ドル円は106円割れを回避するも上値重く
昨日のドル円は、東京市場では、日本株安を見越す形で、106.40円近辺まで売りが先行しました。その後、市場では「米系短期筋の買い戻しが入った」との声が聞かれたほか、日経平均株価が210円近い下落から80円超安まで下げ渋ったことで106.74円近辺まで持ち直しましたが、米ペンシルベニア州下院補欠選挙で民主党のコナー・ラム氏が優勢と伝わると、米政権運営の先行き不透明感から失速し、日経平均株価が280円超下げたうえ、米10年債利回りの低下とともに全般ドル安も進み、106.38円近辺まで値を下げました。その後、米長期金利の低下幅縮小やナイト・セッションの日経平均先物の上昇を支えに106.69円近辺まで切り返しました。欧米市場では、2月米小売売上高が予想を下回ったことがわかると円買い・ドル売りで反応し、一時106.30円近辺まで値を下げました。その後、106.60円近辺まで切り返す場面もありましたが、高く始まったダウ平均が330ドル超の大幅安となったことで106.06円近辺まで売りに押されました。もっとも、株価の下落が一服した影響から106.30円近辺まで値を戻し、前日比では0.241円安い、106.299円で取引を終えました。
≪2018年3月14日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」 売り22% 買い78%
ユーロ・円 :「ベア」 売り59% 買い41%
英ポンド・円 :「ブル」 売り39% 買い61%
豪ドル・円 :「ブル」 売り17% 買い83%
NZドル・円 :「ブル」 売り14% 買い86%
ユーロ・ドル :「ベア」 売り73% 買い27%
【今日の主な経済指標】
06:45 NZD 四半期国内総生産(GDP)[前期比] 10-12月期
08:50 JPY 対外対内証券売買契約等の状況(対外中長期債) 前週分
08:50 JPY 対外対内証券売買契約等の状況(対内株式) 前週分
16:00 TRL 失業率 12月
16:45 FRF 消費者物価指数(CPI、改定値)[前月比] 2月
17:15 CHF 生産者輸入価格[前月比] 2月
17:30 CHF スイス国立銀行3カ月物銀行間取引金利誘導目標中心値
18:00 NOK ノルゲバンク(ノルウェー中銀)、政策金利
21:30 USD ニューヨーク連銀製造業景気指数 3月
21:30 USD 新規失業保険申請件数 前週分
21:30 USD フィラデルフィア連銀製造業景気指数 3月
21:30 USD 輸入物価指数[前月比] 2月
21:30 USD 輸出物価指数[前月比] 2月
23:00 USD NAHB住宅市場指数 3月
05:00 USD 対米証券投資(短期債除く) 1月
- 今日のトレードポイント -
本日のドル円は、トランプ政権を巡る先行き不透明感に対する懸念が投資家のリスク回避の動きを強めており、ドル安が進むと思われます。貿易戦争を巡る懸念が再燃していることや、トランプ政権が中国からの輸入品のうち最大600億ドルに相当する製品に関税を課すことを計画していることが関係筋の話で判明したことも、ドル安が進む要因となり得ます。株式市場の動向や要人発言に注意をして取引に臨みたいです。
[今日の予想レンジ]
ドル・円 105.80-106.80
ユーロ・円 130.70-132.50
ポンド・円 147.30-149.50