民主党圧勝!株高・円高の展開か?
先週末のドル円は方向感のない展開。
日欧株が上昇してスタートとなったことから、株高連鎖期待が高まり、一時94.065円まで上昇。しかし戻り売りが厚く頭打ちとなり、週末や月末を控えた手仕舞い売りで反落。また、ミシガン大学消費者信頼感指数も同様に上方修正したにもかかわらず、ドルのフォローとはならず、93.50円から約40銭のレンジで推移し、終値は93.614円で引けた。
ユーロ円は一進一退。
WTI原油先物相場が73ドル台に乗せたことや、株式市場が堅調に推移し事を背景にユーロ買いが一時135.000円と28日高値を更新した。しかし、その後は米国株が軟調に推移する場面が見られており、リスクポジション解消目的などで売られ値を下げた。終日原油と株価に左右される展開で、乱高下も見られたが終値は133.905円とほぼ変わらずだった。
今週の展開
先週の為替市場は、インパクトのある材料に欠け狭いレンジでの取引が続いた。今週は、米国でISM製造業景況指数や雇用統計、欧州では中央銀行(ECB)政策金利等ビックイベントが控えている。ドル円は、住宅関連では一定の景気対策の効果が見られているが、労働市場までは本格的に回復するにはもう少し時間が必要なのが現状であろう。米雇用統計では、失業率が10%を超えるとの見通しとなり、雇用のトレンド自体に変化がつけられるかどうかが今週のポイントとなるだろう。
ユーロは、このところ好調な経済指標からECB理事会で成長見通しが上方修正されるのではとの期待感が高く、原油や株価の値動きに注意は必要だが、引き続き堅調な地合いになる可能性は高い。一方のポンド円は、英国の財政悪化や増税見通し、BOEの緩和政策の長期化観測などが嫌気され、下値を模索する展開が続きそうだ。7月モーゲージ承認件数など、指標の改善が見込まれているものの、先週までの展開を踏まえる限りでは、上昇は一時的となりポンドの苦戦が続く展開が予想され、今週発表の製造業や建設業そしてサービス業などPMIの結果次第だが、売りの急所となりやすい地合いが継続しポンド円は7月8日安値146.765円まで下値余地を拡大する必要はありそうだ。
豪ドルは9月1日に金融政策決定会合が開催される。早期の利上げには慎重な姿勢を崩しておらず、現状を維持する構え。このようなことから金融政策面では新たな材料は出にくい状況から政策金利は3.00%で据え置きとなろう。しかし、RBA理事は「豪の第2四半期GDPが好結果となれば、RBAは10月にも利上げするだろう」「豪金利はやがて上昇する必要」と述べている。9月3日のGDPではポジティブな見通しが予想されている為、今後の利上げ期待が高まりそうだ。また、波乱要因があるとすればGDPが下振れした場合となるが、足もとの指標の結果を見れば、マイナス成長は回避される可能性が高く、今週の豪ドルは極端なリスク回避の局面にならないかぎり、底堅さが目立ちそうだ。
また、30日に行われた衆院総選挙は民主党が308議席を獲得し、単独過半数を占め大勝となった。この選挙結果を受け週明けの為替市場では円買いが進行しており、ドル円は寄り付き93.427円と窓を開けてスタートし92円台まで下値を拡大している。 一般的には政権交代の期待から円高・株高との声は多いが、衆院選における民主党圧勝は織り込み済みとも見てとれるため、ご祝儀での株高は素直に受け入れられるが、円高に関しては一時的なものかも知れず、株高を好感して円安になるといったシナリオも頭に入れておく必要はあるだろう。
[今週の予想レンジ]
ドル ・円 90.00円~96.00円
ユーロ・円 131.00円~137.00円
ポンド・円 146.00円~155.00円
【今週の主な経済指標】
8/31
08:50(日) 鉱工業生産
12:00(ニ) NBNZ企業信頼感
14:00(日) 新設住宅着工戸数
15:00(南ア)マネーサプライM3
18:00(欧) 消費者物価指数
21:00(南ア)貿易収支
21:30(加) 四半期国内総生産(GDP)
22:45(米) シカゴ購買部協会景気指数
9/1
10:30(豪) 住宅建設許可件数
10:30(豪) 経常収支
13:30(豪) 豪準備銀行(中央銀行)政策金利発表
14:45(ス) 四半期国内総生産(GDP)
16:55(独) 失業率
17:00(欧) 製造業購買担当者景気指数
17:30(英) マネーサプライM4速報値
17:30(英) 消費者信用残高
17:30(英) 製造業購買担当者景気指
18:00(欧) 失業率
23:00(米) 建設支出
23:00(米) 住宅販売保留指数
23:00(米) ISM製造業景況指数
9/2
08:50(日) マネタリーベース
10:30(豪) 四半期国内総生産
18:00(欧) 四半期域内総生産
20:00(米) MBA住宅ローン申請指数
20:30(米) チャレンジャー人員削減数
21:15(米) ADP雇用統計
21:30(米) 四半期非農業部門労働生産性
27:00(米) 米連邦公開市場委員会(FOMC)
9/3
10:30(豪) 貿易収支
17:00(欧) サービス部門購買担当者景気指数
17:30(英) サービス部門購買担当者景気指数
18:00(欧) 小売売上高
20:45(欧) 欧州中央銀行(ECB)政策金利
21:30(米) 新規失業保険申請件数
23:00(米) ISM非製造業景況指数
9/4
08:50(日) 四半期法人企業統計調査
16:15(ス) 消費者物価指数
20:00(加) 新規雇用者数
20:00(加) 失業率
21:30(米) 失業率
21:30(米) 非農業部門雇用者数変化
23:00(加) Ivey購買部協会指数
さて、マーケット参加者のポジションは......
≪2009年8月28日クローズ時点≫
ドル・円 : ブル
ユーロ・円 : ベア
ユーロ・ドル : ベア
英ポンド・円 : ブル
豪ドル・円 : ブル
NZドル・円 : ブル
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル・円は「ブル」
日本の失業率が予測を上回り、5.7%と過去最悪を更新。円売りが進むかと思われたが反応は薄かった。
また、注目されたミシガン大学消費者態度指数の発表もインパクトにかけ方向感はでず、一日を通して
見ると大きな動きはなく、参加者も週末の為、リスクポジションを調整した様子で ドル円はレンジ相
場の中、若干買い優勢の「ブル」。
ユーロ・円は「ブル」
堅調な欧州株やファンダメンタルズを眺めて引き続き参加者は強気だった。今週末は欧州中銀金融政策
発表、そして米雇用統計があるなど注目度の高い経済指標が目白押しとなっている。特に米指標に関し
ては好結果がそのまま反映されず、逆にドル売りユーロ買いの状況が続いており、今後の基調を試す試
金石となりそうだ。
ポンド・円は「ブル」
英ネーションワイド住宅価格指数が市場予想から上振れしたことで、発表直後には参加者からの買いが
集まった。しかし、世界経済の先行きに対する懸念が強くなっているなか、量的緩和を継続している英
国は更に悪くなるとの見方が先行しており、英中銀金融政策の発表までは、ポンドの弱含みが継続する
可能性を視野に入れておきたい。
日欧株が上昇してスタートとなったことから、株高連鎖期待が高まり、一時94.065円まで上昇。しかし戻り売りが厚く頭打ちとなり、週末や月末を控えた手仕舞い売りで反落。また、ミシガン大学消費者信頼感指数も同様に上方修正したにもかかわらず、ドルのフォローとはならず、93.50円から約40銭のレンジで推移し、終値は93.614円で引けた。
ユーロ円は一進一退。
WTI原油先物相場が73ドル台に乗せたことや、株式市場が堅調に推移し事を背景にユーロ買いが一時135.000円と28日高値を更新した。しかし、その後は米国株が軟調に推移する場面が見られており、リスクポジション解消目的などで売られ値を下げた。終日原油と株価に左右される展開で、乱高下も見られたが終値は133.905円とほぼ変わらずだった。
今週の展開
先週の為替市場は、インパクトのある材料に欠け狭いレンジでの取引が続いた。今週は、米国でISM製造業景況指数や雇用統計、欧州では中央銀行(ECB)政策金利等ビックイベントが控えている。ドル円は、住宅関連では一定の景気対策の効果が見られているが、労働市場までは本格的に回復するにはもう少し時間が必要なのが現状であろう。米雇用統計では、失業率が10%を超えるとの見通しとなり、雇用のトレンド自体に変化がつけられるかどうかが今週のポイントとなるだろう。
ユーロは、このところ好調な経済指標からECB理事会で成長見通しが上方修正されるのではとの期待感が高く、原油や株価の値動きに注意は必要だが、引き続き堅調な地合いになる可能性は高い。一方のポンド円は、英国の財政悪化や増税見通し、BOEの緩和政策の長期化観測などが嫌気され、下値を模索する展開が続きそうだ。7月モーゲージ承認件数など、指標の改善が見込まれているものの、先週までの展開を踏まえる限りでは、上昇は一時的となりポンドの苦戦が続く展開が予想され、今週発表の製造業や建設業そしてサービス業などPMIの結果次第だが、売りの急所となりやすい地合いが継続しポンド円は7月8日安値146.765円まで下値余地を拡大する必要はありそうだ。
豪ドルは9月1日に金融政策決定会合が開催される。早期の利上げには慎重な姿勢を崩しておらず、現状を維持する構え。このようなことから金融政策面では新たな材料は出にくい状況から政策金利は3.00%で据え置きとなろう。しかし、RBA理事は「豪の第2四半期GDPが好結果となれば、RBAは10月にも利上げするだろう」「豪金利はやがて上昇する必要」と述べている。9月3日のGDPではポジティブな見通しが予想されている為、今後の利上げ期待が高まりそうだ。また、波乱要因があるとすればGDPが下振れした場合となるが、足もとの指標の結果を見れば、マイナス成長は回避される可能性が高く、今週の豪ドルは極端なリスク回避の局面にならないかぎり、底堅さが目立ちそうだ。
また、30日に行われた衆院総選挙は民主党が308議席を獲得し、単独過半数を占め大勝となった。この選挙結果を受け週明けの為替市場では円買いが進行しており、ドル円は寄り付き93.427円と窓を開けてスタートし92円台まで下値を拡大している。 一般的には政権交代の期待から円高・株高との声は多いが、衆院選における民主党圧勝は織り込み済みとも見てとれるため、ご祝儀での株高は素直に受け入れられるが、円高に関しては一時的なものかも知れず、株高を好感して円安になるといったシナリオも頭に入れておく必要はあるだろう。
[今週の予想レンジ]
ドル ・円 90.00円~96.00円
ユーロ・円 131.00円~137.00円
ポンド・円 146.00円~155.00円
【今週の主な経済指標】
8/31
08:50(日) 鉱工業生産
12:00(ニ) NBNZ企業信頼感
14:00(日) 新設住宅着工戸数
15:00(南ア)マネーサプライM3
18:00(欧) 消費者物価指数
21:00(南ア)貿易収支
21:30(加) 四半期国内総生産(GDP)
22:45(米) シカゴ購買部協会景気指数
9/1
10:30(豪) 住宅建設許可件数
10:30(豪) 経常収支
13:30(豪) 豪準備銀行(中央銀行)政策金利発表
14:45(ス) 四半期国内総生産(GDP)
16:55(独) 失業率
17:00(欧) 製造業購買担当者景気指数
17:30(英) マネーサプライM4速報値
17:30(英) 消費者信用残高
17:30(英) 製造業購買担当者景気指
18:00(欧) 失業率
23:00(米) 建設支出
23:00(米) 住宅販売保留指数
23:00(米) ISM製造業景況指数
9/2
08:50(日) マネタリーベース
10:30(豪) 四半期国内総生産
18:00(欧) 四半期域内総生産
20:00(米) MBA住宅ローン申請指数
20:30(米) チャレンジャー人員削減数
21:15(米) ADP雇用統計
21:30(米) 四半期非農業部門労働生産性
27:00(米) 米連邦公開市場委員会(FOMC)
9/3
10:30(豪) 貿易収支
17:00(欧) サービス部門購買担当者景気指数
17:30(英) サービス部門購買担当者景気指数
18:00(欧) 小売売上高
20:45(欧) 欧州中央銀行(ECB)政策金利
21:30(米) 新規失業保険申請件数
23:00(米) ISM非製造業景況指数
9/4
08:50(日) 四半期法人企業統計調査
16:15(ス) 消費者物価指数
20:00(加) 新規雇用者数
20:00(加) 失業率
21:30(米) 失業率
21:30(米) 非農業部門雇用者数変化
23:00(加) Ivey購買部協会指数
さて、マーケット参加者のポジションは......
≪2009年8月28日クローズ時点≫
ドル・円 : ブル
ユーロ・円 : ベア
ユーロ・ドル : ベア
英ポンド・円 : ブル
豪ドル・円 : ブル
NZドル・円 : ブル
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル・円は「ブル」
日本の失業率が予測を上回り、5.7%と過去最悪を更新。円売りが進むかと思われたが反応は薄かった。
また、注目されたミシガン大学消費者態度指数の発表もインパクトにかけ方向感はでず、一日を通して
見ると大きな動きはなく、参加者も週末の為、リスクポジションを調整した様子で ドル円はレンジ相
場の中、若干買い優勢の「ブル」。
ユーロ・円は「ブル」
堅調な欧州株やファンダメンタルズを眺めて引き続き参加者は強気だった。今週末は欧州中銀金融政策
発表、そして米雇用統計があるなど注目度の高い経済指標が目白押しとなっている。特に米指標に関し
ては好結果がそのまま反映されず、逆にドル売りユーロ買いの状況が続いており、今後の基調を試す試
金石となりそうだ。
ポンド・円は「ブル」
英ネーションワイド住宅価格指数が市場予想から上振れしたことで、発表直後には参加者からの買いが
集まった。しかし、世界経済の先行きに対する懸念が強くなっているなか、量的緩和を継続している英
国は更に悪くなるとの見方が先行しており、英中銀金融政策の発表までは、ポンドの弱含みが継続する
可能性を視野に入れておきたい。