FXレポート

上海株一時的な調整ではないのか?

前日のマーケットは、上海総合指数が4%下落したことから急激に円高が進行し、約一ヶ月ぶりにドル円が93.658円まで下げ幅を広げたが、軟調に始まった株価が持ち直すとドル円の下値も限定された。その後はドル買い優勢でもみ合う展開となり結局94.056円で引けた。

ユーロ円は横ばい。終値は133.788円で前日とほぼ同水準だった。上海株下落でリスク回避の動きから一時本日安値となる132.190円まで下落。その後はダウの上昇によるショートカバーで値を戻した。米エネルギー省が発表した週間在庫統計で原油在庫が予想に反して減少したことで原油先物価格が大幅に上昇し買戻しのきっかけとなった。

豪ドルは好調な経済指標が相次いだ。6月ウエストパック先行指数は0.7%と前回(-0.4%)から大きく上昇し、この指数は向こう6-9ヶ月の景気見通しを示したものであり、指数の上昇はそれだけ期待が高い事を意味する。たRBA(豪準備銀)のエディ総裁補佐も「消費者の信頼感は高水準に回復」と明るい見通しを示し、一時78.839円まで上昇した。しかし、強い経済指標があったにもかかわらず、上海株が大きく崩れたことをきっかけにリスク回避の動きが強まったことで76.705円まで急落。ダウが持ち直したことで終値は77.916円と戻したが株価に左右される一日となった。

下げ止まったかに見えた上海株が再び急落。ここ2週間では最大約19%の下落となった。新興国株式市場のバブルが崩壊するかもしれないといった話題が出始め、市場全体のリスク許容度を低下させるのに十分なインパクトがある。他にポジティブな材料が特に見当たらない局面では、株安連鎖からのリスク回避により、安全通貨志向からドル買い・円買いの方向へ向かい、ドル円の下落余地はある程度限定されるかもしれない。


[本日の予想レンジ]
ドル ・円   93.00~95.30
ユーロ・円 132.20~134.20
ポンド・円 153.50~156.30


【本日の主な経済指標】

15:15(ス)  貿易収支
17:30(英)  マネーサプライM4速報値
17:30(英)  小売売上高指数
21:30(米)  新規失業保険申請件数
23:00(米)  フィラデルフィア連銀製造業景気指数



さて、マーケット参加者のポジションは......

 ≪2009年8月19日クローズ時点≫
 ドル・円     : ブル
 ユーロ・円   : ブル
 ユーロ・ドル :  スクエア
 英ポンド・円 :  ブル
 豪ドル・円   : ブル
 NZドル・円   :  ブル

 ※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル・円は「ブル」
中国株安を眺めて世界的な景気回復に対する楽観論が後退しリスク回避の動きが高まり、安全資産とされる円に買いが集まった。一方で、新華社通信が「中国国務院、中小企業支援の追加策導入を決定」と報じている事から、明日の中国株式市場は持ち直すか?との報道後は買いが優勢となった。
  
ユーロ・円は「ブル」
上海株の下落から序盤、リスク回避の局面で売られたユーロだが、良好なファンダメンタルズを背景に売りと買いが拮抗する展開となった。参加者はわずかに強気が勝り「ブル」。
 

ポンド・円は「ブル」
イングランド銀行(BOE、英中銀)が発表した8月5-6日金融政策委員会(MPC)議事要旨で、キング総裁が750億ポンドの資産買取プログラムの買取枠拡大を求めたことが明らかになると、英景気の先行きに対する警戒感や、量的緩和が長期化するとの見方が高まった為、ポンド円は153.640円まで売り込まれた。153円台では値ごろ感からロングポジションが膨らんだ。


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