ドル円は米中貿易戦争回避への期待で再び107円台へ回復
昨日のドル円は、東京市場では日経平均株価が130円超下落して始まったことを背景に売りが先行し、一時106.62円近辺まで値を下げましたが、習近平・中国国家主席がアジアフォーラムでの演説で自動車輸入関税の引き下げに言及し、時間外のダウ先物が360ドル超、日経平均株価は250円超急伸するとショートカバーが加速。107.24円近辺まで買い上げられました。その後、時間外の米10年債利回りが上昇幅を縮めたうえ、「米国は中国の500億ドルの貿易赤字削減提案を拒否」との一部報道が伝わると106.81円近辺まで失速しました。欧州市場では、急ピッチで値を下げた反動から買い戻しが広がり、20時前には一時107.09円近辺まで値を上げました。また、予想を上回る3月米卸売物価指数（ＰＰＩ）を受けて円売り・ドル買いが小幅ながら出ました。ＮＹ市場では、ＥＣＢ報道官がノボトニー・オーストリア中銀総裁の発言の火消しに回り、ユーロドルが失速したタイミングで、ダウ平均が一時530ドル超上昇したことも相場の支援材料となり、107.40円近辺まで上昇しました。その後は107.20円近辺前後を挟んだ神経質な値動きとなり、前日比では0.444円高い、107.181円で取引を終えました。
≪2018年4月10日クローズ時点≫
ドル・円：「ブル」 売り30% 買い70%
ユーロ・円：「ベア」 売り66% 買い34%
英ポンド・円：「ベア」 売り53% 買い47%
豪ドル・円：「ブル」 売り21% 買い79%
NZドル・円：「ブル」 売り19% 買い81%
ユーロ・ドル：「ベア」 売り74% 買い26%
【今日の主な経済指標】
08:50 JPY 機械受注[前月比] 2月
08:50 JPY 国内企業物価指数[前月比] 3月
08:50 JPY 国内企業物価指数[前年同月比] 3月
10:30 CNY 生産者物価指数（ＰＰＩ）[前年同月比] 3月
10:30 CNY 消費者物価指数（ＣＰＩ）[前年同月比] 3月
17:30 GBP 貿易収支 2月
17:30 GBP 鉱工業生産指数[前月比] 2月
17:30 GBP 製造業生産指数[前月比] 2月
20:00 USD ＭＢＡ住宅ローン申請指数[前週比]
21:30 USD 消費者物価指数（ＣＰＩ）[前月比] 3月
21:30 USD 消費者物価指数（ＣＰＩコア指数）[前月比] 3月
21:30 USD 消費者物価指数（ＣＰＩ）[前年同月比] 3月
03:00 USD 月次財政収支 3月
03:00 USD 米連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ）議事要旨
-今日のトレードポイント-
本日のドル円は、ドル安の流れになると予想されます。中国の習近平国家主席が年内に一部製品の輸入関税を引き下げる方針を表明したことを受け、米中貿易摩擦を巡る懸念が後退しましたが、ここへきてシリアを巡る米露の問題といった外交面で再び懸念が高まっています。要人の発言には特に注意して取引に臨みたいです。
[今日の予想レンジ]
ドル・円 106.50-107.80
ユーロ・円 131.20-132.80
ポンド・円 151.30-152.60
