FXレポート

ドル円9営業日続落!!複数の米経済指標に注目!!

昨日のドル円は、ドイツとフランスによる首脳会談において、ユーロ共同債について合意されたものの、フィンランドとオランダから導入に向けて否定的な意見が出た事でリスク回避姿勢が強まり、東京市場にかけて76円台後半から半ばへと軟調に推移した。欧州市場に入っても、米MBA住宅ローン申請指数が前週比4.1%と前週の21.7%より弱い結果となったことに嫌気し76.45円付近まで下落幅を拡大。NY市場に入ると、NYダウの上昇を手掛かりにリスク選好の地合いから円売りドル買いが出され76.60円前後まで小幅に反発したものの、その後買いが続かず利益確定の売りに押され前日比-0.227円となる76.547円まで値を崩し取引を終えた。

ユーロ円は、東京市場にスイス中央銀行がスイスフラン高抑制の強化を図るとの声明を表明したものの、市場が注目していたユーロペッグ制に言及しなかったことに嫌気し、ユーロスイスでのユーロ売りが強まると、連れる形でユーロ円は109.801円まで急落した。しかし欧州市場に入ると、GLOBEXのNYダウ先物の上昇を受けて、欧州株式が持ち直したことをきっかけにリスク選好の高まりから、ユーロ売りを巻き戻す動きが強まり110.80円付近まで反発した。NY市場に入ると、NYダウが一時堅調に推移したことを受けて110.967円まで上昇したものの、NYダウが失速したことで下げに転じると110.485円まで反落し取引を終え、2営業日続落となった。

                         今日の展開

ドル円は、世界的な株安連鎖懸念が後退しリスク選好が回復したが、ドルと円がともに安全通貨同士で同じ方向に向いているため動意が乏しいほか、下値では為替介入の警戒感も強いため76円台後半のレンジ相場となっている。現在のドル円の取引材料を見渡しても積極的な売買を促す材料が乏しいことから、短期的には膠着相場が続く可能性は低くないかもしれない。しかし、日本のお盆休み明けで市場参加者も戻ってくることが予想されるため、本邦勢の動向に注視しておきたい。

本日の米経済指標は、消費者物価指数、新規失業保険申請件数、中古住宅販売件数、景気先行指標総合指数、フィラデルフィア連銀製造業景気指数など複数の経済指標が控えている。米経済成長の減速懸念が高いだけに、仮に予想よりも弱い場合にはリスク回避の動きが一段と強まり史上最安値を更新する可能性も否めないことから、警戒感を強めておきたい。

ユーロは、スイス国立銀行(SNB)が「スイスフラン高抑制を強化」「スイスフランは大幅に過大評価されている」との声明を発表したが、スイスフランの対ユーロ・ペッグ(連動)制や相場目標の導入を見送ったことを手掛かりにユーロスイスでのユーロ売りが鮮明になった。本日もスイスフランの値動き動向に注目が集まることが予想されるため、スイス当局の要人発言やニュースなどに注意を強めておきたい。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円  75.50-77.50
ユーロ・円 108.00-111.00
ポンド・円 124.00-128.00

【今日の主な経済指標】
14:00 JPY 景気一致指数(CI)・改定値 6月
14:00 JPY 景気先行指数(CI)・改定値 6月
17:30 GBP 小売売上高指数[前月比] 7月
18:00 EUR 建設支出[前月比] 6月
18:00 EUR 建設支出[前年同月比] 6月
21:30 CAD 景気先行指数[前月比] 7月
21:30 CAD 卸売売上高[前月比] 6月
21:30 USD 消費者物価指数(CPI)[前月比] 7月
21:30 USD 消費者物価指数(CPI)[前年同月比] 7月
21:30 USD 消費者物価指数(CPIコア指数)[前月比] 7月
21:30 USD 新規失業保険申請件数 前週分
23:00 USD 中古住宅販売件数[前月比] 7月
23:00 USD 中古住宅販売件数[年率換算件数] 7月
23:00 USD 景気先行指標総合指数[前月比] 7月
23:00 USD フィラデルフィア連銀製造業景気指数 8月

≪2011年8月17日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。

ドル円は「ブル」
9営業日続落となったが、下値では史上最安値水準ということもあり、参加者の押し
目買い意欲が強く「ブル」。しかし、世界経済の情勢は悪化しているとの見方が強く、
ドル売りの流れは継続するものと見られるため、史上最安値更新によるパニック売り
となることも想定されるため十分にリスク管理をしておきたい。また、ブラード・セ
ントルイス連銀総裁は「デフレリスクが低いことから、現在QE3の可能性は低下して
いる」としているものの、経済成長が大幅に弱まればQE3も選択肢になりえるとして
いるため、今後の展開次第だがドル売り材料として注意しておきたい。

ポンド円「ブル」
スイス中央銀行がユーロペッグ制について言及しなかったことから、欧州通貨を中心に
売りが強まったものの、欧米株式の堅調推移を背景にリスク回避の動きが後退し買いが
強まると、参加者もその流れに沿って「買い」を選択した。しかし、前日の英雇用統計
では、失業率が4.9%と市場予想の4.7%を上回り、失業保険申請件数は3.71万人と予想の
2.0万人を上回るなど雇用環境の悪化が確認されたほか、英中銀(BOE)議事録では「全会
一致で金利据え置きを決定」と早期利上げ観測も後退するなど、ポンドは上値を狙う動
きにはなりづらいかもしれない。

豪ドル円「ブル」
リスク回避の巻き戻しの動きにつれて豪ドル買いが強まり、参加者も「買い」を支持。
欧米株式や金や原油といった商品相場の上昇局面では高金利通貨の豪ドルが選好されて
いることから、投資家のリスク選好が高まる場面では積極的にリスクオンとしたい。
しかし、依然として米国の景気減速懸念やユーロ圏の高債務国による信用不安が強い
ため、ポジションの傾け過ぎには注意したい。

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