財務相に藤井氏!再び円高トレンドとなるか?
ドル円は序盤、与謝野財務相が「急激な為替変動は好ましくない」との円高けん制発言をしたことが材料視されドル円は上昇。その後、米8月生産者物価指数、8月小売売上高、9月NY連銀製造業景況指数などが予想より強い結果となり、さらにドル買いが進んだが、米景気楽観度指数や米企業在庫がまちまちの結果だったことを受け、上昇は限定的となり91.089円で取引を終えた。
ポンド円は昨日朝方に発表された英RICS住宅価格指数が前月比+10.7%と予想同0.0%を大幅に上回ったことを受け、英住宅市場の回復期待感が強まり、一時151.756円まで上昇した。しかし、その後キングBOE総裁が「BOEは準備預金に対しての金利の引き下げを検討している」と発言。これによりポンドは急落。クロス円では唯一値を下げ終値は150.212円。
一方、ユーロ円は独9月ZEW景況感調査は57.7と事前予想の60.0は下回ったものの、06年4月(62.7)以来の高水準を記録したことやポンドの下落がユーロポンドを押し上げ、これを足がかりとしてユーロ円も上昇。終日堅調に推移し133.520円で引けた。
さて本日のドル円だが、米株式市場が比較的底堅く推移していることや、バーナンキFRB議長による「米国のリセッション(景気後退)は恐らく終わった」「我々は成長の過程にあり、第3四半期のGDPは期待出来る」とのコメントを好感しドルが買い戻される可能性も十分考えられるだろう。しかし、民主党の鳩山代表が新政権の財務相に藤井・民主党最高顧問を起用する方針を決めたと報じられており、一般的には円高容認論・介入不要論を唱える藤井氏が財務相に就任すれば、円売り介入を行う可能性も低いと見られていることから、リスク選好局面でも円売り圧力は限られ、ドル円は上値の重い展開も予想される。
欧州通貨ではポンド円の下値模索の状態が続いている。節目の150円を下回り、149.421円まで下落してきた。キング英中銀総裁の議会証言での準備預金引き下げ発言を受けて、ポンドは売りが強まっていることでポンド円の下押し圧力は強い。短期の下げトレンドが強まった格好であり、目先は9月2日の安値149.050円までは下値を拡大しておきたいところだ。
豪ドル円は豪準備銀行議事録公表で「当面は政策金利を変更せずバランスをとることが最善であるが、金利はやがて引き上げる必要があるだろう」と利上げを示唆する発言があり、米金利低下に伴い高金利通貨は比較的買われやすい展開が続き、上値を追う様相となっている。ただし、ドル円が90円を割り込んだ場合、連鎖的な下落となる可能性も否定できないため、引き続き下落リスクを意識しながら臨みたい。
[本日の予想レンジ]
ドル ・円 90.20-91.50
ユーロ・円 132.60-134.20
ポンド・円 148.80-151.00
【本日の主な経済指標】
10:00 AUD ウエストパック景気先行指数
13:00 JPY 日銀・金融政策決定会合
16:15 CHF 実質小売売上高
17:30 GBP 失業率
18:00 EUR 消費者物価指数
20:00 USD MBA住宅ローン申請指数
21:30 USD 消費者物価指数
21:30 USD 四半期経常収支
22:15 USD 鉱工業生産
さて、マーケット参加者のポジションは......
≪2009年9月15日クローズ時点≫
ドル・円 : 「ブル」
ユーロ・円 : 「ブル」
ユーロ・ドル : 「ベア」
英ポンド・円 : 「ブル」
豪ドル・円 : 「ブル」
NZドル・円 : 「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル・円は「ブル」
参加者は現在の円高をファンダメンタルズではなく「投機的な動き」と捕らえているようで
90円台ではやはり圧倒的に買いが集まっている。しかし、最近の傾向では好調な米経済指標
で株価上昇し、市場のリスク許容度が上がると、むしろドル売りという光景がしばしば見ら
れ、リスク許容度の上昇=ドル売りという方程式が重石となるかもしれない。
ユーロ・円は「ブル」
ユーロ円は堅調。一時133円後半では利益確定の売りも目立ち拮抗したが、わずかに「ブル」。
今後の展開ではドルの借り入れコストが過去最低水準に落ち込む中、ドル資金をユーロに投
資する動きが強まっているため、 欧州通貨は買われやすい地合いとなっている。ただ、株
価や原油の動向に影響されやすい状況が続いているのも確かでバイアスは傾けすぎず柔軟に対応したい。
ポンド・円は「ブル」
英RICS住宅価格指数が前月比を大幅に上回ったことを受け、英住宅市場の回復期待感が強ま
り参加者はポンド買い優勢となった。しかし、キングBOE総裁の「利下げ」発言をきっかけに、
ブラウン英首相からも英経済・財政に関するネガティブな発言を受けたためポンドのロングポ
ジションには細心の注意を払う必要がありそうだ。
ポンド円は昨日朝方に発表された英RICS住宅価格指数が前月比+10.7%と予想同0.0%を大幅に上回ったことを受け、英住宅市場の回復期待感が強まり、一時151.756円まで上昇した。しかし、その後キングBOE総裁が「BOEは準備預金に対しての金利の引き下げを検討している」と発言。これによりポンドは急落。クロス円では唯一値を下げ終値は150.212円。
一方、ユーロ円は独9月ZEW景況感調査は57.7と事前予想の60.0は下回ったものの、06年4月(62.7)以来の高水準を記録したことやポンドの下落がユーロポンドを押し上げ、これを足がかりとしてユーロ円も上昇。終日堅調に推移し133.520円で引けた。
さて本日のドル円だが、米株式市場が比較的底堅く推移していることや、バーナンキFRB議長による「米国のリセッション(景気後退)は恐らく終わった」「我々は成長の過程にあり、第3四半期のGDPは期待出来る」とのコメントを好感しドルが買い戻される可能性も十分考えられるだろう。しかし、民主党の鳩山代表が新政権の財務相に藤井・民主党最高顧問を起用する方針を決めたと報じられており、一般的には円高容認論・介入不要論を唱える藤井氏が財務相に就任すれば、円売り介入を行う可能性も低いと見られていることから、リスク選好局面でも円売り圧力は限られ、ドル円は上値の重い展開も予想される。
欧州通貨ではポンド円の下値模索の状態が続いている。節目の150円を下回り、149.421円まで下落してきた。キング英中銀総裁の議会証言での準備預金引き下げ発言を受けて、ポンドは売りが強まっていることでポンド円の下押し圧力は強い。短期の下げトレンドが強まった格好であり、目先は9月2日の安値149.050円までは下値を拡大しておきたいところだ。
豪ドル円は豪準備銀行議事録公表で「当面は政策金利を変更せずバランスをとることが最善であるが、金利はやがて引き上げる必要があるだろう」と利上げを示唆する発言があり、米金利低下に伴い高金利通貨は比較的買われやすい展開が続き、上値を追う様相となっている。ただし、ドル円が90円を割り込んだ場合、連鎖的な下落となる可能性も否定できないため、引き続き下落リスクを意識しながら臨みたい。
[本日の予想レンジ]
ドル ・円 90.20-91.50
ユーロ・円 132.60-134.20
ポンド・円 148.80-151.00
【本日の主な経済指標】
10:00 AUD ウエストパック景気先行指数
13:00 JPY 日銀・金融政策決定会合
16:15 CHF 実質小売売上高
17:30 GBP 失業率
18:00 EUR 消費者物価指数
20:00 USD MBA住宅ローン申請指数
21:30 USD 消費者物価指数
21:30 USD 四半期経常収支
22:15 USD 鉱工業生産
さて、マーケット参加者のポジションは......
≪2009年9月15日クローズ時点≫
ドル・円 : 「ブル」
ユーロ・円 : 「ブル」
ユーロ・ドル : 「ベア」
英ポンド・円 : 「ブル」
豪ドル・円 : 「ブル」
NZドル・円 : 「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル・円は「ブル」
参加者は現在の円高をファンダメンタルズではなく「投機的な動き」と捕らえているようで
90円台ではやはり圧倒的に買いが集まっている。しかし、最近の傾向では好調な米経済指標
で株価上昇し、市場のリスク許容度が上がると、むしろドル売りという光景がしばしば見ら
れ、リスク許容度の上昇=ドル売りという方程式が重石となるかもしれない。
ユーロ・円は「ブル」
ユーロ円は堅調。一時133円後半では利益確定の売りも目立ち拮抗したが、わずかに「ブル」。
今後の展開ではドルの借り入れコストが過去最低水準に落ち込む中、ドル資金をユーロに投
資する動きが強まっているため、 欧州通貨は買われやすい地合いとなっている。ただ、株
価や原油の動向に影響されやすい状況が続いているのも確かでバイアスは傾けすぎず柔軟に対応したい。
ポンド・円は「ブル」
英RICS住宅価格指数が前月比を大幅に上回ったことを受け、英住宅市場の回復期待感が強ま
り参加者はポンド買い優勢となった。しかし、キングBOE総裁の「利下げ」発言をきっかけに、
ブラウン英首相からも英経済・財政に関するネガティブな発言を受けたためポンドのロングポ
ジションには細心の注意を払う必要がありそうだ。