シンガポールドル/円(SGDJPY)のチャート、相場の状況と今後の見通し

 

シンガポールドル/円のリアルタイム為替レート

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シンガポールドル/円の基礎知識

シンガポールの概要

東南アジア・マレー半島南部に位置する、シンガポール共和国。本島と複数の島々からなり、世界屈指のリゾート観光地して知られています。国を象徴する「マーライオン」はあまりに有名なほか、新たな定番スポット「マリーナベイ・サンズ」はIR(統合型リゾート)として整備され、それらが織りなす異世界を思わせる都市景観は圧巻です。国全体が1つの都市(首都)を構成する都市国家であり、国土面積は東京23区をやや上回る程度の規模で、人口密度は世界第2位を誇ります。
古くから東西の貿易及び中継拠点として栄え、1960年代後半から急速に工業化を果たすと、製造業や通信産業、金融・サービス分野など様々な産業発展から、アジアの近代国家と称されるまでの経済成長を実現しました。現在も最先端のインフラ整備や税制優遇による外資誘致などを背景に、あらゆる産業のハブ拠点となっています。さらに、世界の金融立国・金融センターとして確固たる地位を確立するなど、今後もそのグローバルな存在感は高まっていくでしょう。シンガポールは積極的な外資政策で、多くの海外企業や外国人労働者の進出・受け入れてきた歴史から、多様な民族による人口構成が特色です。しかし近年は限られた国土における急激な人口増加を受け、就労ビザや永住権取得のハードルを引き上げなど移民政策の転換を図り、政府は保守的なスタンスへ移行しつつあります。
政治体制は議会制民主主義を採用する一方、与党「人民行動党」が建国以来の一党支配を続けています。一般的にはネガティブなイメージを持たれがちですが、前述の通り、国としては上手く機能し、目立った問題も生じてはいないため、政治的リスクに対してはポジティブに解釈しておきたいです。また、直近はおよそ20年ぶりの首相交代がホットな話題です。2024年11月の党創立記念日までに次期首相が就任予定で、後任に指名されているローレンス・ウォン氏は現在、副首相兼財務相のほか、中央銀行にあたる「シンガポール通貨金融庁(MAS)」の議長も務めています。歴史的な指導者の世代交代と、今後の政権運営の行方に注目が集まります。

シンガポールドル/円(SGDJPY)のチャート、相場の状況と今後の見通し

シンガポールドル (SGD)の特徴

シンガポールでは、アメリカや日本などにおける変動相場制とは異なり、世界的にもユニークな「通貨バスケット制(管理変動相場制)」を採用しています。一般的には固定相場制に分類され、シンガポールドル(SGD)相場と複数国通貨の為替レートを連動させることで、自国の通貨及び経済の安定を図ります。代表的なペッグ制では米ドル(=ドルペッグ)など、ある特定通貨を対象にするのに対し、いくつかの通貨をカゴに入れて”ひとまとまり”の通貨とするイメージから、通貨バスケット制またはバスケットペッグ制などと呼ばれています。
具体的には、名目為替実効レートの管理によって、主要な貿易相手国や地域の通貨を貿易実績などに応じて加重平均することで目標レートを決定し、変動幅が一定の変動幅(「政策バンド」)に収まるように運営されています。仮に政策バンドを超えるような変動があった場合は、市場介入して相場の誘導を図ります。ただ、通貨バスケットの構成通貨や比率、政策バンドの内容に関しては、相場の安定化や投機的取引の制限などを背景に公表されていません。
以上のように、シンガポールドル相場は一定の管理下に置かれており、対主要通貨での過度な変動は抑えられる傾向にあります。また、アジア・新興国では国内の財政・政治不安などの問題を抱えている国も多くみられます。対してシンガポールは、確かな経済基盤と機動的な運営によって財政は安定しており、「国債格付け」はアジアで唯一、大手3社が最上級のプライム評価と非常に良好です。政治面でも、一党支配による長期政権下で現状リスク要因は限定的であることから、これらの安定感は投資対象として大きな魅力といえるでしょう。

国債格付け

国債格付け
出所:ブルームバーグ

MASの金融政策運営

シンガポールでは、中央銀行にあたる「シンガポール通貨金融庁(MAS:Monetary Authority of Singapore、以下MAS)」が、広範囲にわたる通貨・金融政策を担っています。先述の通貨バスケットや政策バンドの内容を含め、金融政策運営についても掘り下げてみましょう。
基本的に中央銀行の金融政策の枠組みにおいては、政策金利=「金利の調節」がメインとなり、その政策を受けて為替相場が変動し得ますが、対してシンガポールに政策金利はありません。国内経済がその構造や規模などを背景に、為替変動による影響を受けやすいために、MASは金利よりも効果的な手段として、為替相場の誘導・調整をメインに金融政策のアプローチを行っています。シンガポールドル・名目為替実効レートの誘導目標にあたる「政策バンド」においては、「傾き(上昇ペース)・中央値・レンジ幅」の3つのポイントが設定されています。
政策決定においては、他国の中銀同様にインフレ率を重要視しています。消費者物価指数(CPI)の上昇ペースが加速する局面では、誘導レンジの傾きをきつく設定し、中央値水準を上方向にシフトすることで〈シンガポールドル高誘導=金融引き締め〉へ、一方で上昇ペースが鈍化する局面では、傾きを緩やかに設定し、中央値を下方向にシフトすることで〈シンガポールドル安誘導=金融緩和〉といったロジックで相場をコントロールしています。この金融政策は通常、四半期に1度見直し・調整が行われ、毎年1月、4月、7月、10月の政策決定会合にて公表されます(※2023年10月声明にて、金融政策発表日程を従来の年2回から年4回へ制度変更を発表)。シンガポールドル/円の取引に際しては、第一の注目イベントとしてチェックしてみましょう。
また、直近はMASのトップ、長官人事において動きがみられています。現メノン長官は2011年から過去最長の在任期間で指揮を執り、2023年5月に再任されていましたが、突如として同年末での退任が発表されました。後任にはチア元副長官が指名されており、2023年11月から長官代行を務め、2024年から正式に就任予定です。任期を延長・残したこのタイミングでの交代劇の理由は不明ですが、今後の新長官のスタンスや舵取りの行方、MASの政策運営から目が離せません。

政策バンド

政策バンド
 

シンガポールドル/円の相場状況と今後の見通し

シンガポールドル/円の相場状況

近年のシンガポールドル/円は、しばらく80円ラインを挟んでのレンジ推移を続けるも、2020年初めに「コロナショック」が発生すると、一時73円前半まで下落しました。世界的な景気後退により、シンガポール経済は実に19年ぶりのマイナス成長に陥るなど打撃を受けるも、同年3月、金融政策を運営するMASは、シンガポールドルの誘導目標を金融緩和方向に調整することで景気下支えを実施します。政府も大規模な財政出動などの対策を講じる中で、比較的スピーディーに建て直しを進め、2021年からは世界的な景気回復の流れも追い風に下値を切り上げていきました。
そして2021年10月、経済正常化に伴うインフレ率の上昇を背景に、MASは金融引き締めへの政策転換を発表、シンガポールドル高地合いを強めました。加えて、2022年にはロシア・ウクライナ情勢の緊迫化を受け、エネルギー価格高騰など物価高圧力がさらに高まる中で、MASは2022年1月に臨時会合にて一段の引き締めを図ります。その後は臨時見直しを含め5会合連続で引き締めを発表、直近2会合も政策を据え置き、引き締めスタンスを維持しています。この間、2022年3月からは相対的な円安進行も支えに上値追いが加速、シンガポールドル/円は節目100円を突破すると、2023年後半には一時112円まで高値を更新しました。

みんなのFX(TradingView) シンガポールドル/円相場の推移

みんなのFX(TradingView) シンガポールドル/円相場の推移

シンガポールドル/円の今後の見通し

2023年後半からは、インフレ率及びMASの政策運営が見通しのカギになりそうです。
MASは2023年10月の会合にて、中期的な物価安定や世界経済見通しの不確実性を背景に、現行の引き締め政策の据え置きを発表しました。MASのインフレ見通しをみると、総合インフレ率は+4.5~5.5%、コア・インフレ率+2.5~3.0%となっています。対して、シンガポールの消費者物価指数(CPI)は、現時点では中銀の想定水準の前後まで順調に鈍化しており、今後はインフレ低下から遠くない時期でのMASの政策転換がメインシナリオとみておきたいです。さらに長期相場で見れば、シンガポールドル/円は、コロナショックから30円幅で急上昇し、記録的な高値圏に位置しており、金融政策維持でも一段の上値追いはスムーズにはいかないかもしれません。加えて、市場では日銀の政策正常化を指摘する声も聞かれており、仮に日銀の政策修正に動けばシンガポールドル安・円高に傾き、ここまでの巻き戻しも含め値動きが大きくなるでしょう。そのため、MASの政策運営に注目しつつ、状況に応じて下落を狙った売りからの取引にも妙味がありそうです。
一方、足元では原油価格の高騰や中東での地政学リスクの発生も見られ、声明や長官発言ではインフレの上振れリスクに言及しています。不透明感のある外的要因によって再び物価が上昇する局面では、シンガポールドルが上振れる可能性も想定しておきたいです。

シンガポール消費者物価指数(CPI)

シンガポール消費者物価指数(CPI)
出所:ブルームバーグ
 

経済指標カレンダー(2024年05月)

シンガポールの経済指標カレンダーです。今後の予定を抑えておきましょう。

 

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近年目覚ましい経済発展を遂げるシンガポール。今後も世界有数の金融立国として、さらには多岐に渡る産業のハブ拠点としても、そのグローバルな存在感から目が離せません。自国通貨のシンガポールは、独自の金融・通貨政策により他の通貨にはない特徴を有しており、シンガポールドル/円相場は高値圏で推移しています。
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トレイダーズ証券市場部為替ディーラー

日々、海外のニュースやチャートをチェックし、インターバンク市場にて外国為替の取引をしている、トレイダーズ証券 市場部所属の為替ディーラーが、この記事を執筆しました。
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