FXレポート

目下のリセッション懸念は遠のいたか

東京市場
 東京市場ではドル円がやや堅調。序盤に習近平・中国家主席の「米中貿易協議が大幅に進展した」との発言が報じられると買いが先行。加えて週末のゴトー日ということもあり仲値にかけて一時111.79円まで上昇。その後はNY市場時間に控える雇用統計を前にした様子見ムードから勢いを落とし揉み合いが続きました。

ロンドン市場
 ロンドン市場ではポンド円が冴えない動き。東京時間では比較的堅調に推移していたポンド円ですが、欧州勢が参入すると流れが一転。徐々に売りが優勢に。145.86円まで値を落とした後に、多少の反発を見せましたが、チャネル内での調整に留まりました。

NY市場
 NY市場ではユーロドルが乱高下。雇用統計と同時に発表された平均時給の伸びが冴えなかったことを受け、ユーロドルは1.1242ドルまで急騰。買いが一巡した後は、指標発表時の水準まで戻り軟調に推移しました。

【今日の主な経済指標】
08:50 JPY 国際収支・経常収支(季調前) 2月
08:50 JPY 国際収支・経常収支(季調済) 2月
08:50 JPY 国際収支・貿易収支 2月
09:30 JPY 黒田東彦日銀総裁、発言
14:00 JPY 消費者態度指数・一般世帯 3月
15:00 JPY 景気ウオッチャー調査-現状判断DI 3月
15:00 JPY 景気ウオッチャー調査-先行き判断DI 3月
15:00 DEM 貿易収支 2月
15:00 DEM 経常収支 2月
21:15 CAD 住宅着工件数 3月
21:30 CAD 住宅建設許可件数[前月比] 2月
23:00 USD 製造業新規受注[前月比] 2月

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-今日のトレードポイント-
 先週末の雇用統計は市場コンセンサスを上回る結果で市場に安心感をもたらしました。コンセンサスは+17.5万人、結果は+19.6万人。失業率は3.8%と予想通りでした。前月が極めて悪い結果だった事に加え、3日に発表された、"雇用統計の前哨戦"とも言われるADP非農業部門雇用者数が弱かったこともあり、結果が心配されていました。注目されていた平均時給ですが、前月比3.2%と前月の3.4%よりも減少しました。この結果に関しては期待外れな結果と受け止める声も多く、全体的には素直に喜んで受け止めきれない模様です。そして、今回の結果はFRB(米連邦準備理事会)による積極的な金融引締めの必要性がないことも示されました。利上げに必要となる賃金インフレの兆候は見られなかったことがその理由です。
 今日に随所で見られるリセッションに対する懸念は、一時的に遠のいたとの声もあり、今週はマーケット全体がリスクオンに傾倒できるかどうかに注視をしていく必要がありそうです。

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