FXレポート

ユーロ円、ドル円の振るい落しに要注意

 米国ファンダメンタルズの改善や米大手金融機関の好決算を受けたドル円、クロス円の上値模索も一服感が台頭、利益確定の売りに押される展開となっている。

 先日はガイトナー米財務長官の「大手銀の大多数は必要以上の資本を有している」等の議会証言からNYダウが反発したものの、一方でバンクオブアメリカは予想を上回る貸倒引当金の増額を発表しており、金融機関の損失拡大懸念は根深い。ドル円は101円台を達成後98円台、ユーロ円は4月6日に137円をワンタッチした後127円台へと押される状況となっている。

 ドルの行方に関しては、住宅市況の改善に見られるファンダメンタルズの回復期待と、政府の景気刺激策への期待感からドル資産への投資意欲がドルを選好する状況。また、ユーロに関しては、昨日発表されたZEW景況感調査に見られる景気先行き見通しに対しての安堵感からユーロが選好される状況のようだ。一方で、パイオニアが政府に資本注入の要請をしているなど、企業収益への不安感が広がる円は、ドル、ユーロに比べて不透明感が強い通貨という位置付けとなっている。

 こうした背景からはドル円、ユーロ円も上昇局面を続けてもよさそうだが、最近の上値が重い展開はよく言われる「織り込み済み=既にドル円、ユーロ円はロングが蓄積」となっている可能性も高い。

 そこで、マーケット参加者のポジションは......となるが、予想どおり強気のスタンスとなっているようだ。こういった状況では、ドル、ユーロの悪材料に敏感に反応する可能性も高くなっており注意が必要だ。

 ≪2009年4月21日クローズ時≫
 ドル・円 : ブル
 ユーロ・円 : ブル
 ユーロ・ドル: ブル
 英ポンド・円: ブル
 豪ドル・円 : ブル
 NZドル・円: ブル
 ※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。

 ユーロ・円は「ブル」、参加者は欧州ファンダメンタルズ改善の兆しからユーロ買に安心感が出てきている模様。しかし、ユーロ買いを支える株式相場の軟調な推移、強まる利下げ観測からユーロ売りに転じる参加者も増えている。127円台を維持できなければ125円へ向けて相場が加速化する可能性も。

 ユーロ・ドルは「ブル」、ユーロ買い・ドル売りのポジションが増加している。米金融機関の損失拡大懸念から、ドル売りの流れが強まっている模様。しかし、市場では欧州中央銀行(ECB)の追加利下観測等もあり、1.3ドルを巡る攻防に注目したい。

 ドル・円は「ブル」、相場の方向性が定まらない状況の下、参加者は依然として押し目買いのスタンスで望んでいるようだ。ストレステストの結果発表を控え、様子見相場が続く可能性が高いものの、要人発言や各種憶測報道等への素早い対応が求められそうだ。

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