FXレポート

日銀の展望レポートには要警戒

-前日サマリー-
 週明けの東京市場ではドル売りから始まり107.89円から107.65円まで下落しましたが、買い戻しの動きが活発となり107.85円まで上昇しました。欧州時間前半でも再度107円半ばまで下落しますが、23日安値107.48円がサポートラインとして意識され反発しました。後半では米長期金利の上昇を背景にドル買いが進み、23日高値108.14円を上抜けて108.16円まで上昇しました。NY市場に入ると米長期金利が上げ幅を縮めたのを受けて上値は重くなり107.89円まで戻りますが、ロンドンフィキシングに向けた円売り・ドル買いの流れが観測されたことで108.19円まで上昇しました。その後は本日・明日に控える日米金融政策イベント前に方向感に欠け、108.13円付近でのもみ合いとなり108.08円で取引を終えました。

-日銀の展望レポートには要警戒-
 本日のイベントは日銀金融政策決定会合、黒田日銀総裁会見と米消費者信頼感指数となります。前回の日銀会合では長期金利変動許容幅を拡大し、上場投資信託(ETF)買い入れを柔軟に行う姿勢を明確にしたなどの内容でした。今回の会合ではこの政策修正の効果や影響を見極めて様子見姿勢に終わる可能性が高いことから、金融政策の現状維持が予想され無風通過と思いきや、同時に公表される経済・物価情勢の展望(展望レポート)の内容には警戒が必要となります。黒田日銀総裁の任期後である2023年度が新たに加わり、同年の物価上昇率見通しは目標の2%に程遠い前年度比0%台後半から1%台半ば程度に留まりそうです。そうなれば金融緩和の長期化は不可避となり、結果次第ではマイナス金利の深掘りも脳裏に過ることになりかねず一時的に円売りでマーケットが反応するシナリオも想定されますので、公表後の黒田日銀総裁会見と並べて注意しつつ取引に臨みたいです。

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