トランプ大統領がドル高けん制でトレンド転換か
先週金曜日のサマリ
東京市場
前日のNY市場でトランプ大統領がドル高をけん制する発言をしてドル売り円買いが進んだものの、東京市場では影響は見られず112.40円を静かに推移しました。
ロンドン市場
欧州勢参入後も目立った取引材料がなかったことで動意に欠く展開になっていたものの、ブラード米セントルイス連銀総裁が「米連邦準備理事会(FRB)は更なる利上げは遅らせるべきだ」と利上げペース鈍化が意識される発言をしたことでドル全面安の展開に。その後、トランプ大統領が「米国が金利を上げてドル高になる一方、中国・欧州連合(EU)や他国は自国通貨を操作し、政策金利を低く抑えている」と発言したことでドル売りが加速しドル円は111.75円付近まで下落しました。
NY市場
NY市場では主な米経済指標がなかったものの、欧州市場でのドル売りの流れを引き継いだことからドル円は一時111.405円まで下落し前日比では0.960円安い、111.487円で取引を終えました。
≪2018年7月20日クローズ時点≫
ドル・円:「ブル」 売り37% 買い63%
ユーロ・円:「ベア」 売り64% 買い36%
英ポンド・円:「ブル」 売り32% 買い68%
豪ドル・円:「ブル」 売り17% 買い83%
NZドル・円:「ブル」 売り14% 買い86%
ユーロ・ドル:「ベア」 売り64% 買い36%
【今日の主な経済指標】
21:30 CAD 卸売売上高[前月比] 5月
23:00 EUR 消費者信頼感(速報値) 7月
23:00 USD 中古住宅販売件数[年率換算件数] 6月
23:00 USD 中古住宅販売件数[前月比] 6月
-今日のトレードポイント-
ドル円は堅調な米経済成長を背景にドル買いが継続し年初来高値が意識される水準まで上昇したものの、トランプ米大統領の発言をきっかけにドルが全面安となり113円台から111円台まで大きく戻されました。一連のトランプ米大統領の発言は「一般市民だったら言ったであろうことを言ったことまで、大統領としては言うべきではないといさめる人もいるだろうが、少しも気にしない」と本人も自覚している本音が漏れたようです。一方でFRBが最善と考える行動に対しては容認しているとしており、少しでも自国に有利に働くように発言しただけとみています。ただ、この発言が4年に一回の米中間選挙に向けたパフォーマンスだった場合には繰り返し発言していくものとみられ、ドル円のロングは一旦スクウェアにするのが賢明かもしれません。
[今日の予想レンジ]
ドル・円 113.00-110.00
ユーロ・円 129.00-132.00
ポンド・円 145.00-148.00