FXレポート

【為替の動向】ドル円95円台維持の正念場

 先週は米国の景気底打ち期待感が強まったことで、ドル買い・円売り優勢の状況となっていたが、それも続かなかった。米国GDPの7割を占める小売売上高 は市場予測を下回り、4月の住宅着工件数も冴えない結果となったことが、ドル円相場の上値に重くのしかかっているようだ。円高の進み具合から、先週中ごろ から市場ではネガティブな要素に反応しやすい状況であるとも考えられる。

 材料不足のなか、方向感の定まらない状況となっているが、本日の米MBA住宅ローン申請指数には注目したい。相場動向を大きく左右する指標とは言いがた いものの、住宅市場が景気回復を主導するとの期待感も強く、注意が必要となろう。また、明日日本時間早朝に発表される米連邦公開市場委員会(FOMC)議 事要旨も念頭に入れておきたい。

 今週は円を積極的に買い進める理由にも乏しい状況であるため、上値の重いドル円が95円台を維持できるかどうかが焦点となりそうだ。NYダウも一時8500ドルを上回っており、この水準で推移するようなら、やや安心感がもてそうだ。

 しかし、直近安値の94.50円付近を下回るようだと、更なる下値を模索する展開も考えられるため、注意が必要だ。

 さて、マーケット参加者のポジションは......

 ≪2009年5月19日クローズ時点≫
 ドル・円 : ブル
 ユーロ・円 : ブル
 ユーロ・ドル : ベア
 英ポンド・円 : ベア
 豪ドル・円 : ブル
 NZドル・円 : ブル
 ※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
 ドル・円は「ブル」、冴えない経済指標の結果を受け、円高方向に進んでいるものの、積極的な円買いに転じる理由にも乏しい状況であろうか。但し、GM報道や米国格付に関わる報道によりドル売りが加速する可能性も十分にあることに注意したい。

 ユーロ・円は「ブル」、5月独景況感指数や5月ユーロ圏景況感指数が市場予想平均を上回ったことを受けて、ユーロ買いに安心感が出ている模様。NYダウ をはじめとした株価も底堅く推移していることもユーロ買いの強い動機となっているようだ。しかし、株価が下落基調になればリスク回避の流れが強まる可能性 が高いため、注意が必要だ。

 ユーロ・ドルは「ベア」、米国の過度な景気底打ち期待感が薄れ、ドル売りが強まるなか、参加者は短期逆張りのスタンスで望んでいる模様。但し、ドル売りバイアスが強まる可能性は低いとは言えない状況が続いていることは念頭に入れておきたい。

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