FXレポート

ドル円100円突破出来ずに下押しも

 先週は米国の住宅関連指標や、ISM製造業景況指数の改善を受け、景気底打ち期待感が強くなった。ストレステストも概ね事前に報道されていたような内容から安堵感も漂い、株高・円安基調で推移した。

 為替相場も対円でのドルや高金利通貨買いの流れが強まり、ドル円は一時99円台半ばまで、ユーロ円は134円台まで上昇することとなった。しかし、今週はその流れが反転。GM破綻リスクの顕在化や米貿易赤字の拡大がドルの先行き不透明感を強めている。

 マーケットはドル円が100円の大台を突破することなく、再び96円台まで下落している。市場では景気底入れに対する過度な期待感が薄れ、ややネガティブな要素に視点が移ってきているようで、そのような投資家心理が上値に重くのしかかっているようだ。

 今週はドル円の方向性を見極める上で重要な週であり、直近安値である95.60付近でサポートされないようであると、一段の下押しとなる展開には注意が必要だ。

 本日発表される米国小売売上高、金曜日に発表されるNY連銀製造業景況指数、ミシガン大学消費者信頼感指数など、ファンダメンタルズの結果次第ではドル売りに拍車がかかる展開も想定しておく必要がありそうだ。

 さて、マーケット参加者のポジションは......

 ≪2009年5月12日クローズ時点≫
 ドル・円 : ブル
 ユーロ・円 : ブル
 ユーロ・ドル : ベア
 英ポンド・円 : ブル
 豪ドル・円 : ブル
 NZドル・円 : ブル
 ※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。

 ドル・円は「ブル」、景気底打ち期待からドル買い優勢の展開となっているものの、100円の大台を前にドル売り圧力が高まっている。引き続き、GM関連報道には気を止めて置く必要がありそうだ。また、本日発表の小売売上高の結果に注目したい。

 ユーロ・円は「ブル」、ECB政策金利も発表され、ユーロ買いに安心感が生じている模様。また、トリシェECB総裁が景気底打ち期待に対する意見を表明 するなど、ユーロ買いを後押しする状況であろうか。しかし、ユーロ買いの支えとなっている株価が軟調な推移となりつつあり、注意が必要だ。

 ユーロ・ドルは「ベア」、米国の景気底打ち期待感からドル買いが選択されているようだ。欧米での景況感に差が出てくるようであれば、ドル買いがより強ま る展開も予想される。しかし、ドル売り要素も依然として根強い状況であるのは否定できないため、米国の状況を冷静に見極める必要がありそうだ。

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