ブレグジット離脱は混迷を極める
東京市場
東京市場ではドル円が弱含み。市場は日経平均の440円超高を好感し序盤から堅調に推移しました。その後のポンド円の上昇につられる形で買いが加速するように思われましたが、200日移動平均線の111.42円や上海株などの失速を受けて111.26円まで下落しました。
ロンドン市場
ロンドン市場ではユーロ円がじわり高。ユーロポンドの上昇につられ買いが先行し一時は125.76円まで上昇しました。しかしその後は欧州通貨の売りが相次ぎ、125.07円まで下落し日通し最安値をつけました。
NY市場
NY市場ではポンド円が堅調。序盤は英議会で行われたEU離脱に関する本採決を前にして様子見ムードが広がりました。一時は146.13円まで付けましたが、その後は値動きを鈍らせました。145.26円まで下落して迎えた本採決では結果発表直後に146.29円まで急上昇後、徐々に値を下げほぼ全戻しという形になりました。
【今日の主な経済指標】
08:30 AUD ウエストパック消費者信頼感指数 3月
08:50 JPY 国内企業物価指数[前月比] 2月
08:50 JPY 国内企業物価指数[前年同月比] 2月
08:50 JPY 機械受注[前月比] 1月
08:50 JPY 機械受注[前年同月比] 1月
13:30 JPY 第三次産業活動指数[前月比] 1月
19:00 ZAR 四半期 南アフリカ経済研究所(BER)企業信頼感指数 1-3月期
19:00 EUR 鉱工業生産[前月比] 1月
19:00 EUR 鉱工業生産[前年同月比] 1月
20:00 USD MBA住宅ローン申請指数[前週比]
21:30 USD 卸売物価指数(PPI)[前月比] 2月
21:30 USD 卸売物価指数(PPI)[前年同月比] 2月
21:30 USD 卸売物価指数(PPIコア指数、食品・エネルギー除く)[前月比] 2月
21:30 USD 卸売物価指数(PPIコア指数、食品・エネルギー除く)[前年同月比] 2月
21:30 USD 耐久財受注[前月比] 1月
21:30 USD 耐久財受注・輸送用機器除く[前月比] 1月
23:00 USD 建設支出[前月比] 1月
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-今日のトレードポイント-
昨日、英議会で行われたEU離脱に関する採決を今一度整理してみましょう。
この採決はEUとほぼ合意したとされるメイ首相の離脱協定案に対しその可否を問う採決です。今回は2度目の採決で、1度目の採決は1月15日に230票差で否決されており、今回も149差で否決されました。もし可決されていれば3月29日に英国はEUを離脱し通商協定に関し協議を継続する流れとなっていました。しかし、結果は否決となったため、本日13日に「合意なき離脱」を認めるかどうかの採決が行われます。市場予想ではこの採決は否決され、翌日14日に「EU離脱期限日の延長」を認めるかどうかの採決が行われる見込みです。万が一「合意なき離脱」が認められる、もしくは「EU離脱期限日の延長」が認められない、といった事になれば英国は諸条件について合意がなされないまま3月29日にEUを離脱(ハード・ブレグジット)することになります。
先述したように前回の採決での票差が「230票」で今回が「149票」と大幅に差が縮まったこと、加えて直前の予想では前回以上の票差がつく可能性も予想されており今回の票差をマーケットは好感したようです。結果発表直後、ポンド円は145.26円から146.29円まで、ポンドドルは1.3058ドルから1.3147ドルまで上昇しました。しかし、殺人通貨の異名と持つポンドとしては調整的な値動きの範囲内だったことからある程度織り込まれていたことがわかります。本日や明日の採決も同様に結果に関しては市場の予測通りになる可能性が高いです。しかし、昨日の値動きからも分かるとおり、結果ではなく「票差」や「直後に行われるメイ首相の発言」、「結果を受けたEU高官の発言」など周辺の情報にも気を配る必要がありそうです。