FXレポート

92.000円をブレイク! 円高ドル安トレンドか。

昨日の相場は、米国経済の不透明感再燃からドル売り圧力が強く、一時92.000円の下値抵抗をブレイクし、安値91.591円をつけた。これは今年7月13日につけた91.743円以来の水準。このドル売り圧力に呼応し、主要クロス円も軒並み円高を示す展開となった。


ドル円は、序盤は上海総合株価指数の影響も受けながらも動意薄。16時頃には高値92.585円をつけたもの、欧州勢参入待ちムードのレンジ内取引で小動きし、積極的な取引は控えられた格好となった。しかし米国時間に入ると、米株価指数先物のプラス圏内への反発をトリガーに、ドル売りが進行。米国経済の先行き不安もあり、継続的に売られ92.000円のサポートをブレイクし、安値91.591円をつけた。その後の、米地区連銀経済報告(ベージュブック)の発表は、強弱入り混じった内容で反応は鈍かったが、米国株が上げ幅を拡大したことなどを受けドルの買い戻しが入り、再度92.000円まで浮上、結局91.591円で取引を終えた。

ポンドドルは、序盤は一進一退の展開、欧州時間に入りグリーンスパン前FRB議長が、英国景気の改善には時間が必要である主旨の発言があり断続的に売りが入った。7月の英貿易収支で、輸出は191.87億ポンド(前回182.74億ポンド)、輸入は256.66億ポンド(前回247.89億ポンド)と、いずれも拡大したものの、収支は-64.79億ポンドと市場予測の-62.50億ポンドと悪水準となったことも後押しし、安値1.64539ドルまで下落した。その後は、買い戻しとドル安が進んだことから一時、高値1.65908ドルをつけて結局、引けは1.64539ドルでポンドドルは取引を終えた。

豪ドル円は、欧州時間から時間にかけて、往って来いの展開に。序盤は、豪景気指標の底堅い強い結果を受けて79.985円で高値更新。発表された豪7月小売売上高が市場予想に反して弱く、安値79.197円まで反落した。欧州時間に入ると、79.900円付近まで値を戻すも、ドル円が一時92.000円をブレイクしたことで、再度安値付近を試すなど方向感定まらず、79.197円で引けた。豪ドルは、8月豪雇用統計が発表予定だ。新規雇用者数は-1.5万人(前回+3.22万人)と、失業率は5.9%(前回5.8%)が予想されている。前月の新規雇用者数は市場期待を上回る強いもので、早期利上げ観測も高まった。商品相場も盛んで、豪ドルの動きは強い傾向が継続している。世界景気は不安材料が多いが、豪景気回復が突破口となるか引き続き注目したい。


本日の相場だが、前日はクローズ時間前にこそ持ち直したが、NY時間に7月13日以来(91.743円)の高水準の強い円高に振れた。米景気不安を一気に払拭させる好材料なしには、今のドルに対する不信感を拭い去るのは難しいだろう。発表を控えている重要指標の如何によっては円高ドル安のトレンドを形成する可能性も視野に入れたい。

また、本日はニュージーランド、英国、カナダの政策金利が相次いで発表される。カナダは、大方の予想は金利据置・金融政策の変更は無いとしている。カナダ中銀(BOC)政策金利の発表を前に調整の動きを示している。


[本日の予想レンジ]

 ドル ・円   90.50- 93.50
 ユーロ・円 132.40-136.40
 ポンド・円 150.20-154.70


【本日の主な経済指標】

06:00 NZD RBNZ政策金利&声明発表
10:30 AUD 新規雇用者数
20:00 GBP BOE政策金利&声明発表
21:30 CAD 貿易収支
21:30 USD 貿易収支
21:30 USD 週間新規失業保険申請件数
22:00 CAD BOC政策金利&声明発表
24:00 USD 週間原油在庫
26:00 USD 30年債入札(100億ドル)リオープン


さて、マーケット参加者のポジションは......

 ≪2009年9月9日クローズ時点≫
 ドル・円    : 「ブル」
 ユーロ・円  : 「ブル」
 ユーロ・ドル :  「ベア」
 英ポンド・円 :  「ブル」
 豪ドル・円  : 「ブル」
 NZドル・円  :  「ブル」

 ※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


 ドル・円は「ブル」
 米景気不安の再燃で3日連続で続落、米景気回復を望める強い材料に欠ける。
 特に92.000円の下値抵抗をブレイクしたことは大きなマイナス材料だ。
 本日は、週間新規失業保険申請件数など多数指標発表を控えていることから今後の動向を見極めたい。

 ユーロ・円は「ブル」
 材料薄の環境だったが、ドル売りの影響で相対的に堅調を示した。
 本日も、特に注目材料は見受けられないが、第二の機軸通貨としてのユーロの優位性から更なる騰勢を
 見せることも想定したい。

 ポンド・円は「ブル」
 方向感定まらないポンドだが、値動きそのものは小さくない。
 本日、BOC政策金利と声明の発表を控えていることから、現在のボックス圏相場脱却となるか動向を注視したい。

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