ドル円は78円割れ!米デフォルト懸念が重し!
昨日のドル円は、東京市場序盤にオバマ米大統領の債務問題に関する国民向けの演説で、債務問題の交渉が難航していることが伝わったほか、米国の「AAA」の格付けが引き下げられる可能性についても懸念を表明したことで失望売りが強まり、78円を割れるまで下落した。売り一巡後は、海外勢の投機的なまとまった買いと思われるフローが見られ一時78.691円まで急騰したが、追随する動きも見られず、78円前半まで下押す荒っぽい値動きとなった。欧州時間では米連邦債務の引き上げ交渉が難航していることが重しであるものの、政府・日銀の円売り介入への警戒感もあるため、概ね78.10円付近でもみ合いが続いた。NY勢参加後には米新築住宅販売件数、米消費者信頼感指数など米経済指標が複数発表されたが、米連邦債務の上限引き上げに市場の関心が集まるなか、反応は限定された。ただ、その後は再び米連邦債務上限の引き上げをめぐる協議が難航していることを材料に売りが優勢となると一時77.831円まで下値を拡大。引けにかけて77.80円付近に観測されているオプションバリアに絡んだ防戦買いに支えられて、いったん下げ渋ったものの、戻りは鈍く77.920円で取引を終えている。
ユーロ円は、ギリシャ支援第2弾の合意を受けた欧州通貨買いが散見しているほか、東京時間にノワイエ仏中銀総裁が「ECBはインフレを強く警戒」とタカ派的な発言をしたことが買い材料となり、113.540円まで上昇する展開となった。欧州勢参加後は、欧州株やNYダウ先物がさえない展開となり、リスク回避の流れのなか、イタリア、スペインとドイツ国債の利回りスプレッドが拡大したことを背景に欧州のソブリンリスクが意識されたため軟調地合いとなった。しかし、NY時間では特に新規の買い材料は無かったものの、ロンドンフィキシングに向けた買い観測や、NYダウが下げ幅を縮小していることが支えとなり、2日続伸の113.067円で取引を終えている。
今日の展開
本日も米連邦債務の上限引き上げを巡る協議の行方に市場の注目が集まるなか、同問題に明確な進展が見られなければ引続きドル売りの展開が予想される。実際問題として米国債がデフォルトに陥るとは考えにくく、最終的には超党派案で決着がつきそうな気配ではあるが、デフォルトを回避した場合でも、格付け会社による米格付けの引き下げが避けられないとの見方が広がっていることを鑑みるとやはりダウンサイドリスクを意識せざるを得ないだろう。また、政府・日銀の市場介入も、今回の円高が米債務上限引き上げ問題に端を発したドル安である点、日経平均株価は堅調に推移している点、さらに菅総理大臣の退陣問題など現政権が不安定な状況であることから困難と考えられる。3月17日の最安値である76.180円を下回るような動きでも出ない限り市場介入に対する過度の期待は禁物だろう。
ユーロは、ギリシャ追加支援策発表後の同国の10年国債利回りが14%台まで大幅に低下しているほか、イタリア、スペイン債の利回りも低下するなど、欧州のソブリンリスクが安定に向かっていることは好感できよう。また、ノワイエ仏中銀総裁はインフレに対して「強い警戒」という文言を使用し、エストニア中銀総裁も「2回の利上げ後も水準は依然として低い」と述べており、ECBからの要人発言で改めて年内の利上げへの期待感も出ている。対ドルでも、8月2日の米債務上限引き上げ期限を約1週間後に控え、同問題が難航していることがドル安要因となるうえ、テクニカル面でも一目均衡表雲上限である1.445ドル付近を突破したことでバイアスは引続き強気と見てもいいだろう。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 77.00-79.00
ユーロ・円 112.00-114.00
ポンド・円 126.00-129.00
【今日の主な経済指標】
15:00 DEM 輸入物価指数
17:00 EUR マネーサプライ
18:30 CHF KOF景気先行指数
20:00 USD MBA住宅ローン申請指数
21:30 USD 耐久財受注
21:30 DEM 消費者物価指数(CPI、速報値)
03:00 USD 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
06:00 NZD ニュージーランド準備銀行(RBNZ、NZ中央銀行)政策金利
≪2011年7月26日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ベア」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
78円割れを示現し、バーゲンハント的な買いが入り約96%の参加者が
「ブル」と圧倒している。この水準であれば割安感から上昇も期待で
きるが、8月2日が期限の米債務協議に手詰まり感があるほか、8月1日
に本邦レバレッジ規制が実施されることから個人投資家の手仕舞い売
りの可能性も否定できず、やはりドル売りの地合いがメインシナリオ
となろうか。また、今夜は5年債350億ドルの入札を行う予定となって
おり、長期金利の動向が米国債に対する信認を示す指標として注視す
る必要あるだろう。
ポンド円「ブル」
一部マイナス成長も警戒されていた英GDP速報値が予想通りの結果とな
ったことで安心感から買いが散見して「ブル」は堅持されている。オ
ズボーン英首相は「英GDPデータは前向きなニュース、経済は持続的に
成長し、雇用が創出されている」「英経済はより均衡した持続的成長
の基盤を固めている、英経済は回復してきており正しい方向に復帰し
ている」と述べるなど、下落が続いていたポンドも徐々に買い戻しが
優勢となるかも知れない。直近では25日移動平均線の差しかかる128.
50円付近を上値のターゲットとしてみたい。
豪ドル円「ブル」
金をはじめとするコモディティ価格の上昇、良好なファンダメンタル、
高い金利水準を背景に依然として参加者の買い意欲は旺盛で「ブル」
となっている。本日は豪第2四半期CPI(消費者物価指数)が予定され
ているが、物価の継続的な伸びが示された場合には、利下げ観測も下
火となり、日足一目均衡表の雲下限85.55円付近を試す展開となろうか。
ユーロ円は、ギリシャ支援第2弾の合意を受けた欧州通貨買いが散見しているほか、東京時間にノワイエ仏中銀総裁が「ECBはインフレを強く警戒」とタカ派的な発言をしたことが買い材料となり、113.540円まで上昇する展開となった。欧州勢参加後は、欧州株やNYダウ先物がさえない展開となり、リスク回避の流れのなか、イタリア、スペインとドイツ国債の利回りスプレッドが拡大したことを背景に欧州のソブリンリスクが意識されたため軟調地合いとなった。しかし、NY時間では特に新規の買い材料は無かったものの、ロンドンフィキシングに向けた買い観測や、NYダウが下げ幅を縮小していることが支えとなり、2日続伸の113.067円で取引を終えている。
今日の展開
本日も米連邦債務の上限引き上げを巡る協議の行方に市場の注目が集まるなか、同問題に明確な進展が見られなければ引続きドル売りの展開が予想される。実際問題として米国債がデフォルトに陥るとは考えにくく、最終的には超党派案で決着がつきそうな気配ではあるが、デフォルトを回避した場合でも、格付け会社による米格付けの引き下げが避けられないとの見方が広がっていることを鑑みるとやはりダウンサイドリスクを意識せざるを得ないだろう。また、政府・日銀の市場介入も、今回の円高が米債務上限引き上げ問題に端を発したドル安である点、日経平均株価は堅調に推移している点、さらに菅総理大臣の退陣問題など現政権が不安定な状況であることから困難と考えられる。3月17日の最安値である76.180円を下回るような動きでも出ない限り市場介入に対する過度の期待は禁物だろう。
ユーロは、ギリシャ追加支援策発表後の同国の10年国債利回りが14%台まで大幅に低下しているほか、イタリア、スペイン債の利回りも低下するなど、欧州のソブリンリスクが安定に向かっていることは好感できよう。また、ノワイエ仏中銀総裁はインフレに対して「強い警戒」という文言を使用し、エストニア中銀総裁も「2回の利上げ後も水準は依然として低い」と述べており、ECBからの要人発言で改めて年内の利上げへの期待感も出ている。対ドルでも、8月2日の米債務上限引き上げ期限を約1週間後に控え、同問題が難航していることがドル安要因となるうえ、テクニカル面でも一目均衡表雲上限である1.445ドル付近を突破したことでバイアスは引続き強気と見てもいいだろう。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 77.00-79.00
ユーロ・円 112.00-114.00
ポンド・円 126.00-129.00
【今日の主な経済指標】
15:00 DEM 輸入物価指数
17:00 EUR マネーサプライ
18:30 CHF KOF景気先行指数
20:00 USD MBA住宅ローン申請指数
21:30 USD 耐久財受注
21:30 DEM 消費者物価指数(CPI、速報値)
03:00 USD 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
06:00 NZD ニュージーランド準備銀行(RBNZ、NZ中央銀行)政策金利
≪2011年7月26日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ベア」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
78円割れを示現し、バーゲンハント的な買いが入り約96%の参加者が
「ブル」と圧倒している。この水準であれば割安感から上昇も期待で
きるが、8月2日が期限の米債務協議に手詰まり感があるほか、8月1日
に本邦レバレッジ規制が実施されることから個人投資家の手仕舞い売
りの可能性も否定できず、やはりドル売りの地合いがメインシナリオ
となろうか。また、今夜は5年債350億ドルの入札を行う予定となって
おり、長期金利の動向が米国債に対する信認を示す指標として注視す
る必要あるだろう。
ポンド円「ブル」
一部マイナス成長も警戒されていた英GDP速報値が予想通りの結果とな
ったことで安心感から買いが散見して「ブル」は堅持されている。オ
ズボーン英首相は「英GDPデータは前向きなニュース、経済は持続的に
成長し、雇用が創出されている」「英経済はより均衡した持続的成長
の基盤を固めている、英経済は回復してきており正しい方向に復帰し
ている」と述べるなど、下落が続いていたポンドも徐々に買い戻しが
優勢となるかも知れない。直近では25日移動平均線の差しかかる128.
50円付近を上値のターゲットとしてみたい。
豪ドル円「ブル」
金をはじめとするコモディティ価格の上昇、良好なファンダメンタル、
高い金利水準を背景に依然として参加者の買い意欲は旺盛で「ブル」
となっている。本日は豪第2四半期CPI(消費者物価指数)が予定され
ているが、物価の継続的な伸びが示された場合には、利下げ観測も下
火となり、日足一目均衡表の雲下限85.55円付近を試す展開となろうか。