米感謝祭入りや11月末のファンドの決算を控えてポジション調整の動きか!
金曜日のドル円は、週末要因や米経済指標がなかったことで動意は薄く終日もみ合いとなった。東京市場序盤は10,000円の大台を回復した日経平均が前日比+100円超で寄り付いたことが好感され83.50円付近へと堅調に展開。しかしバーナンキFRB(米連邦準備制度理事会)議長が「力強い米成長を確実にすることがドルの価値を支える。さらなる為替レートの柔軟性が長期的に望ましい」と発言すると米国債利回りが小幅低下する展開となり、83.45円付近へと弱含みとなった。欧州勢参入後は、中国の利上げ観測から日経平均が上げ幅を縮小して取引を終えたことでドル円はじり安となり83.30円付近まで小幅に下落、欧州時間中盤に一時83.138円まで値を下げる場面もみられた。しかし、その後は株価の下落などを理由に対欧州通貨などでドルが買い戻されたため徐々に下値を切り上げた。NY勢参加後も、新規材料難から方向感の乏しい展開なり83.50円を挟んだもみ合いとなり、83.517円で取引を終えた。
ユーロはアイルランドが支援受け入れに前向きな姿勢を示すなど、同国支援への期待感を背景としたユーロ買いの地合いが継続した。東京市場序盤には欧米株高を好感して日経平均が上昇して始まったこともリスク選好のドル売り・円売りを促し、対ドルは1.3660付近、対円も114.10円付近へと上昇。しかし、日経平均が期待ほど上昇せず、アジア株やGLOBEXのNYダウ先物も一時前日比マイナス圏へと転じると対ドルは1.3610付近、対円も113.55円付近へと反落した。しかし、欧州市場では再びアイルランド救済を背景としたユーロ買いが広がると一時114.307円まで上値を拡大。NY時間でもダウが堅調に推移、投資家のリスク志向が保たれた事で引けにかけても高値圏をキープして3日続伸の114.197円で取引を終えた。
今週の展開
今週は米感謝祭や11月末のファンドの決算を控えてポジション調整の動きや、FRB追加金融緩和措置、欧州ソブリンリスクの行方が焦点となろう。米経済指標としては23日に7-9月期米国内総生産(GDP)、10月中古住宅販売件数、11月リッチモンド連銀製造業指数、24日に10月個人消費所得、11月ミシガン大学消費者態度指数確報値、9月住宅価格指数、10月新築住宅販売件数など住宅関連指標が中心に発表されるが、最近予想外に堅調な米経済指標を睨んで、米長期金利の行方にも注目したい。一方欧州でも、7-9月期の英国やドイツのGDP・改定値、独11月IFO景況感指数などが発表される。欧州経済の底堅さと米国との景況感格差が、一旦下げ止まりを見せたユーロ相場にどのような影響を与えるかが注目となろう。
ドルは先週ペイリン元副大統領候補がバーナンキFRB議長に対し、量的緩和政策第二弾の中止を呼びかけたほか、米下院議長のベーナー氏など共和党指導部も「追加緩和は将来のドルの強さに重大な不確実性をもたらす」と警鐘を鳴らすなど量的緩和策第二弾への批判が高まっており、米長期金利がもう一段上昇する可能性もあって短期的にはドル買い戻しの継続となろうか。テクニカル面でドル円は、日足一目均衡表の雲が上値を抑える相場展開となっているが、雲の位置が今週から83.60円近辺に降りてくることで上抜けが出来るかが焦点となりそうだ。フィボナッチでは今年の高安80.239円から94.989円でみると現状が23.6%戻しの83.70円付近となっている。仮に同水準をブレイクしてくれば38.2%の85.80円付近、半値戻しの87.60円付近が今後のターゲットとなりそうだ。
ユーロはアイルランド側が支援受け入れに前向きな姿勢を示し、救済に向けた動きが進展するとの期待が高まっており、EUやIMFの融資受け入れをきっかけに、今週は欧州PIIGSをめぐる話題も下火となる可能性もあるだろう。また今週の株価だが、GMの再上場が順調な滑り出しとなったことで、米国の再生が強くイメージされ、ダウは年初来高値の11,500ドル台を目指す展開もある。加えて日経平均も5カ月ぶりに1万円台を回復しており株高連鎖からリスク選好型のユーロ買いも期待できようか。フィボナッチでは11月4日高値1.42816ドルから11月16日安値1.34483ドルの38.2%戻し1.3766ドル付近が直近の上値抵抗ポイントで、これを超えた場合は半値戻しの1.3865ドル付近を対ドルの目標としたい。
[今週の予想レンジ]
ドル ・円 81.00-85.50
ユーロ・円 110.00-117.00
ポンド・円 130.00-138.00
【今週の主な経済指標】
22日
17:30 HKD 消費者物価指数
23日
00:00 EUR 消費者信頼感(速報値)
14:00 SGD 消費者物価指数
16:00 DEM GFK消費者信頼感調査
16:00 DEM 国内総生産
16:45 FRF 企業景況感指数
18:00 EUR サービス部門購買担当者景気指数(PMI、速報値)
18:00 EUR 製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値)
18:30 ZAR 四半期国内総生産
19:00 ZAR 四半期 南アフリカ経済研究所(BER)企業信頼感指数
21:00 CAD 消費者物価指数
21:00 CAD 消費者物価指数
22:30 USD 四半期実質国内総生産 [前期比年率]
22:30 CAD 小売売上高
24日
00:00 USD リッチモンド連銀製造業指数
00:00 USD 中古住宅販売件数
04:00 USD 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨
18:00 DEM IFO企業景況感指数
18:30 GBP 四半期国内総生産
18:30 ZAR 消費者物価指数
19:00 EUR 製造業新規受注
21:00 USD MBA住宅ローン申請指数
22:30 USD 新規失業保険申請件数
22:30 USD 耐久財受注
22:30 USD 個人消費支出(PCE)
22:30 USD 個人所得
23:55 USD ミシガン大学消費者態度指数・確報値
25日
00:00 USD 新築住宅販売件数
00:00 USD 住宅価格指数
08:50 JPY 貿易統計(通関ベース)
08:50 JPY 企業向けサービス価格指数
16:45 FRF 消費者信頼感指数
18:30 ZAR 卸売物価指数(PPI)
26日
08:30 JPY 全国消費者物価指数
08:30 JPY 東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く)
08:50 JPY 対外対内証券売買契約等の状況
16:45 FRF 消費支出
18:00 EUR マネーサプライM3
19:30 CHF KOF景気先行指数
≪2010年11月18日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ベア」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ベア」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
週末要因や来週からの休暇シーズンを前にポジションを手仕舞う参加者が多かったが、
5日移動平均線のかかる83.30円付近では参加者の買い意欲が勝り「ブル」となった。
ポジション調整の動きからドルの巻き戻しが継続されると考えられるが、84.00円まで
は本邦輸出企業のドル売りが厚く、オプショントリガーの防戦売りもあり、一旦ドル
の上値は一服と考える事も出来ようか。
ポンド円は「ブル」
特に悪材料はなかったものの、英大手銀を経由したポンド売りが断続的に散見し、ロ
ンドンフィキシングにかけては実需売りが観測され、133.046円まで下落すると押し目
買い優勢となって「ブル」となった。ファンダメンタルでは失業者数の減少など雇用
面で改善の兆しはあるが、住宅市況は相変わらず弱い内容が続いており、下支え材料
としては勢いに欠ける。また、先週発表された英四半期インフレ報告では基本的にハ
ト派的な見解が示され、キングBOE総裁が追加量的緩和の可能性に触れていることで今
週もポンドの上値を抑制することになりそうだ。
豪ドル円は「ブル」
豪準備銀行(RBA)議事録で中期的な景気拡大や緩やかなインフレ上昇見通しが示され、
利上げのプロセスが未だ終了していないとの見方からスワップ重視の参加者が多く「ブ
ル」となった。しかし、中国が政策金利を引き上げるとの噂は依然燻っており、対ドル
では米金利は上昇基調を示し、豪州との金利差はやや頭打ちの状況となっている。米10
年債利回りが3%を超えてくるようなら、ドルショート・ポジションの巻き戻しがさら
に進む可能性もあり注意が必要だ。
ユーロはアイルランドが支援受け入れに前向きな姿勢を示すなど、同国支援への期待感を背景としたユーロ買いの地合いが継続した。東京市場序盤には欧米株高を好感して日経平均が上昇して始まったこともリスク選好のドル売り・円売りを促し、対ドルは1.3660付近、対円も114.10円付近へと上昇。しかし、日経平均が期待ほど上昇せず、アジア株やGLOBEXのNYダウ先物も一時前日比マイナス圏へと転じると対ドルは1.3610付近、対円も113.55円付近へと反落した。しかし、欧州市場では再びアイルランド救済を背景としたユーロ買いが広がると一時114.307円まで上値を拡大。NY時間でもダウが堅調に推移、投資家のリスク志向が保たれた事で引けにかけても高値圏をキープして3日続伸の114.197円で取引を終えた。
今週の展開
今週は米感謝祭や11月末のファンドの決算を控えてポジション調整の動きや、FRB追加金融緩和措置、欧州ソブリンリスクの行方が焦点となろう。米経済指標としては23日に7-9月期米国内総生産(GDP)、10月中古住宅販売件数、11月リッチモンド連銀製造業指数、24日に10月個人消費所得、11月ミシガン大学消費者態度指数確報値、9月住宅価格指数、10月新築住宅販売件数など住宅関連指標が中心に発表されるが、最近予想外に堅調な米経済指標を睨んで、米長期金利の行方にも注目したい。一方欧州でも、7-9月期の英国やドイツのGDP・改定値、独11月IFO景況感指数などが発表される。欧州経済の底堅さと米国との景況感格差が、一旦下げ止まりを見せたユーロ相場にどのような影響を与えるかが注目となろう。
ドルは先週ペイリン元副大統領候補がバーナンキFRB議長に対し、量的緩和政策第二弾の中止を呼びかけたほか、米下院議長のベーナー氏など共和党指導部も「追加緩和は将来のドルの強さに重大な不確実性をもたらす」と警鐘を鳴らすなど量的緩和策第二弾への批判が高まっており、米長期金利がもう一段上昇する可能性もあって短期的にはドル買い戻しの継続となろうか。テクニカル面でドル円は、日足一目均衡表の雲が上値を抑える相場展開となっているが、雲の位置が今週から83.60円近辺に降りてくることで上抜けが出来るかが焦点となりそうだ。フィボナッチでは今年の高安80.239円から94.989円でみると現状が23.6%戻しの83.70円付近となっている。仮に同水準をブレイクしてくれば38.2%の85.80円付近、半値戻しの87.60円付近が今後のターゲットとなりそうだ。
ユーロはアイルランド側が支援受け入れに前向きな姿勢を示し、救済に向けた動きが進展するとの期待が高まっており、EUやIMFの融資受け入れをきっかけに、今週は欧州PIIGSをめぐる話題も下火となる可能性もあるだろう。また今週の株価だが、GMの再上場が順調な滑り出しとなったことで、米国の再生が強くイメージされ、ダウは年初来高値の11,500ドル台を目指す展開もある。加えて日経平均も5カ月ぶりに1万円台を回復しており株高連鎖からリスク選好型のユーロ買いも期待できようか。フィボナッチでは11月4日高値1.42816ドルから11月16日安値1.34483ドルの38.2%戻し1.3766ドル付近が直近の上値抵抗ポイントで、これを超えた場合は半値戻しの1.3865ドル付近を対ドルの目標としたい。
[今週の予想レンジ]
ドル ・円 81.00-85.50
ユーロ・円 110.00-117.00
ポンド・円 130.00-138.00
【今週の主な経済指標】
22日
17:30 HKD 消費者物価指数
23日
00:00 EUR 消費者信頼感(速報値)
14:00 SGD 消費者物価指数
16:00 DEM GFK消費者信頼感調査
16:00 DEM 国内総生産
16:45 FRF 企業景況感指数
18:00 EUR サービス部門購買担当者景気指数(PMI、速報値)
18:00 EUR 製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値)
18:30 ZAR 四半期国内総生産
19:00 ZAR 四半期 南アフリカ経済研究所(BER)企業信頼感指数
21:00 CAD 消費者物価指数
21:00 CAD 消費者物価指数
22:30 USD 四半期実質国内総生産 [前期比年率]
22:30 CAD 小売売上高
24日
00:00 USD リッチモンド連銀製造業指数
00:00 USD 中古住宅販売件数
04:00 USD 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨
18:00 DEM IFO企業景況感指数
18:30 GBP 四半期国内総生産
18:30 ZAR 消費者物価指数
19:00 EUR 製造業新規受注
21:00 USD MBA住宅ローン申請指数
22:30 USD 新規失業保険申請件数
22:30 USD 耐久財受注
22:30 USD 個人消費支出(PCE)
22:30 USD 個人所得
23:55 USD ミシガン大学消費者態度指数・確報値
25日
00:00 USD 新築住宅販売件数
00:00 USD 住宅価格指数
08:50 JPY 貿易統計(通関ベース)
08:50 JPY 企業向けサービス価格指数
16:45 FRF 消費者信頼感指数
18:30 ZAR 卸売物価指数(PPI)
26日
08:30 JPY 全国消費者物価指数
08:30 JPY 東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く)
08:50 JPY 対外対内証券売買契約等の状況
16:45 FRF 消費支出
18:00 EUR マネーサプライM3
19:30 CHF KOF景気先行指数
≪2010年11月18日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ベア」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ベア」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
週末要因や来週からの休暇シーズンを前にポジションを手仕舞う参加者が多かったが、
5日移動平均線のかかる83.30円付近では参加者の買い意欲が勝り「ブル」となった。
ポジション調整の動きからドルの巻き戻しが継続されると考えられるが、84.00円まで
は本邦輸出企業のドル売りが厚く、オプショントリガーの防戦売りもあり、一旦ドル
の上値は一服と考える事も出来ようか。
ポンド円は「ブル」
特に悪材料はなかったものの、英大手銀を経由したポンド売りが断続的に散見し、ロ
ンドンフィキシングにかけては実需売りが観測され、133.046円まで下落すると押し目
買い優勢となって「ブル」となった。ファンダメンタルでは失業者数の減少など雇用
面で改善の兆しはあるが、住宅市況は相変わらず弱い内容が続いており、下支え材料
としては勢いに欠ける。また、先週発表された英四半期インフレ報告では基本的にハ
ト派的な見解が示され、キングBOE総裁が追加量的緩和の可能性に触れていることで今
週もポンドの上値を抑制することになりそうだ。
豪ドル円は「ブル」
豪準備銀行(RBA)議事録で中期的な景気拡大や緩やかなインフレ上昇見通しが示され、
利上げのプロセスが未だ終了していないとの見方からスワップ重視の参加者が多く「ブ
ル」となった。しかし、中国が政策金利を引き上げるとの噂は依然燻っており、対ドル
では米金利は上昇基調を示し、豪州との金利差はやや頭打ちの状況となっている。米10
年債利回りが3%を超えてくるようなら、ドルショート・ポジションの巻き戻しがさら
に進む可能性もあり注意が必要だ。