ドル円は年初来安値を更新
先週金曜日のドル円は、日経平均株価が630円超下落したことが嫌気され、105.94円近辺まで売りに押され、上値の重い展開になりました。一方で106.15円近辺まで持ち直す場面もありましたが、戻りは限定的でした。その後は、黒田東彦日銀総裁が衆議院での所信聴取で「19年度ごろに出口を検討していることは間違いない」と述べると売りが再開し、一時105.71円近辺まで値を下げました。欧米市場では、アジア時間から売られた流れを引き継ぐ展開になりました。ナイト・セッションの日経平均先物の440円安も売りを後押しする展開になりました。また、トランプ米大統領がツイッターで「貿易戦争は良いことだ。簡単に勝てる」とつぶやくと、売り圧力がさらに強まり、ドル円は年初来安値を更新する105.25円近辺まで下値を下げました。一方で、ダウ平均が390ドル超安から50ドル超安まで下げ幅を縮めたことで105.60円近辺まで反発しました。前日比では0.519円低い105.729円で取引を終えました。
≪2018年3月2日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」 売り18% 買い82%
ユーロ・円 :「ベア」 売り56% 買い44%
英ポンド・円 :「ブル」 売り30% 買い70%
豪ドル・円 :「ブル」 売り11% 買い89%
NZドル・円 :「ブル」 売り09% 買い91%
ユーロ・ドル :「ベア」 売り73% 買い27%
【今日の主な経済指標】
09:30 AUD 住宅建設許可件数 [前月比] 1月
10:45 CNY Caixinサービス部門購買担当者景気指数(PMI) 2月
16:00 TRL 消費者物価指数(CPI)[前月比] 2月
17:50 FRF サービス部門購買担当者景気指数(PMI、改定値) 2月
17:55 DEM サービス部門購買担当者景気指数(PMI、改定値) 2月
18:00 EUR サービス部門購買担当者景気指数(PMI、改定値) 2月
18:30 GBP サービス部門購買担当者景気指数(PMI) 2月
19:00 EUR 小売売上高[前月比] 1月
19:00 EUR 小売売上高[前年同月比] 1月
00:00 USD ISM非製造業景況指数(総合) 2月
- 今日のトレードポイント -
来週は日米欧で重要なイベントを多数控えているため神経質な展開となりそうです。週明けはイタリアの総選挙結果が波乱要因として挙げられ、8日からは出口戦略が注目される日銀の政策決定会合とECB理事会が行われます。また米国では7日にADP雇用統計、9日には2月雇用統計と、最重要指標が予定されています。各通貨でトレンドが発生しており、来週は年間の動向を占う上で非常に大きな一週間となるでしょう。テクニカル面では市場関係者は来週のドル円の焦点を105.00円に据えています。ここを割れば下落に歯止めが効かなくなり、円高が長期的なトレンドに突入しそうです。
[今日の予想レンジ]
ドル・円 105.00-106.50
ユーロ・円 129.50-131.00
ポンド・円 144.00-147.50