FXレポート

FOMCに警戒感!

23日はドルが全面安、世界銀行による世界経済の成長率下方修正を受けて、ドル売りが先行した。
「米国を中心とする景気楽観論が行き過ぎていた」との見方が強まった。
注目の経済指標もドル買いにはつながらず、米5月中古住宅販売件数は前月比+2.4%の477万件となり、
市場予想の482万件よりも弱い結果となった。前月の466万件を上回り2ヵ月連続で増加したものの、
過去最低の水準近くにて横ばいで推移。住宅市場の底打ちを確認する内容としては、
物足りない結果となっている。
米株価も弱い住宅指標の結果を受けて続落、取引時間中としては約3週間半ぶりに8300ドルを
割り込んで一段とドル売りが加速した結果、ドル円は95.227円で引けた。

一方、ユーロは大幅に買われる展開、ユーロドルの買い戻しが先行するなか、ウェーバー独連銀総裁の
「ECBは利下げ余地を使い切った」との利下げ打ち止めを示唆する発言が出たほか、
6月のユーロ圏製造業購買担当者景気指数(PMI、季節調整済み)が42.4と5月の40.7から
上昇したことも支えとなり、当面の間金利が据え置かれるとの見方が強まり
堅調な展開となった。一時ユーロドルは1.41080ドルまで上昇、終値は1.40768ドルで引けた。
この動きにつられる形でユーロ円も一時134.447円まで上昇。結局134.053円で取引を終えた。

さて本日は、米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明発表を前に、景気先行きの不透明感から
年内利上げ観測が後退している。また、オバマ大統領が失業率は最終的に10%を超えるとの
論調を繰り返していることで、「金利」「雇用」の両面からドル売りに拍車をかける可能性がある。
ユーロは前日のECBウェーバー総裁の金融緩和は必要ないとの発言が本日もユーロの支援材料になりそうだ。
一方、世界的な景気回復に対する不安感を背景に高利回り通貨が下落している。
ただ、豪ドル円、加ドル円に関しては昨日からの下落で上昇トレンドを割り込んでいることから、
下値を探る動きもあり得る。その場合、5月中旬の安値(豪ドル円:70.60円 加ドル円:80.20円)
近辺を狙う展開になるかもしれない。

[予想レンジ]
ドル・円     93.80~96.50 
ユーロ・円 132.20~135.30
ポンド・円 154.10~159.00

【今日の主な経済指標】

08:50 日)貿易収支

18:30 南ア)消費者物価指数

23:00 米)新築住宅販売件数

27:15 米)FOMC政策金利&声明文発表

 
 さて、マーケット参加者のポジションは......

 ≪2009年6月23日クローズ時点≫
 ドル・円 :  ブル
 ユーロ・円 : ブル
 ユーロ・ドル :ベア
 英ポンド・円 :ブル
 豪ドル・円 : ブル
 NZドル・円 :  ブル
 ※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。

 ドル・円は「ブル」
 ドル売りが強まるなか、参加者は短期逆張りのスタンスで望んでいる模様。
 しかし、本日はFOMCというイベントリスクに備えた様子見ムードの取引参加者も多く
 発表前はポジション調整も必要だ。発表後は大きく動く可能性があるので注意したい。
 
  ユーロ・円は「ブル」
 ECB利下げ打ち止めを示唆する発言やFOMCの米政策金利を織り込んだ展開に
 参加者は強気で134円台前半では「ブル」のようだ。
 
 ポンド・円は「ブル」
 先週の「ベア」から一転買いが集まる結果となった。
 その要因は、M&Aの資金フローをにらんだ中東系の買いを受けポンド円も一時
 157.10円まで上昇、しかしその後154円~156円の間揉み合いになった。
 6月始めから続く154円~160円のレンジを抜けられない為、今後もオシレーター
 系の指標が活躍しそうだ。
 

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