FXレポート

日銀の発表を受け円安優位

東京市場
 東京市場のドル円は日銀金融政策決定会合の結果を受けて一時110.697円近辺まで下落したものの、金融緩和を粘り強く続けていくこととフォワード
ガイダンスの導入したことで市場に安心感が広がり111.45円まで反発しました。

ロンドン市場
 欧州勢参入後のドル円は堅調。東京市場の円売りの流れが継続し111.55円近辺まで上値を伸ばしました。

NY市場
 NY市場では中国が米国との貿易戦争の緊張緩和目指し協議再開を求めるとの一部報道が伝わるとドル買いが優勢になりドル円は111.957円近辺まで
一段高に。その後、「米中の通商協議はほとんど進展がみられない」と報じられると111.69円近辺まで軟化し前日比では0.773円高い、111.834円で取
引を終えました。

≪2018年7月31日クローズ時点≫
ドル・円:「ブル」   売り40% 買い60%
ユーロ・円:「ベア」 売り65% 買い35%
英ポンド・円:「ブル」 売り36% 買い64%
豪ドル・円:「ブル」  売り20% 買い80%
NZドル・円:「ブル」  売り14% 買い86%
ユーロ・ドル:「ベア」 売り68% 買い32%

【今日の主な経済指標】
07:45 NZD 四半期失業率 4-6月期
10:45 CNY Caixin製造業購買担当者景気指数(PMI) 7月
15:00 GBP ネーションワイド住宅価格[前月比] 7月
16:50 FRF 製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値) 7月
16:55 DEM 製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値) 7月
17:00 EUR 製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値) 7月
17:30 GBP 製造業購買担当者景気指数(PMI) 7月
20:00 USD MBA住宅ローン申請指数[前週比]
21:15 USD ADP雇用統計[前月比] 7月
22:45 USD 製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値) 7月
23:00 USD 建設支出[前月比] 6月
23:00 USD ISM製造業景況指数 7月
 -  GBP 英中銀金融政策委員会(MPC)1日目
03:00 USD 米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表

-今日のトレードポイント-
 FOMC政策金利と声明文について
 今回の連邦公開市場委員会(FOMC)の政策金利は据え置き予想になっています。また、FOMC後にパウエルFRB議長の会見もないことから、いつもより
動意に欠ける展開になりそうです。ただ、FRBは今後を見据えて政策や政策変更のシグナルを発信することがよくあるため、声明文の内容に注目したい
です。先々週の半期に一度の金融政策報告の議会証言でパウエルFRB議長は「当面、漸進的な利上げ継続が最善策」と述べて、従来の方針に「当面」と
いう文言を追加しました。推測するに短期的には利上げ継続が最善で中長期的には先行き不透明感があるとリスクを警戒した文言を選んだとみていま
す。声明文の中で先行きに対するリスクを警戒しハト派色が強まれば今のドル安にブレーキが掛かるため、注意しておきたいです。もっとも、基本の
シナリオは漸進的な利上げ継続による現状維持でありネガティブな内容がなければ素直にドル高に反応するものと思います。

 日銀金融政策決定会合について
 日銀金融政策決定会合は良い意味での発表になりました。異次元緩和の長期化によって副作用が起こされるとの思惑から長期金利が上昇していたな
か、テーパリングなどの出口戦略がなされると事前に予想されていました。しかし、日銀は長期金利の上昇の変動を容認するとした上で、強力な金融
緩和を継続すると発表しました。発表直後には長期金利の上昇に悲観してドル円は110.70円まで下落しましたが、「強力な金融緩和の継続」というパ
ワーワードに反応し円安に大きく振れる結果になりました。また、新たに政策金利のフォワードガイダンスを導入するなど強力な金融緩和継続のため
の枠組みを発表しました。黒田日銀総裁の定例記者会見では「長期金利、現在のプラスマイナス0.1%の倍程度の変動を想定」、「変動幅拡大は金利引
き上げを意図しているわけでは全くない」、「フォワードガイダンス導入で早期に出口に向かうとの観測は完全に否定できる」 と発言しタカ派の見方
を否定しました。今回の日銀の金融政策により、引き続き円安優位な相場が展開される見通しとなります。

[今日の予想レンジ]
ドル・円  111.00-112.60
ユーロ・円 129.80-131.50
ポンド・円 146.00-148.40

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