明日のFOMC!金融スタンスは慎重論が優勢か!?
ドル円は、日経平均が堅調に推移したほか、5・10日仲値に向けたドル買いも観測され東京市場序盤に82.431円まで上昇し高値をつけた。しかしその後、中東情勢の緊迫化を懸念して上海株式が大幅に下落したほか、日経平均も前日比がマイナス圏に反落したことから、リスク回避の円買いが強まると徐々に上値を切り下げる展開に。欧州時間に入ると、英・独・仏などがイースターマンデーで休場となり市場参加者が減少している中、ポジション調整目的のドル売りが散見され81.90円付近を軟調に推移。NY市場に移っても、米経済に対する先行き懸念から米10年物国債利回りが低下すると、日米金利差縮小を意識した売りから日通し安値を更新し81.667円まで続落、終値は81.769円で引けている。
ユーロ円は、NY金先物が史上最高値を更新したことを背景に、豪ドルが対米ドルで変動相場制移行以来の最高値を更新する等、豪ドルの上昇につられ東京市場序盤に一時120.029円まで上昇した。買い一巡後はリビアの首都トリポリで、NATO軍がカダフィ大佐を標的に加えた爆撃を行なったとの一部報道が伝わると、中東情勢を巡る懸念が強まったほか、日経平均が前日比でマイナス圏に転じたことを受けて、リスク回避の円買いが優勢になり119.50円付近まで反落した。欧州勢参入後はイースターマンデーの影響で通常よりも市場参加者が乏しかったことから、明確な方向感を示せず119.75円付近でのこう着状態となった。ただし、NY市場に移るとNYダウの下落や、米10年物国債の低下からリスク回避の動きが強まったことで、円買いが優勢となり119.070円の安値をつけた。結局、終わってみれば「往って来い」となり前日比-0.059円の119.168円で取引を終えている
今日の展開
ドルは、明日27日にFOMC(連邦公開市場委員会)が予定されており、一時強まりを見せていた当局者のタカ派発言だが、ここにきて第1四半期の経済成長の悪化懸念や、米長期格付け見通し引き下げの影響から勢いは衰えている。確かに商品価格の上昇は世界的なインフレを誘発しているが、米金融政策の最も重要なキーマンであるバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)は「商品価格の上昇が米国のインフレ動向に与える影響は一時的」とのスタンスを崩していない。また、イエレンFRB副議長も「金融政策を転換する時期ではない」との見解をすでに表明するなど、FRBトップ2人の言動から判断すれば、明日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で金融緩和スタンスを大きく転換するとは考えにくく、ドルにとって足枷となろう。また、テクニカル面では日足一目均衡表を見ても転換線が基準線を下回ったことで下方向へのトレンドが示現しそうだ。仮に直近3営業日サポートされている81.60円付近を明確に下抜けた場合は、3月17日安値76.180円→4月6日高値85.518円の半値戻しとなる80.849円までは下値余地があると見たい。
ユーロ円は、依然としてギリシャの債務再編や中国の人民元切り上げとの噂が市場参加者の間で燻っており、引続き警戒する必要があるだろう。しかし、ECBの利上げ期待を背景にユーロ自体の地合いも好転しており、イースター休暇明けのポジション再構築で再度上値を試す展開が考えられる。また、投資家の不安心理を示す恐怖指数は15.77ポイントと安全圏の目安となる「20以下」を大きく下回っており、リスクを選好する流れも好感でき、バイアスは強気となろう。また、対ドルもFOMCでは「出口戦略」に踏み込まない可能性が高いとみられることから金利面でユーロ買いに分がある上、チャートをみても1.46台で伸び悩んではいるが、下押しは限定的で堅調地合いは維持されており上値余地を無視できない状況と考えられる。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 80.80-82.00
ユーロ・円 117.50-120.00
ポンド・円 132.00-138.00
【今日の主な経済指標】
15:00 CHF 貿易収支 3月
22:00 USD ケース・シラー米住宅価格指数 2月
22:00 USD ケース・シラー米住宅価格指数[前年同月比] 2月
23:00 USD 消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード) 4月
23:00 USD リッチモンド連銀製造業指数 4月
≪2011年4月25日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
米連邦公開市場委員会(FOMC)では、政策金利を「長期間」低水準にとどめるとの
声明が踏襲される可能性が高く、「出口戦略」への期待感が後退しドルは売られや
すい地合いとなろう。しかし、円も超低金利であり買い進むのは困難なことから、
参加者も下値は限定的とみて「ブル」が優勢。本日は、イースター休暇明けで欧州
勢の取引参加者が戻ってくるものの、日本のゴールデンウィークが近付いているこ
とで大きくポジションを傾けにくい地合いが続きそうだ。ただ、大きく下落する場
面では円売り介入の警戒や、FOMC前にポジション調整によるドルショートカバーも
考えられるため、RSIを頼りに押し目買いも検討してみたい。
ポンド円「ブル」
株高や商品高を背景にリスク選好から欧州通貨が物色されており、安値圏では参加
者の買い意欲も高く「ブル」優勢となっている。しかし、欧州高債務国の信用不安
が払拭されていないうえ、中東情勢の緊張も高まっていることから、積極的に買い
進むのは困難な上、テクニカル面でも5日移動平均線と25日移動平均線がデットク
ロスを形成しているように地合いは弱いため警戒が必要となろう。
豪ドル円「ブル」
米10年物国債の低下からリスク回避の動きが強まり、豪ドル買いポジションの解消
目的の売りが出されたものの、原油や史上最高値を更新した金など商品相場の上昇
を背景に豪ドルが物色される地合いに変化はなく「強気」スタンスは維持されてい
る。しかし、NY原油先物が1バレル112ドル台へ上昇し、NY金先物は先週過去最高値
を記録するなど一本調子で上昇している事から、一旦は調整売りが入る可能性は否
めないため、商品価格の動向を注視する必要があろう。また、復活祭の振替休日で
本日も引き続き祝日となる中、市場参加者が少なく値が振れやすいため、突発的な
動きにも警戒を強めておきたい。
ユーロ円は、NY金先物が史上最高値を更新したことを背景に、豪ドルが対米ドルで変動相場制移行以来の最高値を更新する等、豪ドルの上昇につられ東京市場序盤に一時120.029円まで上昇した。買い一巡後はリビアの首都トリポリで、NATO軍がカダフィ大佐を標的に加えた爆撃を行なったとの一部報道が伝わると、中東情勢を巡る懸念が強まったほか、日経平均が前日比でマイナス圏に転じたことを受けて、リスク回避の円買いが優勢になり119.50円付近まで反落した。欧州勢参入後はイースターマンデーの影響で通常よりも市場参加者が乏しかったことから、明確な方向感を示せず119.75円付近でのこう着状態となった。ただし、NY市場に移るとNYダウの下落や、米10年物国債の低下からリスク回避の動きが強まったことで、円買いが優勢となり119.070円の安値をつけた。結局、終わってみれば「往って来い」となり前日比-0.059円の119.168円で取引を終えている
今日の展開
ドルは、明日27日にFOMC(連邦公開市場委員会)が予定されており、一時強まりを見せていた当局者のタカ派発言だが、ここにきて第1四半期の経済成長の悪化懸念や、米長期格付け見通し引き下げの影響から勢いは衰えている。確かに商品価格の上昇は世界的なインフレを誘発しているが、米金融政策の最も重要なキーマンであるバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)は「商品価格の上昇が米国のインフレ動向に与える影響は一時的」とのスタンスを崩していない。また、イエレンFRB副議長も「金融政策を転換する時期ではない」との見解をすでに表明するなど、FRBトップ2人の言動から判断すれば、明日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で金融緩和スタンスを大きく転換するとは考えにくく、ドルにとって足枷となろう。また、テクニカル面では日足一目均衡表を見ても転換線が基準線を下回ったことで下方向へのトレンドが示現しそうだ。仮に直近3営業日サポートされている81.60円付近を明確に下抜けた場合は、3月17日安値76.180円→4月6日高値85.518円の半値戻しとなる80.849円までは下値余地があると見たい。
ユーロ円は、依然としてギリシャの債務再編や中国の人民元切り上げとの噂が市場参加者の間で燻っており、引続き警戒する必要があるだろう。しかし、ECBの利上げ期待を背景にユーロ自体の地合いも好転しており、イースター休暇明けのポジション再構築で再度上値を試す展開が考えられる。また、投資家の不安心理を示す恐怖指数は15.77ポイントと安全圏の目安となる「20以下」を大きく下回っており、リスクを選好する流れも好感でき、バイアスは強気となろう。また、対ドルもFOMCでは「出口戦略」に踏み込まない可能性が高いとみられることから金利面でユーロ買いに分がある上、チャートをみても1.46台で伸び悩んではいるが、下押しは限定的で堅調地合いは維持されており上値余地を無視できない状況と考えられる。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 80.80-82.00
ユーロ・円 117.50-120.00
ポンド・円 132.00-138.00
【今日の主な経済指標】
15:00 CHF 貿易収支 3月
22:00 USD ケース・シラー米住宅価格指数 2月
22:00 USD ケース・シラー米住宅価格指数[前年同月比] 2月
23:00 USD 消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード) 4月
23:00 USD リッチモンド連銀製造業指数 4月
≪2011年4月25日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
米連邦公開市場委員会(FOMC)では、政策金利を「長期間」低水準にとどめるとの
声明が踏襲される可能性が高く、「出口戦略」への期待感が後退しドルは売られや
すい地合いとなろう。しかし、円も超低金利であり買い進むのは困難なことから、
参加者も下値は限定的とみて「ブル」が優勢。本日は、イースター休暇明けで欧州
勢の取引参加者が戻ってくるものの、日本のゴールデンウィークが近付いているこ
とで大きくポジションを傾けにくい地合いが続きそうだ。ただ、大きく下落する場
面では円売り介入の警戒や、FOMC前にポジション調整によるドルショートカバーも
考えられるため、RSIを頼りに押し目買いも検討してみたい。
ポンド円「ブル」
株高や商品高を背景にリスク選好から欧州通貨が物色されており、安値圏では参加
者の買い意欲も高く「ブル」優勢となっている。しかし、欧州高債務国の信用不安
が払拭されていないうえ、中東情勢の緊張も高まっていることから、積極的に買い
進むのは困難な上、テクニカル面でも5日移動平均線と25日移動平均線がデットク
ロスを形成しているように地合いは弱いため警戒が必要となろう。
豪ドル円「ブル」
米10年物国債の低下からリスク回避の動きが強まり、豪ドル買いポジションの解消
目的の売りが出されたものの、原油や史上最高値を更新した金など商品相場の上昇
を背景に豪ドルが物色される地合いに変化はなく「強気」スタンスは維持されてい
る。しかし、NY原油先物が1バレル112ドル台へ上昇し、NY金先物は先週過去最高値
を記録するなど一本調子で上昇している事から、一旦は調整売りが入る可能性は否
めないため、商品価格の動向を注視する必要があろう。また、復活祭の振替休日で
本日も引き続き祝日となる中、市場参加者が少なく値が振れやすいため、突発的な
動きにも警戒を強めておきたい。