FXレポート

貿易問題の解決見えず

東京市場
 東京市場ではメキシコペソが急落。ワシントンポストが「トランプ大統領がメキシコへの新たな関税準備」と報じるとオープン直後からメキシコぺソ売りが強まり、メキシコペソ円は5.71円まで下落しました。その後一旦は持ちこたえたものの、トランプ大統領が「6月10日からメキシコからの輸入品全てに対して5%関税をかける」と発言、関税を最終的に25%まで引き上げる可能性があることを受けてメキシコペソ円は5.71円から5.58円まで急落しました。また、米国を中心とした貿易問題の解決が難しいと市場では捉えられ、各通貨に対して円買い圧力が強まりました。

ロンドン市場
 ロンドン市場ではポンドが軟調。次期英首相候補のなかで、EU離脱に強硬的な姿勢を持つ候補者が有力視されていることや、英景気低迷に対する警戒感からポンド売り優勢となり、アジア時間からの流れを引き継ぐ形でポンド円は136.73円まで下落しました。またドル円はじり安に推移しました。中国メディアが中国商務省が「(国内で)信頼できない企業リストを作成」と報じたことから市場のリスク回避ムードが高まり、ドル円は108円70銭台まで下落しました。

NY市場
 NY市場ではドル円が軟調。ダウ平均株価が一時360ドルを超す下落となったほか、米国を中心とした貿易問題の悪化が嫌気され、ドル円は終始下値を模索する展開となり、ほぼ日通し安値水準の108円35銭でクローズしました。またメキシコペソは上値の重い展開となりました。トランプ大統領がメキシコを強烈に批判するツイートをしたことや、メキシコの株価指数(ボルサ指数)が重しとなり、メキシコペソ円は5.50円~5.55円での推移となりました。

【今日の主な経済指標】
08:50 JPY 四半期法人企業統計調査・ソフトウェア含む全産業設備投資額[前年同期比] 1-3月期
10:45 CNY Caixin製造業購買担当者景気指数(PMI) 5月
15:30 CHF 消費者物価指数(CPI)[前月比] 5月
16:00 TRL 製造業購買担当者景気指数(PMI) 5月
16:00 TRL 消費者物価指数(CPI)[前月比] 5月
16:00 TRL 消費者物価指数(CPI)[前年同月比] 5月
16:30 CHF SVME購買部協会景気指数 5月
16:50 FRF 製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値) 5月
16:55 DEM 製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値) 5月
17:00 EUR 製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値) 5月
17:30 GBP 製造業購買担当者景気指数(PMI) 5月
22:45 USD 製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値) 5月
23:00 USD ISM製造業景況指数 5月
23:00 USD 建設支出[前月比] 4月
      NZD 休場
03:00 BRL 貿易収支 5月

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-今日のトレードポイント-
 今週は月初ということもあり、米雇用統計をはじめとした重要指標が多く発表されます。
 本日は中国財新製造業PMIやトルコ消費者物価指数、米ISM製造業景況指数に注目です。特に米ISM製造業景況指数は市場参加者から景気先行指数として注目度が高いです。前回発表時は結果が52.8ポイント(予想55.0)だったことからドル円は下落しました。今回は事前予想が53.0ポイントとなっており、景気判断の分かれ目となる50ポイントに近づかないか確認したいです。
 先週金曜日にトランプ大統領がメキシコからの輸入品に対する関税導入に言及し、米国を中心とした中国をはじめとした貿易問題の解決が困難と市場では捉えられ、リスク回避ムードが強まりました。中国がレアアースの輸出制限措置の発動を示唆しているほか、トランプ大統領も態度を硬化させており、今月大阪で行われるG20サミットに合わせた米中首脳会談での合意に対する市場の期待も薄れつつあります。ドル円は108円前半の水準まで軟化しており、この動きがどこまで続くのか注目したいです。

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