FXレポート

英国EU離脱に向け、前進できるか

東京市場
 東京市場ではドル円は軟調。日経平均株価が寄り付きから大きく下落したことからリスク回避の円買いが優勢となり、ドル円は110.04円まで下値を広げる展開となりました。またポンドは大きく下落しました。英議会でEU離脱協定案の代替策を探る「示唆的投票」の結果がいずれも過半数の支持が得られなかったことからポンド売りが先行、ポンド円は早朝の薄商いの中で145円台での取引となり、その後も上値の重い展開が続きました。

ロンドン市場
 ロンドン市場ではユーロドルが軟調。欧州勢参入後は前日安値の1.1242ドルを下抜ける格好となり、切り返す場面もあったものの徐々に下値を探る展開となりました。その後、独3月消費者物価指数(速報値)が予想を下回る結果となったことから1.1218ドルまで下落して安値を更新しました。一方、ドル円は堅調に推移しました。米10年債金利が上昇したことや株価指数先物が堅調だったことからドル円は買い戻しが優勢となり、110.02円の日通し安値水準から110円70銭付近まで上昇して高値を更新しました。

NY市場
 NY市場ではポンドが下落。英国のEU離脱を巡る先行き不透明感からポンドは売られる展開となり、ポンド円は145.25円付近まで下落、ポンドドルも1.3034ドルまで下落し、その後も下値に張り付く展開となりました。ただ、英国のEU離脱協定を巡る再投票が29日に行われることが決まると、ポンド売りの向きが弱まり、ユーロドルもさらに下値を探る展開とはなりませんでした。ユーロドルは1.1225ドルを挟んでのもみ合いとなりました。

【今日の主な経済指標】
06:45 NZD 住宅建設許可件数[前月比] 2月
08:30 JPY 失業率 2月
08:30 JPY 有効求人倍率 2月
08:30 JPY 東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く)[前年同月比] 3月
08:50 JPY 鉱工業生産・速報値[前月比] 2月
08:50 JPY 鉱工業生産・速報値[前年同月比] 2月
08:50 JPY 小売業販売額[前年同月比] 2月
08:50 JPY 百貨店・スーパー販売額(既存店)[前年同月比] 2月
09:01 GBP GFK消費者信頼感調査 3月
14:00 JPY 新設住宅着工戸数[前年同月比] 2月
15:00 ZAR マネーサプライM3[前年同月比] 2月
16:00 TRL 貿易収支 2月
16:00 DEM 輸入物価指数[前月比] 2月
16:00 DEM 輸入物価指数[前年同月比] 2月
16:00 DEM 小売売上高指数[前月比] 2月
16:00 DEM 小売売上高指数[前年同月比] 2月
16:45 FRF 財政収支 2月
16:45 FRF 消費支出[前月比] 2月
16:45 FRF 消費者物価指数(CPI、速報値)[前月比] 3月
16:45 FRF 消費者物価指数(CPI、速報値)[前年同月比] 3月
17:00 CHF KOF景気先行指数 3月
17:55 DEM 失業者数[前月比] 3月
17:55 DEM 失業率 3月
18:00 NOK 失業率 3月
18:30 GBP 消費者信用残高 2月
18:30 GBP マネーサプライM4[前月比] 2月
18:30 GBP マネーサプライM4[前年同月比] 2月
18:30 GBP 四半期国内総生産(GDP、改定値)[前期比] 10-12月期
18:30 GBP 四半期国内総生産(GDP、改定値)[前年同期比] 10-12月期
18:30 GBP 四半期経常収支 10-12月期
19:00 JPY 外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
21:00 ZAR 貿易収支 2月
21:30 CAD 月次国内総生産(GDP)[前月比] 1月
21:30 CAD 月次国内総生産(GDP)[前年同月比] 1月
21:30 CAD 鉱工業製品価格[前月比] 2月
21:30 CAD 原料価格指数[前月比] 2月
21:30 USD 個人所得[前月比] 2月
21:30 USD 個人消費支出(PCE)[前月比] 1月
21:30 USD 個人消費支出(PCEデフレーター)[前年同月比] 1月
21:30 USD 個人消費支出(PCEコア・デフレーター、食品・エネルギー除く)[前月比] 1月
21:30 USD 個人消費支出(PCEコア・デフレーター、食品・エネルギー除く)[前年同月比] 1月
22:45 USD シカゴ購買部協会景気指数 3月
23:00 USD 新築住宅販売件数[前月比] 2月
23:00 USD 新築住宅販売件数[年率換算件数] 2月
23:00 USD ミシガン大学消費者態度指数・確報値 3月

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-今日のトレードポイント-
 本日は英議会でEU離脱協定についての採決が行われるほか、北京では米中貿易協議(閣僚級)の最終日を迎えます。英国のEU離脱に関しては依然不透明感が強いことから、昨日はポンドが下落しました。英下院バーコウ議長は投票実施要請を受け入れ、メイ首相は協定案の一部のみを採決することで離脱延期に向けて前進したい構えです。米中貿易協議について、トランプ大統領は他国を含めた通商交渉が順調なことをアピールしており、市場の期待値は徐々に上がっているように思えます。
 本日は多くの経済指標が発表されますが、特に注目なのはカナダGDPと米国1月個人消費支出(PCEデフレーター)と米国新築住宅販売件数となります。カナダの2018年10ー12月期GDPは前期比年率+0.4%と前期+2.0%から減速していることから、今回発表のカナダGDPは年後半への景気回復期待を維持するためにも重要です。米国個人消費支出に関してはFRBが重視しているデータということもあり、弱い結果となれば米国経済の先行き懸念が強まりそうです。米国新築住宅販売件数は前月比で増加が見込まれています。米住宅市場が改善してきており、市場の指標結果に対する期待値は高そうです。
 週末にはトルコ統一地方選挙やムーディーズの南アフリカ格付けが発表されます。ポジションクローズの動きも一部では出る可能性があり、引き続き要人発言やヘッドラインに注意したいです。

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