ドル円は一時109円台まで下押し
昨日のドル円は、東京市場では早朝の薄商いのなか、トルコリラ円が急落したことにつれてドル売りが先行しました。市場では「CTA(商品投資顧問)から日本株とドル円に売りが観測された」との指摘があり、日経平均株価の310円超安の影響からドル売りが継続し、一時110.37円近辺まで値を下げました。欧米市場では、米中通商協議や米朝首脳会談に対する先行きが不透明であることから、アジア時間からのドル売りの流れを引き継ぐ展開になりました。ナイト・セッションの日経平均先物が250円安まで下げたほか、米長期金利の低下も相場の重しとなり、一時109.55円近辺まで値を下げました。もっとも、ドル円は急ピッチで値を下げた反動から買い戻しが進んだほか、日経平均先物が下げ止まったことなども支えに、一時110.32円近辺まで下値を切り上げました。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では「大半のメンバーが速やかに次の利上げを行うことが適切と指摘」「緩やかなインフレの行き過ぎは有用と認識」などの見解を示しましたが、相場への影響は限定的となり、前日比では0.881円低い、110.031円で取引を終えました。
≪2018年5月23日クローズ時点≫
ドル・円:「ブル」 売り32% 買い68%
ユーロ・円:「ブル」 売り49% 買い51%
英ポンド・円:「ブル」 売り27% 買い73%
豪ドル・円:「ブル」 売り16% 買い84%
NZドル・円:「ブル」 売り11% 買い89%
ユーロ・ドル:「ベア」 売り55% 買い45%
【今日の主な経済指標】
07:45 NZD 貿易収支 4月
08:50 JPY 対外対内証券売買契約等の状況(対外中長期債) 前週分
08:50 JPY 対外対内証券売買契約等の状況(対内株式) 前週分
09:00 SGD 四半期国内総生産(GDP、確定値)[前期比年率] 1-3月期
14:00 JPY 景気先行指数(CI)・改定値 3月
14:00 JPY 景気一致指数(CI)・改定値 3月
15:00 DEM 国内総生産(GDP、改定値)[前期比] 1-3月期
15:00 DEM 国内総生産(GDP、改定値)[前年同期比] 1-3月期
15:00 DEM GFK消費者信頼感調査 6月
15:45 FRF 企業景況感指数 5月
16:00 GBP カーニー英中銀(BOE)総裁、発言
17:30 GBP 小売売上高指数[前月比] 4月
20:30 EUR 欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨
21:30 USD 新規失業保険申請件数 前週分
22:00 USD 住宅価格指数[前月比] 3月
22:00 USD 四半期住宅価格指数[前期比] 1-3月期
23:00 USD 中古住宅販売件数[年率換算件数] 4月
23:00 USD 中古住宅販売件数[前月比] 4月
-今日のトレードポイント-
本日のドル円は、昨日に引き続き軟調な値動きになると予想します。トルコリラの急落や欧州通貨の下落を背景に、下押し圧力が続く展開になりそうです。また、FOMC議事要旨での影響が限定的だったことを踏まえ、市場では長期のドル買い要因よりも、直近での日米株価や米長期金利の下落リスクへの警戒が強いと思います。引き続き主要な株式市場や米国の長期金利の動向、金融当局者やトランプ政権の発言や動向に注視して取引に臨みたいです。
[今日の予想レンジ]
ドル・円 109.00-111.50
ユーロ・円 127.80-131.20
ポンド・円 145.20-150.00