FXレポート

G20開幕!会合の行方は如何に!?

昨日のドル円は、東京時間においてガイトナー米財務長官が米ウォールストリート・ジャーナル紙とのインタビューで「主要通貨は現時点でほぼ整合的である」「ドルが対ユーロ・円でこれ以上下落する必要はない」との見方を示したと報道を受けて81.819円まで急騰した。その後は、金融緩和観測によるドルの先安感から急速に値を削る格好となり、長官の発言が伝わる前の水準を下抜け80.924円まで下落した。欧州時間に入り、英・独株価が上昇したことに加え、GLOBEXのNYダウ先物が上昇に転じリスク志向が改善、円売りが強まったため値を戻した。さらに米国時間に発表された新規失業保険申請件数が(予想:45.5万件、結果:45.2万件)と予想以上の改善を示したことが好感され81.20円付近まで一段高となった。だが、ブラード・セントルイス連銀総裁が講演で「11月のFOMCの後、1000億ドルの資産買い取り拡大が望ましい」、「資産の大規模購入に強く反対」など述べたことが伝わったが、発言に対する市場の反応は薄かった。G20を控えているだけに明確な方向感を見出せないまま、辛うじて前日比プラス圏を維持し81.328円で取引を終えた。

ユーロ円は、東京時間において方向感無く横ばい推移となったが、欧州時間に入ると独経済省が2010年のGDP経済見通しを+3.4%とし、従来の+1.4%から大幅に上方修正を行ったことを手掛かりに上昇する展開となった。また、アジア時間から続いているドル売りによってユーロドルが再度1.4ドルの大台に乗せたことや、ユーロ圏製造業購買部担当者景気指数が(予想:53.2、結果:54.1)と予想を上回ったことが支援材料となり113.929円をマークした。その後は利益確定の売りに押されて値を崩し113.227円で取引を終えた。

                     本日の展開

本日のドル円は、韓国で22・23日に開催されるG20(20カ国・地域財務相・中央銀行総裁会議)を警戒した相場展開となりそう。会合では為替政策と貿易の動向が討議の中心になるとされており、通貨の切り下げ競争を行わないとの公約を盛り込む方向で調整が進んでいる。ただ議論の行方には不透明感が強く、会合の内容を見極めないと方向感は見出しづらいとの見方もある。また、米国時間において注目度の高い経済指標の発表は予定されていないため、一日を通じて主要国の株価動向に影響を受ける形になりそうだが、昨日のガイトナー長官のように突発的な高官発言によって値が振れるケースもあるため警戒は怠れないだろう。

ユーロ円は昨日の日足が十字線となっており市場の気迷い感が感じられる。上昇の背景となっていたユーロドルが大台の1.4ドル近辺で推移している中で、ガイトナー長官の発言によって上方向へ攻めづらくなっていることに加え、G20開幕で政府・日銀が為替介入に踏み切りにくい状況であることから上値の重い展開が想定される。G20を警戒した様子見ムードから方向感を見出しづらい状況ではあるが、欧州時間に発表される独IFO企業景況感指数には注意が必要となるだろう。


[今日の予想レンジ]
ドル ・円   80.00-82.00
ユーロ・円 111.80-114.60
ポンド・円 126.50-129.40

【今日の主な経済指標】
09:30 AUD 四半期輸入物価指数
17:00 DEM IFO企業景況感指数
20:00 CAD 消費者物価指数(CPI)
21:30 CAD 小売売上高[前月比]   

≪2010年10月21日クローズ時点≫
 ドル・円   :「ブル」
 ユーロ・円  :「ブル」
 ユーロ・ドル :「ベア」
 英ポンド・円 :「ブル」
 豪ドル・円  :「ブル」
 NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。

ドル円は「ブル」
歴史的安値圏を推移する中「ブル」継続となっている。緩やかながら下落している中
で、81円割れの水準では買戻しが入るケースも見受けられ、終値ベースで見た場合は
81円台前半の横ばい推移が続いている。しかし、日銀が介入に動きづらい状況である
ため、小さい値幅ながらも安値を更新する可能性があることから日々注意が必要とな
るだろう。

ユーロ円は「ブル」
拮抗に近い状態ながらもわずかに「ブル」となった。一目均衡表日足転換線が基準線
を下抜けしているが、直近安値を更新しなければ基準線・転換線は共に数日横ばい推
移となるため、テクニカルでは方好感を見出しづらい状況となっている。今後の行方
はG20が鍵を握っている為、結果を見極めた上での対応が必要となりそうだ。

ポンド円は「ブル」
終値ベースでの安値を更新し、弱含んでいるものの値ごろ感から「ブル」となった。
目標を上回るインフレ率と、景気先行き不透明感を抱え下降トレンドを形成している
ため10月20日直近安値127.345円を下抜けた場合は、5月20安値126.68円までの下落も
想定しておく必要がありそうだ。

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