブな見方が強まりつつあるため、一段のユーロ買い優勢の流れも視野に入れておきたい。

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