FXレポート

ギリシャ格付け「ジャンク級」へ引き下げか!?欧州ソブリンリスクに警戒!

昨日のドル円は序盤、中国副首相王岐山の「中国はEUの市場安定化に向けた措置を支持する」との発言が一部報道で伝わると、ユーロが一時的に買われユーロドルの急激な上昇によりドル円は83.56円付近まで下落した。欧州勢の参入後も突発的な上下動はあったものの、ドル円への影響は限定的となり、83.60円から83.80円でのレンジ相場が概ね続く展開となった。NY時間には、再び対ユーロでのドル売りの蒸し返し、また良好なカナダ小売売上高等の影響を受けたドル売りからドル円が83.503円まで下落する場面がみられた。しかし、「格付会社フィッチがギリシャの長期発行体格付けを引き下げる方向で検討」との報道から再びユーロ売り・ドル買いとなるとドル円も83.902円まで上昇。終盤は利益確定の売りに押されつつも83.774円で取引を終えた。

ユーロは序盤、中国副首相によるEU債務問題を支援するとの発言を受けて、リスク回避志向が改善されユーロ全面高となる中、ユーロ円は110.38円付近まで上昇した。その後、ユーロ買いが一服し、利益確定の売りが出たことで110円台前半まで押し戻されたが、欧州勢参入後には、再びユーロ買いが強まり110.486円まで上昇した。しかし、米格付会社ムーディーズがポルトガルの格付けを引き下げる方向で見直すと明らかにするとユーロ円は109円台に下落。米国時間には格付会社フィッチがギリシャの長期発行体格付けを「ジャンク級」への引き下げることが検討されているとの報道から再びユーロ売りが強まり、ユーロ円は109.613まで下落し109.709円で取引を終えた。


                                       本日の展開

本日の展開だが欧州の格下げ懸念を背景に安全資産の米国債が買われやすい地合いとなっており、米長期金利の上昇を材料としたドル買いはひとまず一服と考えることも出来よう。対円は83円台半ばで底堅い動きをみせるものの、クリスマスや年末を前に投資家が買いを手控える一方、本邦輸出企業は84円台で売りオーダーを並べているとみられ上値は限定的となる可能性もある。84円台を突破していくだけの買い材料は今夜の米第3四半期GDPや中古住宅販売件数の結果待ちといったところか。また、テクニカル面でも5日移動平均線の83.90円付近、25日移動平均線83.60円付近に上下を挟まれテクニカル的にも閉塞感の強い状況下で動意も生まれ難い局面とみる。ただ、薄商いのなかで要人発言から市場が大きく反応することも考えられ、突発的な値動きには注意しておきたい。

ユーロは中国による欧州の債務問題に対する支援が表明されたことを好感しているものの、ムーディーズはポルトガルの格付けを引き下げると発表している上、フィッチもギリシャのソブリン格付けを「ジャンク級」まで引き下げを検討していると発表するなど相次ぐ格下げ懸念で欧州を巡る不透明感は強いだろう。更に債務問題はフランスやベルギーにまで飛び火し、同国が格下げされるとの観測まで台頭している状況となっている。対スイスフランでユーロはユーロ発足以来の最安値となったように、ユーロ売りの強いバイアスは依然として継続しているようだ。テクニカル的に見ても対円は5日、25日の移動平均はいずれも下落トレンドと確認することができ、短期的には11月安値である108.342円を試す展開も視野に入れておいたほうがよさそうだ。


[今日の予想レンジ]
ドル ・円   83.10-84.30
ユーロ・円 108.40-111.50
ポンド・円 128.50-131.70

【今日の主な経済指標】
    
14:00 JPY 金融経済月報(基本的見解)
16:00 DEM 輸入物価指数
18:30 GBP 英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨    
18:30 GBP 四半期国内総生産(GDP、確定値)
18:30 GBP 四半期経常収支
21:00 USD MBA住宅ローン申請指数
22:30 USD 四半期実質国内総生産(GDP、確定値)
00:00 USD 中古住宅販売件数
00:00 USD 住宅価格指数

≪2010年12月21日クローズ時点≫
 ドル・円   :「ブル」
 ユーロ・円  :「ブル」
 ユーロ・ドル :「ブル」
 英ポンド・円 :「ブル」
 豪ドル・円  :「ブル」
 NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。

ドル円は「ブル」
ドル円は、日通し上下40銭と方向感に乏しい動きとなる中、参加者は買いスタンスを
継続し「ブル」優勢。本日は、重要な米経済指標が複数控えているものの、クリスマ
ス休暇で市場参加者が乏しく流動性が低下していることから上下に対して積極的に追
う展開にはなりにくいか。短期的な上値目標としては12月16日直近高値84.505円から
12月21日直近安値83.503円までの下落に対する76.4%戻しとなる84.26円とし、下値
メドは日足一目均衡表の雲上限83.10円付近としたい。

ポンド円は「ブル」
英11月の財政収支が228億ポンドの赤字と過去最悪を記録した上、ユーロが相次ぐソ
ブリン格下げ示唆を受けて下落したことにつられて、129円前半まで下落すると買い
が優勢となり「ブル」。しかし、ユーロ圏の信用不安を敬遠してドルや円を買う動き
が強まっており、ポンドも軟調となろうか。また、18:30に発表される英中銀議事録
ではセンタンス委員が25BPの利上げを主張し、ポーゼン委員が資産買入れ規模拡大を
主張したと見られるものの、仮にハト派のポーゼン委員に同調する委員が現れれば下
値が拡大しそうだ。

豪ドル円は「ブル」
朝方発表されたRBA議事録では予想よりハト派的な内容となったものの、ユーロ圏の
ソブリンリスクを敬遠して投資マネーが豪ドルに流入したことから、「ブル」が継続
している。RBA議事録では「雇用の伸びは依然として強く、賃金の上昇も加速するだ
ろう」とも指摘しており、将来の利上げ期待が完全に消えたわけではないとみる。ま
た、世界的な株価堅調を受けたリスク選好姿勢を背景に対ドル・対円共にバイアスは
強気となろうか。

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