FXレポート

リスク選好は小休止か?

昨日の為替相場は序盤、新規の手がかりが乏しい状況の中で方向感の定まらない値動きとなった。しかし、徐々に前日からのドル先安観を背景にドル売りが強まり、ドル円は一時87.999円まで下落した。ユーロ円も対ドルでの円買いに連れる形となり、加えて、ユーロ圏域内総生産(GDP)確定値が予想を下回ったことも重しとなり、129.563円まで下落した。

しかしNY時間になると、急速なドル安への警戒感が浮上。前日のドル売りに対する巻き戻しが優勢となり、ドルが急速に買戻される展開となった。ドル円は88円を下攻めした後89.389円まで上昇。ユーロ円も対ドルでの円売りに連れる形で131.152円と7日高値を更新した。値動きの激しい相場動向となったものの、その後は米国の低金利政策の長期化観測や、ドルの基軸通貨としての地位低下懸念から上昇は続かず、ドル円は88.623円、ユーロ円は130.184円で取引を終えた。



さて、本日の為替相場であるが、先日の豪州の利上げ決定を受けた楽観的な見方も続かず、安全資産としてのドル買いが強まった。ドル円は一時89円台を回復しており、本日は89円台で定着できるかがポイントとなろう。また、イベントとしては、新規失業保険申請件数及び卸売在庫の発表が控えており、特に雇用情勢の動向は注視したい。

一方、景気先行き不透明感が強まりつつある欧州であるが、イングランド銀行(BOE)及び欧州中央銀行(ECB)の政策金利が発表される。据え置かれるとの見方が強いものの、予想外の豪州利上げ決定を受けた後の決定となるので、今後の金利政策等に対する要人発言にも注目したい。

また、注目が集まる豪州であるが、昨日はドルの買い戻しの流れから上値の重い展開を強いられてしまった。しかし、依然として豪ドル買いの機会を伺いつつある状況と考えられる。本日は新規雇用者数及び失業率の発表が予定されており、足元の雇用情勢に特に不安がなければ来月以降の利上げの可能性を見据えた相場動向となる可能性が高そうだ。


 [本日の予想レンジ]

 ドル ・円  87.10-90.00
 ユーロ・円 127.00-133.80
 ポンド・円 139.00-143.00


【本日の主な経済指標】
 08:50(日) 国際収支・経常収支
 08:50(日) 国際収支・貿易収支
 08:50(日) 対外対内証券売買契約等の状況(対内株式)
 08:50(日) 対外対内証券売買契約等の状況(対外中長期債)
 09:30(豪) 新規雇用者数
 09:30(豪) 失業率
 14:00(日) 景気ウオッチャー調査-現状判断DI
 15:45(仏) 貿易収支
 20:00(英) イングランド銀行(BOE、英中央銀行)金利発表
 20:45(欧) 欧州中央銀行(ECB)政策金利
 21:15(加) 住宅着工件数
 21:30(米) 新規失業保険申請件数
23:00(米) 卸売在庫[前月比]

さて、マーケット参加者のポジションは......

 ≪2009年10月7日クローズ時点≫
 ドル・円    : 「ブル」
 ユーロ・円  : 「ブル」
 ユーロ・ドル :  「ベア」
 英ポンド・円 :  「ブル」
 豪ドル・円  : 「ブル」
 NZドル・円  :  「ブル」

 ※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


 ドル円は「ブル」
 昨日は一時89円台まで戻したものの、再び88円台まで押し戻されている。参加は引き続き値ごろ
 感のあるドル買いを選択しており「ブル」。
 しかし、依然としてドル先安観を背景としたドル売りのリスクは高いことは念頭に入れておきたい。

 ユーロ円は「ブル」
 ユーロ圏四半期域内総生産(GDP、確定値)が下ぶれたことからユーロ圏の景気先行き不透明感が強まって
 おり、参加者は値ごろ感から「ブル」を選択している。本日は欧州中央銀行(ECB)の政策金利の発表
 が控えており、今後の金利政策の動向を睨んだ展開となろうか。

 ポンド円は「ブル」
 一時139円台まで下落し、その後141円まで戻しているポンド円であるが、短期押し目買いのスタンスから
 「ブル」が選択されている模様。英先行き不透明感が強まる中、ボラティリティも高まっており、慎重
 な判断が求められそうだ。また、本日のイングランド銀行(BOE)の政策金利発表にともなう相場動向
 にも要注意か。

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