いざ来る、雇用統計
東京市場
東京市場ではドル円がやや軟調。序盤は日経平均が小幅高で始まったことを受けて、仲値に向け一時111.52円まで上昇しました。しかし、日経平均がマイナスに転じたことでドル円も売りが優勢に。その後は111.36円辺りをサポートラインとして低空飛行を続けました。
ロンドン市場
ロンドン市場ではユーロドルが軟調。東京市場から続いた売りの勢いを止めることは出来ず、日通し最安値を更新し続けました。「イタリアの成長率見通しが引き下げられる」との報道が一部で報じれたことも大きな重しとなりました。
NY市場
NY市場では豪ドル円が堅調。本日の雇用統計を前に各通貨で様子見ムードが広がる中、豪ドル円ではNY市場から上昇トレンドが形成されました。一時は79.46円と3月初旬以来の高値を付けました。
【今日の主な経済指標】
08:30 JPY 全世帯家計調査・消費支出[前年同月比] 2月
08:50 JPY 外貨準備高 3月
09:00 JPY 毎月勤労統計調査-現金給与総額[前年同月比] 2月
14:00 JPY 景気先行指数(CI)・速報値 2月
14:00 JPY 景気一致指数(CI)・速報値 2月
15:00 DEM 鉱工業生産[前月比] 2月
15:00 DEM 鉱工業生産[前年同月比] 2月
15:45 FRF 貿易収支 2月
15:45 FRF 経常収支 2月
21:30 CAD 新規雇用者数 3月
21:30 CAD 失業率 3月
21:30 USD 非農業部門雇用者数変化[前月比] 3月
21:30 USD 失業率 3月
21:30 USD 平均時給[前月比] 3月
21:30 USD 平均時給[前年同月比] 3月
HKD 休場
RUB 消費者物価指数(CPI)[前月比] 3月
CNY 休場
04:00 USD 消費者信用残高[前月比] 2月
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-今日のトレードポイント-
本日は待ちに待った雇用統計です。今回の雇用統計は従来のそれより大きい意味を持つことになりそうです。
非農業部門雇用者数の前回発表値は+2.0万人で、今回の市場コンセンサスは+17.0万人となっています。前回は+18.0万人の市場コンセンサスを大きく下回ったものの、ネガティブな反応は限定的でした。その理由として同時に発表された失業率と平均時給の記録的な強さがあげられます。失業率は3.8%、平均時給は前月比+0.4%と10年ぶりの伸び率でした。繰り返しになりますが、失業率の低さと平均時給の伸び率がネガティブな反応を限定的にしたのは間違いなさそうです。ほぼ完全雇用が実現した状況下で、マーケットの注目は平均時給などの賃金動向へ向かっており、本日の発表も注目度はひとしおと思われます。
ここ数日は米株の続伸が続いています。懸念事項であった米長短金利の逆イールド現象も解消され、マーケットのセンチメント改善に向かっているように見えます。しかし、各国中銀・政府が発表するデータを見る限り、世界的な景気減速懸念は払拭し切れておらず、依然として警戒感は強いままです。そのようないわば"どっちつかず"の状況で発表される雇用統計の重要度は従来のものより高いといえます。平均時給の伸び次第では今日のリスクオンを加速、もしくはリスクオフへ転換させる可能性もあり注視したいです。