FXレポート

ドル、ファンダメンタルズに加えイベントリスクも増大

先週のドル円は、7月2日発表の米雇用統計が、予想を大きく下回る悪化となり、
ファンダメンタルズの底打ち期待に水を差す結果となった。
非農業部門雇用者数は前月比46万7000人減と市場予想を下回り、ドル売り圧力が増大、
ドル円は、一時95.700円まで下落した。
その後は、米国が独立記念日で市場参加者が極端に少ない状況となり、動きも鈍く
全体的に盛り上がりに欠け、結局95.986円で先週の取引を終えた。

ユーロ円も序盤はユーロ圏6月消費者信頼感指数、ユーロ圏6月製造業PMI・確報値
の結果や弱い米ADP全国雇用者数の発表を受け、リスク回避の動きが優勢となり1日
には一時136.950円まで上昇するも、2日に発表されたユーロ圏の失業率が9.5%へ
悪化、さらに米雇用統計の結果を受け3日午前の東京市場では一時133.570円まで
下げ幅を広げてしまった。尚、3日の独・欧州サービス業PMIはともに予想より
強かったが、市場への影響は限定的で134.165円と先週の始値と同水準で取引を終えた。


今週の展開

ドル円は、米雇用統計の結果によりファンダメンタルズへの懸念が予想され、
本日に発表されるISM非製造業景気指数を皮切りに、経済指標に左右される
展開が想定される。

一方で、イベントリスクも今週は強くなる可能性があり、7日のオバマ米大統領の
ロシアへの訪問、8日からのG8には注目が集まる。
オバマ大統領のロシアへの訪問では世界の準備通貨について協議する可能性があると
見られている。また、G8では中国がドルに変わる新通貨についての議論を要求するとの声も出ており、
これらの内容次第ではドル円は軟調な動きが予想される。

一方ユーロ円も米雇用統計の結果やユーロ圏の失業率が9.5%へ悪化したことを受け
世界経済の回復にはさらに時間がかかるとの見方から、市場心理は再度悪化している。
現在、リスク回避傾向は、ユーロ売りの支援材料となっていることもあり米国株式市場
の動向や8日発表のユーロ圏GDP(前期比)の結果次第では、軟調な動きを見せるかも知れない。

また、今週は6日にISM非製造業景気指数(米)、8日に経常収支 、貿易収支(日)、
ユーロ圏GDP(欧)、10日には貿易収支、ミシガン大学消費者信頼感指数(米)が
控えており、更には8日からG8が行なわれ中国がドルに変わる新通貨についての
議論を要求するとの声も出ており、重要イベントの結果や要人の発言次第では
大きな動きに発展する可能性もあるため素早い対応が求められそうだ。

[今週の予想レンジ]
ドル・円    94.50~ 98.50
ユーロ・円  132.50~136.50
ポンド・円  154.00~160.00

 

【今週の主な経済指標】
7月6日
14:00(日)  日本    景気先行指数(CI)
23:00(米)  アメリカ ISM非製造業景気指数
7月7日
13:30(豪)  オーストラリア 豪中銀政策金利
17:30(英)  イギリス 鉱工業生産(前年比)
7月8日
08:50(日)  日本   機械受注
18:00(欧)  ユーロ圏 ユーロ圏GDP(前期比)
7月9日
10:30(豪)  オーストラリア 失業率
20:00(英)  イギリス 英中銀政策金利
21:30(米)  アメリカ 新規失業保険申請件数
23:00(米)  アメリカ 卸売在庫(前月比)
7月10日
21:30(米)  アメリカ 貿易収支
23:00(米)  アメリカ ミシガン大学消費者信頼感指数


 
 さて、マーケット参加者のポジションは......

 ≪2009年7月3日クローズ時点≫
 ドル・円 :  ブル
 ユーロ・円 : ブル
 ユーロ・ドル :ブル
 英ポンド・円 :ブル
 豪ドル・円 : ブル
 NZドル・円 :  ブル
 ※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。

 

 ドル・円は「ブル」
 米国が独立記念日のため積極的な取引も手控えられているもようで、ドル円は明確な方向感には欠け、95円後半で推移。
 参加者は、押し目買いのスタンスで望んでいるが、依然として米経済見通しには注意が必要だろう。
 
  
  ユーロ・円は「ブル」
 米雇用統計の結果を受け133.570円まで下落し、さらに独・欧州サービス業PMIはともに予想より強かったため
 参加者は依然として押し目買いを狙った模様。ただし、先行きが不透明なドル円に続く格好で下落のリスクも
 強くなっているので要注意。
 
 
 英ポンド・円は「ブル」
 6月の英サービス部門購買担当者景気指数(PMI)は51.6と、前月の51.7に比べて低下し、市場予想平均の
 51.5を若干上回り、今週発表される経済指標への期待感から参加者は買いを選択している模様。
 ただし、経済指標の結果次第では円高に振れる可能性もありえるだろう。
 

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