FXレポート

英国はBREXITに関するEUの提案に否定的

東京市場
 ドル円はゴトー日(5日、10日)で仲値に向けた買いが観測されたほか、日経平均が200円越えで上昇したことを受けて111.16円近辺まで堅調に推移しました。

ロンドン市場
 欧州勢参入後のドル円は売りで反応し111.02円近辺まで軟化しました。もっともその後、米長期国債利回りが上昇したほか、豪ドル米ドルでの米ドル買いの圧力が高まったことでドル円は111.35円近辺まで上値を伸ばしました。

NY市場
 NY市場では主だった米経済指標の発表がなかったことから調整主導の取引となり111円台前半を小動きし前日比では0.456円高い、111.264円で取引を終えました。また、NY市場のクローズ後に「米当局は2000億ドル相当の対中関税リストを公表の予定」との一部報道が伝わると一気にリスクオフとなりドル円は110.90円近辺まで大きく下落しました。

≪2018年7月10日クローズ時点≫
ドル・円:「ブル」   売り42% 買い58%
ユーロ・円:「ベア」   売り66% 買い34%
英ポンド・円:「ブル」 売り39% 買い61%
豪ドル・円:「ブル」  売り17% 買い83%
NZドル・円:「ブル」  売り13% 買い87%
ユーロ・ドル:「ベア」 売り61% 買い39%


【今日の主な経済指標】
08:50 JPY 国内企業物価指数[前月比] 6月
08:50 JPY 国内企業物価指数[前年同月比] 6月
08:50 JPY 機械受注[前月比] 5月
08:50 JPY 機械受注[前年同月比] 5月
10:30 AUD 住宅ローン件数[前月比] 5月
13:30 JPY 第三次産業活動指数[前月比] 5月
16:00 EUR ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁、発言
20:00 USD MBA住宅ローン申請指数[前週比]
21:30 USD 卸売物価指数(PPI)[前月比] 6月
21:30 USD 卸売物価指数(PPI)[前年同月比] 6月
21:30 USD 卸売物価指数(PPIコア指数、食品・エネルギー除く)[前月比] 6月
21:30 USD 卸売物価指数(PPIコア指数、食品・エネルギー除く)[前年同月比] 6月
23:00 CAD カナダ銀行 政策金利
23:00 USD 卸売売上高[前月比] 5月
23:00 USD 卸売在庫[前月比] 5月
00:35 GBP カーニー英中銀(BOE)総裁、発言

-今日のトレードポイント-
米国の通商問題について
 トランプ大統領は今月6日、対中関税として340億ドル相当の中国製品への25%の追加関税を発動させました。それに対し、中国も直ちに米国産大豆や自動車への同規模の報復関税を実施するなど貿易戦争に突入しています。そんな中、朝方に新たに中国製品2000億ドル(約22兆2000億円)相当の関税対象リストを公表する準備を行っているとの一部報道が伝わったことでマーケットはリスク回避一色になりつつあります。今のところ、互いの経済指標に大きな悪影響を示す結果が現れていないことから、一過性の動きになっていましたが、株価や米長期金利、経済指標などに影響が出てくると現在の上昇トレンドから転換する可能性も十分に考えられます。また、米国の矛先は今は中国と欧州に向いていますが、遠くない未来に日本にも同様に求めてくると考えられるため、貿易摩擦は世界中に飛び火していくと考えられるほか、トランプ大統領の落とし所が不透明なため、積極的に買い進むには困難な局面と言えそうです。

英政局について
 英政府の与党内が離脱に対する考え方で分裂しています。メイ首相はEUとの通商関係を維持する提案をし、提案への反対派はEUから権限を取り戻すのに不十分だとメイ首相を批判して辞任しました。その後、メイ英首相は「英国はBREXITに関するEUの提案を受け入れられない」と火消しに走ったと思われる発言をしています。与党内の離脱強硬派からみればBREXITによって、自分達の主権を取り戻す戦いと位置づけており、メイ首相の提案は受け入れられない内容のようです。このままではEUとの交渉がスムーズに進んだとしても議会での承認を得られない可能性がありポンド売りが強まりそうです。

トルコ政局について
 9日エルドアン大統領はメリルリンチの元バンカーのシムシェク副首相とアーバル財務相がそれぞれ担っていた財務と金融を排して、自身の娘婿でエネルギー天然資源相のベラト・アルバイラク氏を起用を発表しました。それによりトルコリラドルは3.8%下落し新興国通貨で今年の最大級の下げになりました。エルドアン大統領の独裁色が強まりトルコの民主主義が揺らいだといってもいいかもしれません。また、トルコの中央銀行は高インフレに苦しむ経済を利上げで対策を行ってきましたが、エルドアン大統領は利下げを行うべきとの見方を持っており今回のアルバイラク氏の起用は利下げを行う布石ではとも考えられ、中銀の独立性が危むばれそうです。


[今日の予想レンジ]
ドル・円  109.50-111.50
ユーロ・円 129.00-131.50
ポンド・円 145.00-149.00

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