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ドル円は荒れた上下も再び155円台、FRBメンバー発言に注目

-前営業日サマリー-
 ドル円は154.79円でオープン。東京市場では、朝方から前日の円高・ドル安の流れが継続、スピード感を持って153.66円まで下落した後、154円台前半まで持ち直しました。この間、本邦の第1四半期GDPが発表、結果は予想より低調でマイナス成長となったことを受け、円売りで反応する場面がみられるも一時的でした。ロンドン市場では、米金利の上昇も支えに買戻し優勢、155円目前まで浮上しました。NY市場では、序盤に住宅着工件数ほか米指標発表が発表、全般予想下振れで弱めの内容ながらも、引き続き米金利が上昇したことでドル円は強含み155.53円まで高値を更新しました。その後は、ダウ平均が場中に史上初の4万ドル台を記録する中で、ドル円は上昇一服感が広がるも底堅さを保ち、155.39円で取引を終えました。

-ドル円は荒れた上下も再び155円台、FRBメンバー発言に注目-
 本日のイベントは、NZ第1四半期生産者物価指数(PPI)、中小売売上高、鉱工業生産、米景気先行指数、ウォラーFRB理事発言、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁発言が予定されています。
 米CPIを消化し、目先は米利下げ見通しについて、FRB要人のスタンスやトーンに変化があるかを見極めたい局面となります。前日伝わった複数メンバーの発言をみると「まだ時間がかかる」という点は共通しており、FRBの「方向性」は現状これまで通りといった印象です。そうした中、本日もFRBメンバーの発言が予定されており、注目材料となります。とりわけ、ウォラー理事については「タカ派」として市場に知られ、過去には同氏の発言をきっかけに他メンバーのスタンスが明確に変わったケースもみられました。そのため、その影響力を含め、仮に「ハト派」へ傾いた場合のインパクトには警戒したいですが、現行スタンスを維持するならFRBの「方向性」はより強固となり、ドルは一段力強さを増していくかもしれません。
 また他方、ECBは6月の利下げ開始に向けメンバーから前向きなコメントが多数、BOEも夏頃の議論開始が示唆されています。各国「利下げ」というビッグテーマにおいて比較すると、FRBも材料が着々と揃いつつある状況ではありますが、利下げまでの距離感をみれば、対主要通貨でも相対的なドル選好地合いが続く可能性もありそうです。ドル円はここ2営業日でおよそ3円下落からの2円上昇と値幅を伴い乱高下と、難しい局面ながら短期的なトレードチャンスを活かせるよう戦略を練っていきたいです。

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