FXレポート

米株安も住宅関連指数改善に期待

ドル円は3日続落。日経平均が300円超の大幅下落、上海総合指数も3000の大台を割り込み、ダウも186.06ドル安の9135.34ドルでクロス円中心にリスクポジション解消の円買い・外貨売りが強まり、ドル円も一時7月29日以来の安値となる94.171円まで値を下げた。終値は94.463円。
             
ユーロ円も株安連鎖懸念によるリスク回避ムードが強まったことから、133.459円付近まで続落した。終値は132.992円。前週末1.721円のユーロ安水準だった。米株安を背景にリスクポジション解消の円買いユーロ売りが膨らんだ。

今後の株価だが、基本的な世界景気に対する見方は緩やかな回復基調というシナリオから変わっておらず、株式市場を取り巻く環境は改善していると言える。中規模の調整局面を迎えた可能性があるものの、日米欧の株式市場がトレンドを変え、下落局面入りする可能性は低いと思える為、あまり悲観的になる必要はないかもしれない。しかし、中国株の大幅下落など気になる材料がないわけではないが、株安の「程度」の見極が大事になりそうだ。

ユーロは本日独、ユーロ圏のZEW景況感調査-8月の発表が控えている。ファンダメンタルズからみれば、欧州の景気回復が早まるとの期待が高まっている事で、株安さえ一服すればユーロの買い妙味も出てきそうだ。欧米の株式市場次第ではあるが、132円台では割安感から押し目買いが入る可能性もある。

ドル円だが、景気回復にはまだまだ不透明感が付きまとうが、住宅に関しては一筋の光が見えてきた。昨日発表された米8月NAHB住宅市場指数は18となり、08年6月以来の水準に改善、08年の平均16を上回り住宅価格の底打ち、政府による住宅一次取得者に対する税還付も功を奏して販売が安定に向かっていると言えるだろう。また本日も、住宅関連の指標が相次いで発表となる。中でも住宅着工件数や建設許可件数等の住宅関連指数には注目したい。



[本日の予想レンジ]
ドル ・円   93.20~95.50
ユーロ・円 132.20~135.20
ポンド・円 152.50~155.30


【本日の主な経済指標】

14:00(日)  景気一致指数
14:00(日)  景気先行指数
17:30(英)  小売物価指数
17:30(英)  消費者物価指数
18:00(欧)  ZEW景況感調査
18:00(独)  ZEW景況感調査
21:30(米)  建設許可件数 
21:30(米)  住宅着工件数
21:30(米)  卸売物価指数



さて、マーケット参加者のポジションは......

 ≪2009年8月17日クローズ時点≫
 ドル・円     : ブル
 ユーロ・円   : ブル
 ユーロ・ドル :  ブル
 英ポンド・円 :  ブル
 豪ドル・円   : ブル
 NZドル・円   :  ブル

 ※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


 ドル・円は「ブル」
 米株安などを背景とした売りで一時94.171円まで下げる展開。しかし、94円前半では依然買いが優勢となり
 「ブル」。 本日発表の住宅着工件数次第では、リスク許容度が高まり株価上昇につながり円が売られる
 可能性も頭に入れておきたい。
   
 
  ユーロ・円は「ブル」
 リスク回避の円買いとなる局面が多く見られた。一時132.459円まで売られた場面では
 RSIなどのオシレーター系のテクニカル指標では買いが優勢となり取引を終えた。
 本日は独、ユーロ圏のZEW景況感調査-8月の発表が控えており注目される
 指標の結果が予想を上回ることがあれば、リスクテイクでいいだろう。
 

 ポンド・円は「ブル」
 ユーロ同様に「株価下落→リスク回避→円買い」の構図から安値は153.402円まで売り込まれた。
 しかし、153円に入り参加者は値ごろ感とみてロングポジションを取った。
 本日から消費者物価指数、19日(水)にBOE議事録の公表、20日(木)発表の7月の
 英小売売上高指数が控えており、中でもBOEが資産買い入れプログラムの継続示唆している状況では、
 ポンドの下落リスクは大きく、その点に注意する必要があるだろう。


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