米公定歩合引上げに期待!90円台定着となるか!
昨日のドル円は東京市場序盤、NY市場の流れを引継ぎギリシャ問題収束期待感を受けて、アジア株が軒並み堅調に寄付いたことや、日経平均も1万円台を回復するなどリスク回避志向の後退から、円が売られる展開となり、一時90円台に上昇する堅調な動きをみせた。しかし、90円付近では本邦輸出企業のドル売りも厚く、ギリシャ救済策についても具体的な内容については不透明であることから積極的な円売りは控えられ、89.70円から90.00円付近の狭いレンジでの推移となった。その後は24時にバーナンキFRB議長による下院金融委員会での証言原稿が公表されるため、市場では内容を見極めたいとのムードもあり小動きに終始。注目の証言原稿だが、近い将来に公定歩合の引き上げを示唆したことを受けてドルは上昇した。再度90円台に上昇する動きをみせたが定着することは出来ず、一歩手前の89.924円で引けた。
ユーロ円はトリシェECB総裁の早期帰国から端を発したギリシャ救済期待の高まりが東京市場でも引継がれ、ユーロのショートカバーを誘発すると、前日の高値124.30円付近まで回復する場面もみられた。しかし、ショートカバーの一巡後は、明日のEU首脳会談の結果を見極めたいとの思惑から小康状態となり、高値圏での動きとなった。その後のNY時間では格付け機関ムーディーズがギリシャについて「財政計画の進行が遅れる場合、今後数ヶ月のうちにギリシャの格付けをBaa1に変更する可能性」などと指摘。また、一部報道で格付け機関S&Pが「仏格下げ」との噂が広がると売り優勢になり反落。強弱入り混じった欧州信用リスクに売り買いが交錯し、方向感のない1日となり123.481円で取引を終えた。
一方ポンド円は序盤、ドバイ・ワールドが債務返済延期を申請との一部報道が伝わったこともあり軟調なスタート。その後欧州時間に公表された鉱工業生産や製造業生産の好結果を受け、一時141.419円まで上昇する場面もあったが、注目のインフレレポートにおいて成長率見通しの引き下げや、BOEキング総裁が量的緩和終了判断は時期尚早と述べたことで反落し、上昇分は一気に吐き出されると一時140円を割れた。引けにかけNYダウのプラス圏回復を受けて小幅に値を戻したが、140.181円で引けた。
本日の展開
さて本日のドル円だが、東京市場が建国記念の日で休場。注目されていた米小売売上高の発表は、大雪の影響から暫定的に金曜日に延期となったことで静かな展開も予想される。しかし、前日のFRBバーナンキ議長の議会証言の原稿は「公定歩合とFF金利目標のスプレッドを小幅拡大させることを間もなく検討する」とした。現在、FF金利は0~0.25%、公定歩合は0.50%となっており、このスプレッドを拡大させることは、FF金利が下限にある以上、公定歩合の方を引き上げることが考えられる。これをきっかけにドル買いの動きが強まり、ドル円は大台90円に乗せる動きも予測されよう。今回公表したバーナンキ議長の原稿は、金融引き締めを示唆する内容でこれまでのFRBの姿勢とはやや異なってきており、市場は敏感に反応しそうだ。ただ、前日90円台に定着できていないだけにドル円はここからが正念場となりそうだ。
ユーロ円はギリシャ問題が相場を主導しているといってもいいだろう。昨日も報道が二転三転したように、ギリシャ救済の詳細は不明であるものの、米WSJ紙は「ギリシャや他のユーロ諸国向けローン保証を検討中」と報道しており、ジョージソロス氏が講演で語ったように「ギリシャがユーロにとどまるためにあらゆる措置をとると確信している」等、楽観的な見方が広まっているのも確かで、明日のEU首脳会談では何らかの信用供与が検討される可能性が高いだろう。ギリシャのデフォルトやユーロ分離の懸念が後退し、不透明要因の一つがクリアとなり、米国のロング・ウィークエンドや中国春節に向けて、ユーロ円のショートポジションの手仕舞いが優勢となるかもしれない。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 89.50-91.00
ユーロ・円 122.50-124.50
ポンド・円 138.00-140.80
【今日の主な経済指標】
09:30(豪) 1月雇用統計/就業者数(増減)
09:30(豪) 1月雇用統計/失業率
17:15(スイス) 1月消費者物価指数
18:00(ユーロ) ECB月報
22:30(米) 週間新規失業保険申請件数
≪2010年2月10日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
米10年債入札が不調だったとの見方から米長期金利が上昇したことや、バーナンキFRB議長の証言原稿を
手掛かりに参加者は「ブル」を選択。本日も90円を意識した値動きが考えられるが、90円以上では実需
の売りに抑えられ上値の重い展開が続きそうだ。注目されている米金融機関規制法案で一定の目処がた
つまでは、狭いレンジでの値動きが続く可能性も念頭に置いておきたい。
ポンド円は「ブル」
BOE(英中銀)四半期インフレ報告でGDP、インフレ見通しが引下げられた。また、キングBOE総裁の記者
会見は総じて弱い内容となりポンド円は下落。参加者の強気スタンスに変化はなく「ブル」は継続され
ているが、経済成長見通しが下方修正され、「出口戦略」を巡る思惑が遠のいたことや、格付け機関フ
ィッチの英格下げ観測も意識されると、バイアスはやや弱気となろう。
豪ドル円は「ブル」
マーケットの話題がギリシャを中心としたソブリンリスクに集中しており、リスクテイク意欲の低下を
受けて資源国通貨を物色する動きもやや停滞気味。参加者は材料難の中、割安感から「ブル」となって
はいるものの、本日のEU首脳会談において具体的なギリシャ救済策が打ち出されるなどソブリンリスク
が払拭されるまでは慎重姿勢をキープしたい。
ユーロ円はトリシェECB総裁の早期帰国から端を発したギリシャ救済期待の高まりが東京市場でも引継がれ、ユーロのショートカバーを誘発すると、前日の高値124.30円付近まで回復する場面もみられた。しかし、ショートカバーの一巡後は、明日のEU首脳会談の結果を見極めたいとの思惑から小康状態となり、高値圏での動きとなった。その後のNY時間では格付け機関ムーディーズがギリシャについて「財政計画の進行が遅れる場合、今後数ヶ月のうちにギリシャの格付けをBaa1に変更する可能性」などと指摘。また、一部報道で格付け機関S&Pが「仏格下げ」との噂が広がると売り優勢になり反落。強弱入り混じった欧州信用リスクに売り買いが交錯し、方向感のない1日となり123.481円で取引を終えた。
一方ポンド円は序盤、ドバイ・ワールドが債務返済延期を申請との一部報道が伝わったこともあり軟調なスタート。その後欧州時間に公表された鉱工業生産や製造業生産の好結果を受け、一時141.419円まで上昇する場面もあったが、注目のインフレレポートにおいて成長率見通しの引き下げや、BOEキング総裁が量的緩和終了判断は時期尚早と述べたことで反落し、上昇分は一気に吐き出されると一時140円を割れた。引けにかけNYダウのプラス圏回復を受けて小幅に値を戻したが、140.181円で引けた。
本日の展開
さて本日のドル円だが、東京市場が建国記念の日で休場。注目されていた米小売売上高の発表は、大雪の影響から暫定的に金曜日に延期となったことで静かな展開も予想される。しかし、前日のFRBバーナンキ議長の議会証言の原稿は「公定歩合とFF金利目標のスプレッドを小幅拡大させることを間もなく検討する」とした。現在、FF金利は0~0.25%、公定歩合は0.50%となっており、このスプレッドを拡大させることは、FF金利が下限にある以上、公定歩合の方を引き上げることが考えられる。これをきっかけにドル買いの動きが強まり、ドル円は大台90円に乗せる動きも予測されよう。今回公表したバーナンキ議長の原稿は、金融引き締めを示唆する内容でこれまでのFRBの姿勢とはやや異なってきており、市場は敏感に反応しそうだ。ただ、前日90円台に定着できていないだけにドル円はここからが正念場となりそうだ。
ユーロ円はギリシャ問題が相場を主導しているといってもいいだろう。昨日も報道が二転三転したように、ギリシャ救済の詳細は不明であるものの、米WSJ紙は「ギリシャや他のユーロ諸国向けローン保証を検討中」と報道しており、ジョージソロス氏が講演で語ったように「ギリシャがユーロにとどまるためにあらゆる措置をとると確信している」等、楽観的な見方が広まっているのも確かで、明日のEU首脳会談では何らかの信用供与が検討される可能性が高いだろう。ギリシャのデフォルトやユーロ分離の懸念が後退し、不透明要因の一つがクリアとなり、米国のロング・ウィークエンドや中国春節に向けて、ユーロ円のショートポジションの手仕舞いが優勢となるかもしれない。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 89.50-91.00
ユーロ・円 122.50-124.50
ポンド・円 138.00-140.80
【今日の主な経済指標】
09:30(豪) 1月雇用統計/就業者数(増減)
09:30(豪) 1月雇用統計/失業率
17:15(スイス) 1月消費者物価指数
18:00(ユーロ) ECB月報
22:30(米) 週間新規失業保険申請件数
≪2010年2月10日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
米10年債入札が不調だったとの見方から米長期金利が上昇したことや、バーナンキFRB議長の証言原稿を
手掛かりに参加者は「ブル」を選択。本日も90円を意識した値動きが考えられるが、90円以上では実需
の売りに抑えられ上値の重い展開が続きそうだ。注目されている米金融機関規制法案で一定の目処がた
つまでは、狭いレンジでの値動きが続く可能性も念頭に置いておきたい。
ポンド円は「ブル」
BOE(英中銀)四半期インフレ報告でGDP、インフレ見通しが引下げられた。また、キングBOE総裁の記者
会見は総じて弱い内容となりポンド円は下落。参加者の強気スタンスに変化はなく「ブル」は継続され
ているが、経済成長見通しが下方修正され、「出口戦略」を巡る思惑が遠のいたことや、格付け機関フ
ィッチの英格下げ観測も意識されると、バイアスはやや弱気となろう。
豪ドル円は「ブル」
マーケットの話題がギリシャを中心としたソブリンリスクに集中しており、リスクテイク意欲の低下を
受けて資源国通貨を物色する動きもやや停滞気味。参加者は材料難の中、割安感から「ブル」となって
はいるものの、本日のEU首脳会談において具体的なギリシャ救済策が打ち出されるなどソブリンリスク
が払拭されるまでは慎重姿勢をキープしたい。