ドル円は上値が重い
昨日のドル円は、東京市場では早朝のオセアニア市場で一時106.80円近辺まで下押ししたものの、しばらく106.90円前後でのもみ合いが続き、後場の日経平均株価が170円近く上昇したことを受けてじわりと買いが強まりました。時間外の米10年債利回りの上昇も支えとなり、15時過ぎには一時107.12円近辺まで値を上げました。その後、人民元を中心にアジア通貨などに対してドル高が進んだ影響を受けて、107.14円近辺まで値を上げました。欧州市場では、米長期金利の上昇などを背景にややドル買いが進むなか、19時過ぎには一時107.20円近辺まで値を上げ、その後も高値圏で底堅く推移しました。NY市場では、一時106.90円近辺まで失速しましたが、クドローNEC委員長が「米国が中国に関税を課すかわからない。交渉で解決するかもしれない」などと語り、ダウ平均が300ドル近く上昇。米10年債利回りも上昇幅を拡大したことで107.11円近辺まで反発しました。その後、ダウ平均は一時440ドル超上昇したものの、「米連邦捜査局(FBI)はトランプ米大統領の顧問弁護士マイケル・コーエン氏の事務所を強制捜査する」と伝わり、引けにかけて20ドル超高まで急失速。米10年債利回りも一時低下に転じたことで、106.61円近辺まで下げ足を速め、前日比では0.197円安い、106.737円で取引を終えました。
≪2018年4月9日クローズ時点≫
ドル・円:「ブル」 売り28% 買い72%
ユーロ・円:「ベア」 売り64% 買い36%
英ポンド・円:「ベア」 売り52% 買い48%
豪ドル・円:「ブル」 売り17% 買い83%
NZドル・円:「ブル」 売り18% 買い82%
ユーロ・ドル:「ベア」 売り72% 買い28%
【今日の主な経済指標】
08:01 GBP 英小売連合(BRC)小売売上高調査[前年同月比] 3月
10:30 AUD NAB企業景況感指数 3月
15:45 FRF 鉱工業生産指数[前月比] 2月
21:00 BRL IBGE消費者物価指数(IPCA)[前月比] 3月
21:15 CAD 住宅着工件数 3月
21:30 CAD 住宅建設許可件数[前月比] 2月
21:30 USD 卸売物価指数(PPI)[前月比] 3月
21:30 USD 卸売物価指数(PPIコア指数、食品・エネルギー除く)[前月比] 3月
23:00 USD 卸売在庫[前月比] 2月
-今日のトレードポイント-
本日のドル円は、円高の流れになると予想します。米中の貿易問題に関しては、最終的には交渉がまとまり、お互いに高関税を掛け合うという最悪の結果にはならないと思われますが、一方でトランプ大統領が新たな関税の検討を指示するなど、保護主義色は更に強まっております。また、11月の中間選挙に向けて何らかの“成果”を出したい米政府が矛先を突然他の国に向けるリスクもあり、その対象となり得るような国の株式市場や通貨には常に相応のプレッシャーがかかり続けると予想されます。株式市場の動向や要人の発言に注意をして取引に臨みたいです。
[今日の予想レンジ]
ドル・円 106.30-107.30
ユーロ・円 131.00-132.20
ポンド・円 150.30-151.60