ISM非製造業雇用指数・植田日銀総裁発言に注目
-前営業日サマリー-
ドル円は147.04円でオープン。東京市場では、内田日銀副総裁の発言が伝わると一時146.88円付近まで急落するも、直ぐに147.39円まで切り返した後は、147円手前まで上値を切り下げました。ロンドン市場では、146.62円付近までドル売りが進んだ後は、米長期金利上昇に連れて147.20円付近まで買い戻されました。NY市場では、147.51円付近まで上値を伸ばしましたが、少し戻して147.27円で取引を終えました。
-ISM非製造業雇用指数・植田日銀総裁発言に注目 -
本日のイベントは、植田日銀総裁発言、欧ラガルドECB総裁発言、ウィリアムズNY連銀総裁発言、英ベイリーBOE総裁発言、米ISM非製造業景況指数、米ジェファーソンFRB副議長発言などが予定されています。米雇用統計は米政府閉鎖の影響で本日は発表されない可能性が高いです。
米国では、8月のISM非製造業景況指数が52.0と、7月の50.1から改善し半年ぶりの高水準となりました。ただし、同時に発表された雇用指数は46.5と、3カ月連続で景気判断の分岐点である50を割り込む結果となりました。今回もISM非製造業雇用指数は46.6と引き続き雇用の弱さを示すと想定されるだけに、もし50を超えるサプライズがあるとドル買いの動意が生じる可能性にも留意はしておきたいです。
日本では日銀の金融政策運営を巡る発言を引き続き確認しておきたいです。9月会合では高田・田村両委員が利上げを提案し、ハト派と目されていた野口委員もタカ派寄りの発言を行ったこともあり、市場では10月会合での利上げ予想が足元で6割程度織り込まれています。植田総裁の発言が今回も従来と同じメッセージと受け止められた場合には利上げ期待がやや後退し、円買いポジションの巻き戻しを通じて円の上値を抑える要因となる可能性がある一方で、タカ派的なニュアンスが強まれば、円高方向に反応しやすい局面となるかもしれません。
本日は米FOMCメンバーの発言も複数予定されており、植田日銀総裁発言と共に、金融政策に関する発言内容を確認しつつ、ドル円相場の変動リスクに備えたいです。