FXレポート

米連邦公開市場委員会(FOMC)にて追加金融緩和策を示唆!!

昨日のドル円は序盤、NYダウ暴落の影響を受けた日経平均の大幅下落を背景に、リスク回避の円買いが強まり77.05円付近まで軟化した。その後、英系金融機関からまとまった買いと思われるフローが見られ一時77.820円まで急騰したものの、追随する動きもみられず77.15円付近まで下押す荒っぽい値動きとなった。欧州勢参入後には、米国の景気減速懸念を背景にドル売りが進行し77.00円付近まで小幅に軟化。NY市場では、米連邦公開市場委員会(FOMC)で「異例の低金利を少なくとも13年半ばまで維持」と示されると一時ドル全面安となり76.706円まで下落し77.008円で取引を終えた。

ユーロ円は、荒れた相場展開に。東京市場では世界的な株安連鎖を背景にリスク回避の円買いユーロ売りが強まり109.093円まで下落した。しかし、日経平均が下げ幅を縮小したことやGLOBEXのNYダウ先物で100ドル超の上昇したことを受けて110.65円付近まで反発。ただ、欧州市場に入ると欧州株の株安を受けて109.45円付近まで軟化した。NY市場ではFOMC後にNYダウが上げ幅を拡大し400ドル超えとなると、投資家のリスク志向が改善するとの見方から円売りユーロ買いが強まり高値圏となる110.644円まで大幅に上昇し取引を終えた。

                              今日の展開

ドルは、米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明文で「物価安定のもとで力強い景気回復を促進するため、利用可能な政策手段の範囲について協議した」「必要に応じてこれらの手段を用いる準備がある」と追加金融緩和策(QE3)が実施される可能性が示されたことにより、NYダウの大幅上昇から投資家のリスク選好姿勢が改善しているため、下値への動きは限定的になろうか。一方、円は行き過ぎた円高阻止について野田財務相は「マーケットを注視しながら適切に対応していきたい」との認識を示しているものの、再び単独介入になった場合は投機筋のターゲットになりやすいため注意が必要だ。

ユーロは、ECBがイタリア、スペインの国債救済に乗り出しているものの、ここにきてフランス国債に新たな懸念が浮上している。ドイツが欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の規模拡大について否定的な姿勢を示しているため、フランス国債のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)が大幅に拡大したことにより、国債の格付けが引き下げる可能性が出てきており、依然としてユーロにとって厳しい状況が続きそうだ。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円   76.20-79.00
ユーロ・円 109.00-112.00
ポンド・円 124.00-128.50

【今日の主な経済指標】
15:00 DEM  消費者物価指数(CPI、改定値)[前月比] 7月
15:45 FRF  鉱工業生産指数[前月比] 6月
15:45 FRF  経常収支 6月
18:30 GBP  英中銀イングランド銀行、四半期ごとの物価報告(インフレリポート)
20:00 USD  MBA住宅ローン申請指数[前週比]
23:00 USD  卸売在庫[前月比] 6月
03:00 USD  月次財政収支 7月

≪2011年8月9日クローズ時点≫
 ドル・円   :「ブル」
 ユーロ・円  :「ブル」
 ユーロ・ドル :「ベア」
 英ポンド・円 :「ブル」
 豪ドル・円  :「ブル」
 NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。

ドル円は「ブル」
NYダウの反発に伴った買いが進み、参加者も積極的にリスクテイクし「ブル」。
しかし、年内の米経済回復シナリオが崩れ、2013年まで異例の低金利が続く
見通しが示されたことで、ドルを買い進むには困難な状況になろうか。また、
リスク資産を安全資産に移す資金移動によって米国債が買われているため
利回りが一時史上最低水準となる2.035%まで低下するなど、金利面からも
サポートは得にくいかもしれない。

ポンド円「ブル」
英経済指標の鉱工業生産、製造業生産、貿易収支が事前予想を下回ったほか、
英国内での経済格差を起因とした暴動の影響も下げ材料となり前日比-1.205
円となったが、参加者は下値での買い意欲が強く「ブル」を堅持。英国の経
済情勢の悪化や政治的な懸念から、短期的にはポンド売りが続く可能性が高
いとみれよう。ただし、中長期的な見通しについては、本日発表される英中
央銀行のインフレリポートの内容を見極めて
検討したい。

豪ドル円「ブル」
世界同時株安を背景にリスク回避の円買い豪ドル売りが強まっていたものの、
NYダウの大幅な反発を受けて、参加者のリスク志向が回復しており「ブル」
となっている。米国の経済成長の鈍化が豪ドルの重石となっているなか、豪
国内の経済情勢も悪化するとの見方が強まっており下値への警戒を強めてお
きたい。

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