FXレポート

ギリシャ問題再燃でリスク回避の流れに。欧州首脳会議の動向が焦点!

金曜日の東京市場は新規取引材料に欠ける中、米連邦準備制度理事会(FRB)による公定歩合引き上げの思惑がドルを下支えする展開となり90円台半ばで底堅く推移した。ユーロ円もドル円に連れる形で一時123.345円まで上昇し、123.20付近の推移が続いた。ロンドン市場の時間帯も序盤は材料難から方向感に乏しい展開となり、ドル円は90.50円付近で狭いレンジでの推移に終始した。一方、ユーロ円はギリシャ債務問題に対する懸念の再燃から売り圧力が強まり123円台を割り込み、122円台後半まで下落した。

ニューヨーク市場の時間帯に発表されたカナダ2月消費者物価指数と1月小売売上高はいずれも強い数値となったことからカナダ円が大幅に上昇。ドル円も対カナダドルでの円売りに連れる展開となり、一時90.712円まで上昇した。しかしユーロ円は依然としてギリシャ問題によるユーロ売り圧力が強い状況が続いたことから上値は重く123円台には届かず、その後もずるずると値を下げる展開となり、ユーロ円は122.572円で取引を終えた。ドル円も週末を控え積極的な売買が見送られる状況から方向感の定まらない展開となり、90.518円で取引を終えた。


今週の展開


ギリシャ債務問題に対する懸念の再燃から安全資産としてドルへの逃避が強まっており、米連邦準備制度理事会(FRB)による公定歩合引き上げへの期待感からドル円は底堅い動きとなっている。また、足元の労働環境や景気先行きに回復の兆しが見られており、相対的にドル買いとなりやすい状況と考えられる。そして、米国景況感を占う住宅関連指標としては23日に2月米中古住宅販売と1月米住宅価格指数、24日に2月米新築1戸建て住宅販売が控えている。住宅市況の改善状況が確かめられれば、91円台を試す展開となろうか。その他、24日に2月米耐久財受注、米住宅ローン・借換え申請指数、25日に米新規失業保険申請件数、そして26日の米第4四半期GDP確報値などが焦点となろう。今週も引き続き90円台を維持しつつ、一段の買い材料を模索する展開が続く可能性が高そうだ。

一方ユーロはギリシャ債務問題をめぐる懸念が根強く残っており、強い売り圧力となっていることから再び122円台まで値を下げている。今週もギリシャ問題の先行きがユーロ相場の動向を左右するものと考えられる。今週25日に行なわれる予定の欧州首脳会議ではギリシャ支援が焦点となっており、その動向も注目されそうだ。いずれにしろ、ギリシャに対する明確な支援策が合意に達する状況が見て取れない限り、ユーロ売り圧力は収まらないと考えられる。先週の安値121.455円がサポートラインとなろうが、このラインを割り込んでくると、再び120円割れの可能性も捨てきれず、十分な注意が必要となろう。



[今週の予想レンジ]
ドル ・円  88.20-91.50
ユーロ・円 120.20-125.20
ポンド・円 133.90-139.60


【今週の主な経済指標】

3/23
04:45(米) ロックハート米アトランタ地区連銀総裁講演                   
08:00(米) ロックハート米アトランタ地区連銀総裁講演                   
08:50(日) 日銀金融政策決定会合議事要旨                   
16:45(仏) 3月総合業況指数
18:30(英) 2月消費者物価指数
20:45(米) 週間チェーンストア売上高
21:30(加) 2月景気先行指数
21:55(米) 週間レッドブック大規模小売店売上高
23:00(米) 2月中古住宅販売件数

3/24
00:00(米) ガイトナー米財務長官議会証言                   
04:35(米) イエレン米サンフランシスコ地区連銀総裁講演                   
06:45(NZ) 第4四半期経常収支
08:50(日) 2月貿易統計
18:00(独) 3月IFO業況指数
18:30(南ア) 2月消費者物価指数
19:00(欧) 1月製造業受注
20:00(米) 週間住宅ローン借換申請指数
21:30(米) 2月耐久財受注
23:00(米) 2月新築住宅販売件数

3/25
06:45(NZ) 第4四半期GDP
16:00(独) 4月GFK消費者信頼感指数
16:45(仏) 2月消費支出
18:00(欧) 2月マネーサプライ
18:30(南ア) 2月生産者物価指数
18:30(英) 2月小売売上高
21:30(米) 週間新規失業保険申請件数
22:00(南ア) 3月レポレート(政策金利)

3/26
06:45(NZ) 2月貿易収支
08:30(日) 2月全国消費者物価コア指数
08:30(日) 3月東京都消費者物価コア指数
21:30(米) 第4四半期GDP(確報値)
21:30(米) 第4四半期個人消費支出価格指数(確報値)
21:30(米) 第4四半期個人消費支出価格コア指数(確報値)
22:55(米) 3月ミシガン大消費者信頼感指数(確報値)



≪2010年3月19日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。

ドル円は「ブル」
ギリシャ問題の再燃により、安全資産としてのドル買いの動きからドル円は90円台を維持している。米連邦準備制度理事会(FRB)
による公定歩合引き上げとの憶測もドル円の下支え要因となっており、参加者にもドル買い安心感が漂っているよう模様。
今週も住宅関連指標や米新規失業保険申請件数等の経済指標を無難にこなすことが出来れば、上値を追う展開に期待できそうだ。

ユーロ円は「ブル」
ギリシャの支援策については不透明感が拭えず、ユーロ売り圧力は強くなっている。参加者は値ごろ感から引き続き「ブル」を
選択しているものの、上値の重たさは意識せざるを得ない状況か。25日に予定されている欧州首脳会議の動向が注目されるが、
様々な憶測からやや値の荒い展開も予想されるため、参加者は慎重な判断が求められそうだ。

ポンド円は「ブル」
ドル円やユーロ円とは対照的に英財政状況の改善からポンド買いが進んでいたが、センタンス英中銀金融政策委員会(MPC)委員が
「英国経済は二番底に陥るおそれがある」との見方を示したことが悪材料となり反落している。しかし、参加者は135円台を維持し
ていることを評価している模様で、「ブル」の姿勢を崩していない。今週も135円台を維持できれば再び上値を伺う展開となろうか。

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