FXレポート

ドル円 95円を目指す展開か

16日のドル円は、ロシアのメドベージェフ大統領による
「われわれは国際通貨システムを強力なものにしなければならない。
それはドルを強くすることばかりでなく、新たな準備通貨の創設を通じて行う必要がある」
この発言をきっかけにドル円は下落。22時過ぎには97円前半から96円台へ突入。
さらにニューヨーク市場が始まると下げの勢いはとまらず続落。
一時96.192円と今月5日以来の水準まで急落し結局96.408円で取引を終えた。

ユーロ円では、英消費者価指数や独ZEW景況感調査の好結果となった。
独ZEW景況感調査では産業別でも、すべての産業で景況感が前月を上回る強い結果となった。
これを受けユーロが135.365円まで上昇するがNYダウの下落、ドルの下落によりユーロもつられる形で
反落し終値は133.406円で引けた。

さて、本日はドルに代わる基軸通貨を求める声の高まりや、メドベージェフ大統領の発言
が引き続き重石になり米株式相場の下落などで、一段と円買い・ドル売りが進む可能性もある。
景気回復期待で買われていた資源国通貨などが売られ、円高がジワジワと進み
再び95円台を試す展開も十分あるため注意が必要である。
尚、25時からバーナンキ米FRB議長講演などが予定されており、発言内容によっては
相場が大きく動く可能性もあるので注視したい。

[注目通貨【USD/JPY】のテクニカル分析]
ドル円はチャート分析すると軟調な展開が予想される。
日足チャートをみると、綺麗なヘッド&ショルダーを形成しつつある。
3つの山(真ん中が一番高い山)から左側にある底値93.80円近辺を割り込むような
なら急落する可能性があるので注意したい。
ヘッド&ショルダーは厳密に言えばネックラインを割り込むと下落する可能性を示すが、
ここでは93.80円近辺を1つのポイントにしたい。
時間足チャートをみても、ほぼトリプルトップに近い形になっている。
近日中に直近高値の97.30円付近を突破できなければ、軟調な展開になるかもしれない。


[予想レンジ]
ドル・円     95.50~ 96.80
ユーロ・円 133.00~133.60 
ポンド・円 157.50~158.80

【今日の主な経済指標】
14:00 日)日銀金融経済月報 

17:30 英)BOE議事録(6月3日・4日開催分) 

21:30 米)消費者物価指数 

25:00 米)バーナンキ:FRB理事の講演 
 
 さて、マーケット参加者のポジションは......

 ≪2009年6月16日クローズ時点≫
 ドル・円 :  ブル
 ユーロ・円 : ブル
 ユーロ・ドル :ブル
 英ポンド・円 :ブル
 豪ドル・円 : ブル
 NZドル・円 :  ブル
 ※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。

 ドル・円は「ブル」
 利益確定のドル売り・円買いが加速して急反落。
 一時96円近辺まで下落した為、押し目買いからドル買い優勢の展開となっている。
 しかし、95円を下回り売り優勢の流れが強くなる可能性も否定できない。
 
 ユーロ・円は「ブル」
 ファンダメンタルでは独5月ZEW景気期待指数が市場予想大きく上回ったため、 
 参加者はユーロ買いを選択している模様。

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