焦点は政府・日銀による介入実施の有無!
昨日のドル円は、米追加金融緩和観測に伴うドル先安観を背景に、薄商いの中まとまった売りが出ると仕掛け的な売りも加わってストップロスを誘発、81.564円と1995年4月以来の安値を付けオープンした。東京市場では大きく開いた窓を埋める値動きとなり反発したものの、その後は本邦が祝日だったこともあり、積極的な取引は見られず82.00円付近でもみ合いが続いた。欧州市場も動意は薄く82.00円を挟んだ狭いレンジでのもみ合いに終始。NY勢参加後も米国はコロンブスデーの為、為替・債券市場が休場で市場参加者が少ない上、NYダウが精彩を欠く動きとなり、値動きは限定的だった。引けにかけ英国、欧州、中国と各中央銀行総裁の講演があったものの、内容から材料視される展開には至らず、82.134円で取引を終えた。
ユーロ円は、東京市場序盤から米連邦準備理事会(FRB)が追加の金融緩和に踏み切ることを期待した買いが先行して一時114.738円まで上昇する場面も見られた。しかし先週末にトリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁やユンケル・ユーログループ議長からユーロ高をけん制する発言が引続き意識され、じりじりと下値を拡大し114.50円付近まで弱含んだ。欧州勢の本格参入後は中国当局が大手6行に対して準備預金率を0.5ポイント引き上げたと伝わったことを受け、同国の景気減速懸念が意識されたことで、リスク回避の動きが強まり、113.830円まで下落。引けにかけてはNY市場の休場や、欧米で主要経済指標が予定されていないなど新規の手掛かり材料に乏しく狭いレンジ内の動きとなって113.966円で取引を終えた。
本日の展開
先週金曜日に発表された9月米雇用統計では、非農業部門雇用者数は前月比-9.5万人と予想以上のマイナスとなり、米雇用の回復の鈍さを裏付ける結果となった。米ファンダメンタルの悪化から二番底リスクは完全に払拭できておらず、来月2-3日開催のFOMCでは追加金融緩和策が打ち出される可能性が高くなっている。米国債は米追加金融緩和観測の高まりから2年債・5年債・10年債の利回りが過去最低を更新しており、金利面からもドル売りが強まる可能性が高いだろう。
ドル円は政府・日銀の円売り介入実施が焦点となるが、野田財務相によると円売り介入に関して、G7でも、ガイトナー米財務長官からも否定的な見解はなかったとしているが、非公式会議で容認されたのか否かについては、今後の展開で判断するしかなさそうだ。また、本日より米企業の7-9月の決算発表がスタート。12日にインテル、13日にJPモルガン・チェース、14日にグーグル、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)、15日にゼネラル・エレクトリック(GE)などが第3四半期の決算を発表するが、直近11,000ドルを超えたNY株価を、企業決算発表が支えられるか、リスク許容度の変化も注視しておきたい。
ユーロは米追加金融緩和観測の高まりとドルの価値希釈懸念から、流れとしてはドル安が続くとみるのが基本線となろうか。欧州当局者によるユーロ高への懸念発言も出ているものの、ウェリンク・オランダ中銀総裁は「ユーロのここ最近の上昇は懸念していない」と発言するなどEU内でも温度差があるようだ。また、対ドル・対円の過去数年のレンジからみても高すぎるとはいえないことから、押し目買いスタンスも良いと思われる。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 80.50-83.00
ユーロ・円 113.10-116.00
ポンド・円 127.60-132.50
【今日の主な経済指標】
14:00 JPY 消費者態度指数
15:00 DEM 消費者物価指数(CPI、改定値
15:00 DEM 卸売物価指数
15:45 FRF 経常収支
17:30 GBP 貿易収支
17:30 GBP 消費者物価指数(CPI)
17:30 GBP 小売物価指数(RPI)
03:00 USD 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨
≪2010年10月11日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
一時81.537円まで下落し15年ぶり安値を更新した事や、政府・日銀による円売り介入
への期待から「ブル」継続。G7も終了して祝日明けの本日以降、市場介入実施の可否
が焦点となるが、野田財務相はG7後の会見で「特定水準目指す大規模・長期的介入は
しない」とコメント、今後の為替介入に関して消極的とも取れる内容となっている。
また、G7では各国の間でドル安に懸念の声が上がらなかったことも更なるドル売りの
安心感につながり、大きく下落する可能性がありそうだ。慎重な戻り売りスタンスが
有効となろうか。
ポンド円は「ブル」
ポンド自体の買い材料は乏しかったものの、米国の景気二番底懸念の強まりからドル
の独歩安が鮮明となっている事や、ユンケル・ユーログループ議長がユーロ高に懸念
を表明したことで、ユーロからポンドへ資金シフトするのではとの思惑もあり、「ブ
ル」が優勢。しかし、依然景気下振れ懸念も強く、追加金融緩和観測も払拭されてお
らず、バイアスはやや弱気と言えよう。
豪ドル円は「ブル」
中国の金融引き締め関連報道が伝わると、中国と経済の結びつきの強い豪州が悪影響
を受けるとの見方や、リスクマネーのフローが細るといった見方から80.50円付近ま
で下落すると、押し目買いが旺盛となり「ブル」が継続。日米の事実上のゼロ金利政
策でドルと円が売られやすい地合いとなっている上、週末のワシントンG7でもドル安
に関して表向きには非難が上がらなかったことから、ドル安・円安にサポートされる
展開をメインシナリオとしたい。
ユーロ円は、東京市場序盤から米連邦準備理事会(FRB)が追加の金融緩和に踏み切ることを期待した買いが先行して一時114.738円まで上昇する場面も見られた。しかし先週末にトリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁やユンケル・ユーログループ議長からユーロ高をけん制する発言が引続き意識され、じりじりと下値を拡大し114.50円付近まで弱含んだ。欧州勢の本格参入後は中国当局が大手6行に対して準備預金率を0.5ポイント引き上げたと伝わったことを受け、同国の景気減速懸念が意識されたことで、リスク回避の動きが強まり、113.830円まで下落。引けにかけてはNY市場の休場や、欧米で主要経済指標が予定されていないなど新規の手掛かり材料に乏しく狭いレンジ内の動きとなって113.966円で取引を終えた。
本日の展開
先週金曜日に発表された9月米雇用統計では、非農業部門雇用者数は前月比-9.5万人と予想以上のマイナスとなり、米雇用の回復の鈍さを裏付ける結果となった。米ファンダメンタルの悪化から二番底リスクは完全に払拭できておらず、来月2-3日開催のFOMCでは追加金融緩和策が打ち出される可能性が高くなっている。米国債は米追加金融緩和観測の高まりから2年債・5年債・10年債の利回りが過去最低を更新しており、金利面からもドル売りが強まる可能性が高いだろう。
ドル円は政府・日銀の円売り介入実施が焦点となるが、野田財務相によると円売り介入に関して、G7でも、ガイトナー米財務長官からも否定的な見解はなかったとしているが、非公式会議で容認されたのか否かについては、今後の展開で判断するしかなさそうだ。また、本日より米企業の7-9月の決算発表がスタート。12日にインテル、13日にJPモルガン・チェース、14日にグーグル、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)、15日にゼネラル・エレクトリック(GE)などが第3四半期の決算を発表するが、直近11,000ドルを超えたNY株価を、企業決算発表が支えられるか、リスク許容度の変化も注視しておきたい。
ユーロは米追加金融緩和観測の高まりとドルの価値希釈懸念から、流れとしてはドル安が続くとみるのが基本線となろうか。欧州当局者によるユーロ高への懸念発言も出ているものの、ウェリンク・オランダ中銀総裁は「ユーロのここ最近の上昇は懸念していない」と発言するなどEU内でも温度差があるようだ。また、対ドル・対円の過去数年のレンジからみても高すぎるとはいえないことから、押し目買いスタンスも良いと思われる。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 80.50-83.00
ユーロ・円 113.10-116.00
ポンド・円 127.60-132.50
【今日の主な経済指標】
14:00 JPY 消費者態度指数
15:00 DEM 消費者物価指数(CPI、改定値
15:00 DEM 卸売物価指数
15:45 FRF 経常収支
17:30 GBP 貿易収支
17:30 GBP 消費者物価指数(CPI)
17:30 GBP 小売物価指数(RPI)
03:00 USD 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨
≪2010年10月11日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
一時81.537円まで下落し15年ぶり安値を更新した事や、政府・日銀による円売り介入
への期待から「ブル」継続。G7も終了して祝日明けの本日以降、市場介入実施の可否
が焦点となるが、野田財務相はG7後の会見で「特定水準目指す大規模・長期的介入は
しない」とコメント、今後の為替介入に関して消極的とも取れる内容となっている。
また、G7では各国の間でドル安に懸念の声が上がらなかったことも更なるドル売りの
安心感につながり、大きく下落する可能性がありそうだ。慎重な戻り売りスタンスが
有効となろうか。
ポンド円は「ブル」
ポンド自体の買い材料は乏しかったものの、米国の景気二番底懸念の強まりからドル
の独歩安が鮮明となっている事や、ユンケル・ユーログループ議長がユーロ高に懸念
を表明したことで、ユーロからポンドへ資金シフトするのではとの思惑もあり、「ブ
ル」が優勢。しかし、依然景気下振れ懸念も強く、追加金融緩和観測も払拭されてお
らず、バイアスはやや弱気と言えよう。
豪ドル円は「ブル」
中国の金融引き締め関連報道が伝わると、中国と経済の結びつきの強い豪州が悪影響
を受けるとの見方や、リスクマネーのフローが細るといった見方から80.50円付近ま
で下落すると、押し目買いが旺盛となり「ブル」が継続。日米の事実上のゼロ金利政
策でドルと円が売られやすい地合いとなっている上、週末のワシントンG7でもドル安
に関して表向きには非難が上がらなかったことから、ドル安・円安にサポートされる
展開をメインシナリオとしたい。