日米通商交渉・実務者協議がスタート
東京市場
東京市場ではドル円がじり高。5日から行われている米国とメキシコの協議が合意には至らなかったものの、7日も交渉を継続するとの報道を受けて、ドル円は回復基調となり108.53円まで上値を伸ばしました。しかし108円半ばからは上値が重い展開となり、その後は午後にかけてもみ合い相場となりました。一方のユーロドルはじり安に推移しました。朝方に1.1279ドルの高値を付けた後、手掛かり材料のどもしいなかじりじりと値を下げる展開となり、午後には一時1.1256ドルまで下落しました。
ロンドン市場
ロンドン市場ではドル安進行。米5月雇用時計が発表され、非農業部門雇用者数が結果+7.5万人(事前予想:+18.5万人)と予想を大幅に下回る低水準となったことからドル売り優勢の展開となり、ドル円は発表前の108.40円付近から107.90円まで急落、ユーロドルは1.1220ドル付近から1.1272ドルまで急騰しました。5日に発表された5月ADP雇用統計が低調な結果だったことから、事前の警戒感は強かったものの、同時に発表された米5月平均受給が予想をやや下回る結果となったことも材料視されたようです。
NY市場
NY市場ではメキシコペソが上昇。5日行われている米国とメキシコの協議について、トランプ大統領が「メキシコと合意する可能性は十分ある」と述べたことから安心感が広がり、メキシコペソ円は5.50円付近から5.53円まで急騰しました。ただその後はさらに上値を追う展開とはならず、クローズにかけてはやや値を戻す展開となりました。また、ユーロ円はロンドン市場からの流れを引き継ぐ形で一段高となりました。雇用統計発表直後は上下に振れる展開となったものの、値が落ち着くにつれて徐々に下値を切り上げる動きとなり、ユーロ円は122.20円から一時122.71円の日通し高値まで上値を伸ばしました。
【今日の主な経済指標】
08:50 JPY 国際収支・経常収支(季調前) 4月
08:50 JPY 国際収支・経常収支(季調済) 4月
08:50 JPY 国際収支・貿易収支 4月
08:50 JPY 四半期実質国内総生産(GDP、改定値)[前期比] 1-3月期
08:50 JPY 四半期実質国内総生産(GDP、改定値)[年率換算] 1-3月期
14:00 JPY 景気ウオッチャー調査-現状判断DI 5月
14:00 JPY 景気ウオッチャー調査-先行き判断DI 5月
17:30 GBP 商品貿易収支 4月
17:30 GBP 貿易収支 4月
17:30 GBP 鉱工業生産指数[前月比] 4月
17:30 GBP 鉱工業生産指数[前年同月比] 4月
17:30 GBP 製造業生産指数[前月比] 4月
17:30 GBP 月次国内総生産(GDP)[前月比] 4月
21:15 CAD 住宅着工件数 5月
21:30 CAD 住宅建設許可件数[前月比] 4月
AUD 休場
CHF 休場
CNY 貿易収支(米ドル) 5月
CNY 貿易収支(人民元) 5月
NOK 休場
DEM 休場
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-今日のトレードポイント-
今週は引き続き、中国貿易収支や米小売売上高、トルコ中銀政策金利発表などの重要経済に注目が集まります。また、6月20日に向けてスタートした英与党・保守党の党首戦が材料視される場面もあるかもしれません。有力候補者の中の一人、ションソン前外相は強硬離脱派として注目を集めていて、「合意なき離脱」の可能性が意識される場面ではポンドが軟調に推移しそうです。
本日は中国貿易収支と日・英GDPが発表されます。市場参加者の注目は10-11日の日程で行われる日米通商交渉の実務者協議の動向となりそうで、米国を中心とした各国との貿易問題の解決が先送りされているタイミングで行われる点には注意したいです。特に夏の参議院選まで先延ばしにしている通商交渉の協議がマーケットの一定の安心材料になっていることから、「消費税の輸出戻し税」や「為替条項」に関するヘッドラインには警戒したいです。