バーナンキFRB議長の議会証言で追加金融緩和策が後退!!
昨日のドル円は序盤、強い豪雇用統計を背景に投資家のリスク志向が改善し、ドル買いが優勢になると79.50円付近まで堅調に推移しました。欧米市場では、中国人民銀行が金利を引き下げたことを受けて欧米株式が上昇したほか、米長期金利の上昇もサポート材料となり一時79.789円まで上昇。ただ、その後にバーナンキFRB議長が議会証言で金融緩和策について言及しなかったことで、緩和策実施への期待感が剥落し79.619円(前日比:+0.376)まで小幅に軟化し取引を終えました。
ユーロ円は序盤、欧州時間に英金融政策委員会(MPC)を控えて、積極的な取引が控えられたことから、99円台後半での方向感に欠ける展開となりました。欧州市場では、注目されていた英金融政策委員会(MPC)は政策金利を0.5%、資産購入枠を3250億ポンドに据え置かれたことから値動きは限定的に。NY市場では、スペイン国債の入札が順調に消化されたことから100.622円付近まで強含んだものの、バーナンキFRB議長が議会証言で金融緩和策について言及しなかったことが嫌気され、100.002円(前日比:+0.346)まで下落して取引を終えました。
≪2012年6月7日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」売り21% 買い79%
ユーロ・円 :「ブル」売り43% 買い57%
ユーロ・ドル :「ベア」売り60% 買い40%
英ポンド・円 :「ブル」売り32% 買い68%
豪ドル・円 :「ブル」売り14% 買い86%
NZドル・円 :「ブル」売り34% 買い66%
【今日の主な経済指標】
14:00 JPY 景気ウオッチャー調査-現状判断DI 5月
15:00 DEM 経常収支 4月
15:00 DEM 貿易収支 4月
15:45 FRF 財政収支 4月
15:45 FRF 貿易収支 4月
17:30 GBP 卸売物価指数(食品、エネルギー除くコアPPI)[前年同月比] 5月
21:15 CAD 住宅着工件数 5月
21:30 CAD 四半期労働生産性指数[前期比] 1-3月期
21:30 CAD 貿易収支 4月
21:30 CAD 失業率 5月
21:30 CAD 新規雇用者数 5月
21:30 USD 貿易収支 4月
23:00 USD 卸売在庫[前月比] 4月
- 今日のトレードポイント -
バーナンキFRB議長は、追加金融緩和策を判断する前に景気回復の動向を見極める必要があるとの見解を示し、追加緩和策について具体的な言及がなされなかったことからドル売りが強まりました。また、「失業率を実際に改善させるだけの十分な成長が見られるかが問題だ」とも発言しており、米雇用環境が今まで以上に悪化しないと追加緩和策は後退すると見られ、緩和策期待によるドル買いは一服するかもしれません。本日は複数の経済指標の発表があるものの、どの指標も為替相場への影響が低いと見られていることから、市場予想から大幅に乖離しない限りは値動きは限定的になりそうです。そのため、欧州債務危機に関するニュースや欧米の株価動向に伴うリスク許容度の変化に注意しておきたいです。
[今日の予想レンジ]
ドル・円 78.00-80.50 ユーロ・円 98.50-101.00 ポンド・円 122.00-124.50