FXレポート

ドル円上値模索も、96円が意識され反転のリスクも

週初めのマーケットは、欧米各国の重要経済指標が予想以上に好調であったことや、これを受けて株式市場が軒並み上昇したことを受けて、円が売られる展開となった。

NY時間に発表された「ISM米製造業景況指数」は7カ月連続で上昇。結果は市場予想(46.5)を大きく上回る48.9となった。NYダウも昨年11月初旬以来約9カ月ぶりに高値を更新し、引けは114.95ドルの上昇となった。ドル円は95円台をあっさりと回復し、その後もショートカバーを伴って一時95.418まで上昇し、高値圏を維持したまま95.261円で引けた。

ポンドは、7月のPMI製造業指数が予想(47.8)を大きく上回る50.8となり、買い圧力が強まる中で、銀大手バークレイズ銀行やHSBCが好決算だったことを受けて更に買いが集まる結果となり、ポンドドルは一時昨年10月21日以来の高値をつけ、1.69857ドルまで上昇、引けは1.69330ドル、ポンド円は161.777円と6月30日以来の高値を付けて161.320円引けとなり、強い騰勢を示して取引を終えた。

本日は引続き各国の景況感を折り込む展開が想定される。NY時間に発表される個人所得及び個人消費支出は重要で、結果次第ではドルが更に上昇する可能性もある。ただし、昨日の上昇が急だったことやドル円は先週跳ね返された96円が意識される状況となっており、逆に指標の結果が悪いと再度94円台に下落する可能性もあり、注意が必要だ。


[予想レンジ]

ドル ・円   94.30~ 96.30
ユーロ・円 135.60~138.60
ポンド・円 158.80~162.80

【今日の主な経済指標】

13:30     AUD     豪準備銀行(中央銀行)、政策金利発表
21:30     USD     個人所得
21:30     USD     個人消費支出(PCE)
21:30     USD     個人消費支出(PCEコア・デフレーター、食品・エネルギー除く)

 さて、マーケット参加者のポジションは......

 ≪2009年8月3日クローズ時点≫
 ドル    ・円 :ブル
 ユーロ  ・円 :ベア
  ユーロ  ・ドル:ベア
 英ポンド・円 :ベア
 豪ドル  ・円 :スクウェア
 NZドル  ・円 :ブル

 ※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。

 ドル・円は「ブル」
 「ISM米製造業景況指数」好調が好感されて「ブル」。
 しかしながら、7月の製造業景況感指数や雇用統計などの重要指標も控えていることから
 方向感定まらない相場となりそうだ。

 ユーロ・円は「ベア」
 急激なユーロ高を受けて「ベア」。
 「HSBC決算」は市場予想を上回りを見せた。今後の重要イベントが予想以上に強い数字と
 を示せば一段とリスク選好ムードは高まるだろうが、高値警戒圧力も依然として強く、
 引き続き警戒が必要だ。
 
 ポンド・円は「ベア」
 急激なポンド高を受け「ベア」。
 「バークレイズ銀行決算」の好決算を受け強い騰勢を示しているが、その分重たい上値に注意したい。
 今週5,6日に英中銀金融政策委員会(MPC)が予定されているなど、読みにくい動向が続きそうだ。。

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