FXレポート

米住宅着工・許可件数減少!!株価次第の局面継続

ドル円は注目の米経済指標(住宅着工件数、建設許可件数)は軒並み予想を下回った。しかし、欧州の株式市場が軒並みプラス推移となった流れを受け、米株価は上昇前日比82.60ドル高の9217.94ドルで終了。 ダウが堅調に推移したことを受けて主要通貨に対しクロス円売りが強まった。ドル円は一時95.284円の高値をつけるも弱い米経済指標が重石となり結局0.158円高い95.706円で引けた。

ユーロは独ZEW景況感調査は56.1と事前予想(45.0)を大幅に上回り、ここ3年で最高を記録したことで欧米市場での株価上昇に伴い前日からのリスク回避の動きが一転した。また、ダーリング英財務相による「英経済は依然2009年末までに成長再開の見通し」とのコメントが好感されたこともあり、欧州通貨は総じて上昇し前日比でユーロは0.767円高い133.867円、ポンドは2.266円高い156.835円で取引を終えた。

さて、本日のドル円は米経済指標で最近の米住宅市場は改善傾向が続いていただけに市場では嫌気も出たが、一方で一戸建て住宅の改善が景気回復に向かっているとの見方が強く、小売企業決算が好感されてダウが上昇していることを鑑みれば、株安連鎖が一服したと考えることも出来るだろうか。リスク回避が低下すれば、少なくとも先週の急落前の水準である95円台半ばまで持ち直してもおかしくはないだろう。

豪ドルはRBA(豪準備銀)議事録で、労働市場に関し「労働市場の不振は年初に予測したほど弱いものではない」と記されていた。前回7月21日の議事録では「労働市場はしばらく弱い状態が続く」としていた。労働市場に対する評価は明らかに上方修正されていると取れる。しかし、一方で警戒しなければならないのは株価の動向だ。株安連鎖懸念が後退したとはいえ、年初から急騰してきた上海株が調整局面を迎えたことで、連動して上昇してきた豪ドルも圧縮する可能性も捨てきれず、株価底打ちの目処が立つまでは静観するのもいいだろう。



[本日の予想レンジ]
ドル ・円   94.50~95.80
ユーロ・円 133.20~135.20
ポンド・円 153.50~155.30


【本日の主な経済指標】

10:00(豪)  ウエストパック景気先行指数
17:00(欧)  経常収支
17:30(英)  英中銀金融政策委員会
18:00(欧)  建設支出
20:00(米)  MBA住宅ローン申請指数
20:00(加)  消費者物価指数

さて、マーケット参加者のポジションは......

 ≪2009年8月18日クローズ時点≫
 ドル・円     : ブル
 ユーロ・円   : ブル
 ユーロ・ドル :  ベア
 英ポンド・円 :  ブル
 豪ドル・円   : ブル
 NZドル・円   :  ブル

 ※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


 ドル・円は「ブル」
 ドル円はNYダウの上昇、予想を上回る小売企業の四半期決算が好感されて、前日の下落から
 ショートカバーが優勢の展開となり、参加者も強気の予想をしている。
 昨日発表された米住宅着工件数では3ヶ月ぶりの減少となり冷や水をさされた。回復の兆しを見せ
 ていただけに、本日20:00発表のMBA住宅ローン申請指数の結果も引き続き注視していきたい。

  
  ユーロ・円は「ブル」
 独ZEW景況感調査が56.1と事前予想(45.0)を大幅に上回り、ここ3年で最高を記録した事で買いが集まった。
 また、ブランシャールIMF(国際通貨基金)チーフエコノミストによる「世界経済の回復が始まった」
 とのコメントが等複合的に株価を押し上げる要因となった。
 

 ポンド・円は「ブル」
 7月消費者物価指数(前年比)が1.8%と事前予想(1.5%)を上回った事ことを背景にポンドが続伸。参加者も
 トレンドに乗って「ブル」を選択。しかし、本日17:30にBOE(英中銀)が議事録を公表する。前回の声明文には
 「景気後退は以前考えられていたよりも深刻とみられる」との記述がなされ、ポンド売りを誘った。
 こうした声明文の内容から、今回の議事録も弱気な内容になるのではとの見方が先行しておりポジションの
 調整は必要になりそうだ。


 

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