ドル円はシリア情勢の影響もあり下落
昨日のドル円は、東京市場では、時間外のダウ先物が下落したことを背景にリスク回避の売りに押され、一時106.97円近辺まで値を下げましたが、押し目買いが入り107.15円まで持ち直しました。その後はシリアへの欧米政府の対応を見極めたいとの見方から次第に107.10円近辺前後での小動きとなりました。欧州市場では、時間外のダウ先物が下げ幅を拡大し、リスク回避目的の売りに押され、米長期金利の低下なども重しとなり、20時過ぎには一時106.82円近辺まで値を下げました。その後、トランプ米大統領がツイッターで「ミサイルがシリアに来るのでロシアは準備せよ」と述べ、シリアのアサド政権側にたつロシアをけん制。シリア情勢の悪化が懸念され円買い・ドル売りが先行。3月米消費者物価指数(CPI)が前月比0.1%低下と予想の横ばいを下回ったことも相場の重しとなり、一時106.64円近辺まで値を下げました。NY市場では、米10年債利回りの低下幅縮小やダウ平均の下げ渋りも支えに106.96円近辺まで反発しましたが、中東情勢が緊迫化するなか、「サウジアラビアは首都リヤド上空でミサイルを迎撃した」と伝わり原油先物相場が急伸。対資源国通貨中心にドル売り圧力が高まり、106.65円まで下落しました。その後、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(3月20~21日分)で「見通しは利上げ加速を正当化と多くの当局者が判断」「メンバー全員がインフレはここ数カ月で上向いていると指摘」「大規模な財政政策が成長を今後数年促進する」などと伝わると、全般ドル買いで反応し107.06円近辺まで持ち直しました。もっとも、取引終盤はダウ平均が引けにかけて250ドル超下げたことで106.78円近辺まで失速するなど方向感が定まらない動きとなり、前日比では0.37円安い、106.811円で取引を終えました。
≪2018年4月11日クローズ時点≫
ドル・円:「ブル」 売り27% 買い73%
ユーロ・円:「ベア」 売り65% 買い35%
英ポンド・円:「ベア」 売り51% 買い49%
豪ドル・円:「ブル」 売り19% 買い81%
NZドル・円:「ブル」 売り18% 買い82%
ユーロ・ドル:「ベア」 売り74% 買い26%
【今日の主な経済指標】
08:01 GBP 英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)住宅価格指数 3月
08:50 JPY マネーストックM2[前年同月比] 3月
08:50 JPY 対外対内証券売買契約等の状況(対外中長期債) 前週分
08:50 JPY 対外対内証券売買契約等の状況(対内株式) 前週分
10:30 AUD 住宅ローン件数[前月比] 2月
15:45 FRF 消費者物価指数(CPI、改定値)[前月比] 3月
18:00 EUR 鉱工業生産[前月比] 2月
21:00 BRL 小売売上高指数[前年同月比] 2月
21:00 INR 鉱工業生産[前年同月比] 2月
21:30 CAD 新築住宅価格指数[前月比] 2月
21:30 USD 輸入物価指数[前月比] 3月
21:30 USD 輸出物価指数[前月比] 3月
21:30 USD 新規失業保険申請件数 前週分
03:00 MXP メキシコ中銀、政策金利
-今日のトレードポイント-
本日のドル円は、上げ値が重いと予想されます。米中貿易戦争に対する懸念が若干落ち着き始めた中で浮上したシリア問題に関して、トランプ米大統領はシリアに対する行動の具体的な行程表をまだ策定していないということもあり、今後もリスク回避的な動きに注意したいです。株式市場の動向や要人の発言に注意して取引に臨みたいです。
[今日の予想レンジ]
ドル・円 106.30-107.50
ユーロ・円 131.50-132.80
ポンド・円 151.00-152.30