メイ首相信任投票は勝利も前途は茨の道
東京市場
東京市場ではドル円は強含み。「カナダ裁判所が中国通信機器大手ファーウェイのCFOの保釈を認める」との報道が伝わったほか、トランプ米大統領が「必要ならば貿易問題で習・中国国家主席と会談する」との見解を示したことで、米中貿易摩擦の緩和期待が高まりドルが買われる流れとなりました。
ロンドン市場
欧州市場ではユーロドルは伸び悩み。「イタリアは欧州連合(EU)に対して2%の財政赤字目標を提案する」との一部報道を受けて伊長期金利の急低下とともにユーロ買いが強まりましたが、伊当局がこの報道を否定すると一転失速しました。ポンドは堅調。英保守党党首の不信任投票を控えるなか、メイ首相がEUとさらなる交渉に意欲的な姿勢を示したことがポンド買いにつながった模様です。
NY市場
NY市場ではドル円は弱含み。対ポンド中心にドル安が進むと、円に対してもドル売りが出て下落しました。ユーロはコンテ伊首相が「2019年予算案を巡り、財政赤字の対GDP比率を2.04%とする目標をEUに提案」と述べると買いが優勢の展開になりました。ポンドは閣僚の多くも首相への支持を表明していることからメイ首相が党首不信任投票で勝利するとの観測からポンドは買いが優勢の展開に。日本時間6:00すぎにメイ首相の信任が判明すると一時ポンド円は143.40円台まで上昇しましたがその後戻しが入り143.06円で終わりました。
【今日の主な経済指標】
08:50 JPY 対外対内証券売買契約等の状況(対外中長期債) 前週分
08:50 JPY 対外対内証券売買契約等の状況(対内株式) 前週分
09:01 GBP 英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)住宅価格指数 11月
16:00 DEM 消費者物価指数(CPI、改定値)[前月比] 11月
16:00 DEM 消費者物価指数(CPI、改定値)[前年同月比] 11月
16:45 FRF 消費者物価指数(CPI、改定値)[前月比] 11月
16:45 FRF 消費者物価指数(CPI、改定値)[前年同月比] 11月
17:15 CHF 生産者輸入価格[前月比] 11月
17:30 CHF スイス国立銀行3カ月物銀行間取引金利誘導目標中心値
17:30 SEK 失業率 11月
18:00 NOK ノルゲバンク(ノルウェー中銀)、政策金利
18:30 ZAR 卸売物価指数(PPI)[前月比] 11月
18:30 ZAR 卸売物価指数(PPI)[前年同月比] 11月
20:00 BRL 小売売上高指数[前年同月比] 10月
20:00 TRL トルコ中銀、政策金利
21:45 EUR 欧州中央銀行(ECB)政策金利
22:30 EUR ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁、定例記者会見
22:30 CAD 新築住宅価格指数[前月比] 10月
22:30 USD 輸入物価指数[前月比] 11月
22:30 USD 輸出物価指数[前月比] 11月
22:30 USD 新規失業保険申請件数 前週分
22:30 USD 失業保険継続受給者数 前週分
売買比率についてはこちら
-今日のトレードポイント-
メイ首相に対する不信任投票の結果は信任されメイ首相の勝利でした。ただしすぐに辞職する事態がなくなっただけであり、本質的にはEU離脱に関して課題は山積みであることは何一つ変わらないため、依然注意が必要とみています。本日はECBやトルコ、スイスで政策金利の発表があります。市場予想はいずれも据え置きですが、声明発表で相場が動意づくことはよくあるパターンですので注目したいです。