各通貨材料多し
東京市場
東京市場ではユーロ円が上昇後、一転下落。東京市場序盤、ユーロ円はでじり高に推移して一時122.70円付近まで上昇しました。しかしその後は下値を広げる格好となり、イタリアの財政赤字拡大について欧州委員会が課徴金を命ずる可能性についてイタリア副首相が反発する内容の発言をしたことから、122.30円付近まで下落しました。
ロンドン市場
ロンドン市場では南アランド円が大幅安。ラマポーザ政権の閣僚人事が定まらないことや、南アフリカ国営電力会社(Eskom)のCEOが先週辞任したことなどを背景に南アランド売りが優勢となり、南アランド円は一時7.42円まで下落して年初来安値を更新しました。一方のトルコリラ円は上昇しました。トルコ中央銀行が4月末時点の外貨準備高が70.7億ドル(前月比4.3%減少)と発表したものの反応薄となり、一部で報じられたロシア製ミサイルの購入延期の可能性を材料として、トルコリラ円は18円ちょうど付近から一時18.27円まで上値を伸ばしました。
NY市場
NY市場では欧州通貨が弱い展開。イタリアの財政赤字を巡ってEUが課徴金を命ずる可能性があることや、次期英首相候補のなかでブレグジットに関して「合意なき離脱」を厭わないとする候補者が注目されていることから、欧州通貨が売られる展開となり、ポンド円は欧州時間での上昇分を吐き出す形で138.34円まで下落、ユーロ円は122.03円まで下値を広げる格好で日通し安値水準でクローズとなりました。
【今日の主な経済指標】
9:00 JPY 黒田東彦日銀総裁、発言
10:00 NZD NBNZ企業信頼感 5月
15:45 FRF 卸売物価指数(PPI)[前月比] 4月
15:45 FRF 消費支出[前月比] 4月
15:45 FRF 消費者物価指数(CPI、速報値)[前月比] 5月
15:45 FRF 消費者物価指数(CPI、速報値)[前年同月比] 5月
15:45 FRF 国内総生産(GDP、改定値)[前期比] 1-3月期
16:00 CHF KOF景気先行指数 5月
16:30 SEK 四半期国内総生産(GDP)[前期比] 1-3月期
16:55 DEM 失業者数[前月比] 5月
16:55 DEM 失業率 5月
20:00 USD MBA住宅ローン申請指数[前週比]
23:00 CAD カナダ銀行 政策金利
23:00 USD リッチモンド連銀製造業指数 5月
売買比率についてはこちら
-今日のトレードポイント-
本日は黒田日銀総裁の発言やカナダ中銀の政策金利・声明発表に注目が集まりそうです。カナダ中銀は政策金利を据置く見込みで、声明文に注目が集まります。前回はハト派寄りとなった声明文に市場がカナダドル売りで反応したことから、今後のカナダ経済や金利に対する中銀のスタンスに注目が集まります。
昨日の相場ではユーロがイタリアとEUとの対立懸念が強まったことを受けて売られたほか、南アランドがラマポーザ政権の閣僚人事とエスコムを巡る問題を背景に売られました。一方でトルコリラはロシア製ミサイル購入が延期される可能性との報道に反応する格好で上昇し、各通貨がそれぞれの材料で反応しています。これらの材料は完全には消化されていないことから、引き続き各々の材料に関連したヘッドラインに注意したいです。