FXレポート

ドル円は雇用統計の発表を受けて底堅い動き

先週金曜日のドル円は、東京市場では朝方に一時108.72円近辺まで下落したものの、100円超下落して始まった日経平均がプラス圏を回復したほか、時間外の米10年債利回りが上昇したことを受けて買い戻しが入り、10時過ぎには一時108.99円近辺まで値を上げました。日銀が国債買い入れオペの減額を発表すると108.73円まで失速しましたが、すぐに反発。5月31日高値を上抜けると目先のストップロスを誘発し、一時109.23円近辺まで買い上げられました。欧米市場では、世界的な株高や米10年債利回りの上昇を支えに、アジア時間高値を上抜け109.30円近辺まで上げました。その後、米労働省が発表した5月米雇用統計で、非農業部門雇用者数が前月比22万3000人増と予想の前月比19万人増を上回り、失業率が3.8%と予想の3.9%より強い内容だったことが分かると円売り・ドル買いが先行。平均時給が前月比0.3%上昇と予想の前月比0.2%上昇を上回ったことも相場の支援材料となり、一時109.72円近辺まで値を上げました。その後は週末を控えた持ち高調整売りなどに押されましたが、総じて底堅く推移し、前日比では0.692円高い、109.505円で取引を終えました。

≪2018年6月1日クローズ時点≫
ドル・円:「ブル」   売り33% 買い67%
ユーロ・円:「ベア」   売り58% 買い42%
英ポンド・円:「ブル」 売り37% 買い63%
豪ドル・円:「ブル」  売り17% 買い83%
NZドル・円:「ブル」  売り15% 買い85%
ユーロ・ドル:「ベア」 売り61% 買い39%

【今日の主な経済指標】
08:50 JPY マネタリーベース[前年同月比] 5月
10:30 AUD 小売売上高[前月比] 4月
16:00 TRL 消費者物価指数(CPI)[前月比] 5月
16:00 TRL 消費者物価指数(CPI)[前年同月比] 5月
17:30 GBP 建設業購買担当者景気指数(PMI) 5月
18:00 EUR 卸売物価指数(PPI)[前月比] 4月
18:00 EUR 卸売物価指数(PPI)[前年同月比] 4月
23:00 USD 製造業新規受注[前月比] 4月

-今日のトレードポイント-
欧州政治不安が一服したことで市場のリスク回避の動きが和らいだこともあり、株価や金利動向をにらみながらではありますが、今週のドル円は底堅く推移すると思われます。一方で、欧米間の通商問題の行方には注意が必要です。米国が5月31日にEUやカナダ、メキシコなどに対して鉄鋼・アルミ関税の発動に続き、自動車輸入関税(25%)の導入を示唆しており、6月に予定されているライトハイザー米通商代表部(USTR)代表と茂木経済財政相による日米通商協議に向けて、日米貿易不均衡是正圧力が強まる可能性があります。EU側なども報復の追加関税賦課を示唆するなど、新たなリスク要因として発展する可能性も否定はできません。今週は週末にG7首脳会議が控えていることもあり、要人発言にも注目しておきたいところです。

[今日の予想レンジ]
ドル・円  109.00-110.00
ユーロ・円 127.00-128.60
ポンド・円 144.50-146.90

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