FXレポート

ドル円は107円台を維持できず

先週金曜日のドル円は、東京市場では「北朝鮮の金正恩委員長がトランプ米大統領に会合を招請した」との報道を受けて買いが先行。日経平均株価が510円超上昇したことが支えとなったほか、週末の実質5・10日(ゴトー日)にあたり仲値に向けた買いが入りました。市場では「CTA(商品投資顧問)から買いが観測された」との指摘もあり、106.94円近辺まで上値を伸ばしました。もっとも、オプション絡みの売りに上値を抑えられると伸び悩みました。欧州市場では、106.70円前後でのもみ合いに終始しました。市場では「米雇用統計の発表を控えて手掛けづらい」との指摘もあり、全般に様子見ムードとなりました。NY市場では、2月米雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比31万3000人増と予想の前月比20万5000人増を上回ったことがわかると、107.04円近辺まで値を上げました。もっとも、失業率が4.1%と予想の4.0%より弱かったほか、平均時給も前月比0.1%上昇と予想の前月比0.2%上昇を下回ったことで上値は限定的となりました。その後、米10年債利回りが上昇幅を拡大すると107.03円近辺まで再び値を上げましたが、107円台での滞空時間は短く、前日比では0.597円高い、106.797円で取引を終えました。

≪2018年3月9日クローズ時点≫
ドル・円  :「ブル」  売り25% 買い75%
ユーロ・円  :「ベア」 売り61% 買い39%
英ポンド・円 :「ブル」  売り40% 買い60%
豪ドル・円  :「ブル」  売り19% 買い81%
NZドル・円 :「ブル」  売り13% 買い87%
ユーロ・ドル :「ベア」    売り74% 買い26%

【今日の主な経済指標】

08:50 JPY 四半期法人企業景気予測調査・大企業業況判断指数(BSI) 1-3月期
21:00 INR 鉱工業生産[前年同月比] 1月
03:00 USD 月次財政収支 2月

- 今日のトレードポイント -
リスクオンとなりトレンド転換が見込めそうなドル円ですが、メインシナリオは戻り売りとみています。今月は20-21日にFOMCを控えますが、ここでの利上げは既に市場では織り込まれており、月内のイベントは既に消化済みと多くの市場参加者は見ています。したがって市場のフォーカスは米通商政策にあり、加えて今週に先週の高値を更新する勢いに欠いたことから、相当な売り意欲がまだ残っていると見ています。もとより市場で発表される米CPIや米小売売上高などの結果が大幅な改善となれば、利上げ時期のさらなる前倒しやFOMCの強気姿勢に期待して買いで支えられる事が期待されますが、この場合でも市場の反応を慎重に見極めながら相場参加者が動くため、結局は来週内での動きは見られないと考えています。市場は下落感度が現在高まっているため、米通商政策には依然として注意が必要です。


[今日の予想レンジ]
ドル・円 105.70-107.20
ユーロ・円     130.20-132.10
ポンド・円   145.60-149.00

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