94-97円近辺でのレンジ相場継続か!?
先週のドル円は、米8月ミシガン大学消費者信頼感指数は63.2となり、市場予想の69.0よりも弱い結果となり5ヵ月ぶりの低い水準を示した。米7月雇用統計でこそ労働市場の改善が見られ、FOMCで米景気の下げ止りが示されたことなどを受けて、景気回復期待が高まったが、依然として失業率は高水準にあり、センチメントを冷やした結果となった。
欧米市場ではニューヨーク株式市場の下落を嫌気し一時94.391円まで売られ、先週は94.856円で引けた。ユーロ円は、株価と商品相場が続落したことでリスクに敏感なユーロが売られ、一時134.204円まで下落、134.713円で終えた。
今週の展開
ドル円は、今週発表される米経済指標の結果次第では乱高下の可能性もあろうが、極端なリスク回避に向かう可能性は小さく、低リスク通貨の円買いは限定的になりそうだ。引き続き94-97円近辺でのレンジを意識しつつ、94円台前半では押し目買いチャンスとも言える。ただし、米国債の長短金利が低下していることや、雇用問題などで大幅な改善は考えにくく、ドル円の急騰は困難かもしれない。
一方、ユーロは先週の独仏の第2四半期GDP速報値が予想外のプラス成長となったことや、ユーロ圏全体のGDPも予想を大幅に上回ったことからファンダメンタルズでは強いと見れる。欧州の景気回復が予想より早まる可能性が出てきたことでユーロは上値をさらに拡大出来るかどうかがポイントになるだろう。
この1週間の米国経済指標から米小売売上高やミシガン大消費者信頼感指数などで弱さが目立ったが、今週は景気底打ちを確認する意味でも、金曜日に発表される中古住宅販売件数に注目したい。
[今週の予想レンジ]
ドル ・円 92.80~97.80
ユーロ・円 132.30~138.50
ポンド・円 154.50~159.30
【今週の主な経済指標】
8/17
08:50(日) 四半期実質国内総生産(GDP、速報値) 年率換算(2009年4-6月期)
16:15(ス) 実質小売売上高 前年同月比
18:00(欧) 貿易収支
22:00(米) 対米証券投資
8/18
14:00(日) 景気一致指数
14:00(日) 景気先行指数
17:30(英) 小売物価指数
17:30(英) 消費者物価指数
18:00(欧) ZEW景況感調査
18:00(独) ZEW景況感調査
21:30(米) 建設許可件数
21:30(米) 住宅着工件数
21:30(米) 卸売物価指数
8/19
10:00(豪) ウエストパック景気先行指数
17:00(欧) 経常収支
17:30(英) 英中銀金融政策委員会
18:00(欧) 建設支出
20:00(米) MBA住宅ローン申請指数
20:00(加) 消費者物価指数
8/20
15:15(ス) 貿易収支
17:30(英) マネーサプライM4速報値
17:30(英) 小売売上高指数
21:30(米) 新規失業保険申請件数
23:00(米) フィラデルフィア連銀製造業景気指数
8/21
23:00(米) アメリカ 中古住宅販売件数
さて、マーケット参加者のポジションは......
≪2009年8月14日クローズ時点≫
ドル・円 : ブル
ユーロ・円 : ブル
ユーロ・ドル : ブル
英ポンド・円 : ブル
豪ドル・円 : ブル
NZドル・円 : ブル
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル・円は「ブル」
弱い米経済指標や米株安などを背景とした売りで一時今月4日以来の安値となる1ドル94.391円まで売
り込まれた。ただ、米金利の低下が一服したことや米国株の下げ渋りを受け、94円台では値ごろ
感から参加者の買いが集まる形となった
ユーロ・円は「ブル」
リスク回避の流れから3日ぶりの反落を見せたユーロだが、ファンダメンタルの強さから
安値では積極的にロングポジションを取る傾向があり「ブル」。
株式市場も好調な中で、リスク回避は限定的と見れば133円台であれば慎重に押し目買い
を狙っていきたい。
ポンド・円は「ブル」
経済指標ベースで見れば全般的に住宅市況を始め改善傾向が見られることから参加者は「ブル」
を選択。しかし、強い経済指標が示されているにも関わらず、キングBOE総裁が「英国経済は深
いリセッション状態にある」と言い続けていることがポンドの上値を限定的にしており今後も
キングBOE総裁の発言には目が離せない。